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『まだまだ進化するシャープペンシル、だが作法がない』


   


     7月 1st, 2015  Posted 12:00 AM



ある大学の教授が、筆記具使用を調べた結果、
ほとんどがシャープペンシルであり、
鉛筆使用がたった1名しかいないという記述を読みました。
私は絶対に鉛筆派であり、
意識してシャープペンシルを拒絶してきました。
図面であっても、鉛筆にずーっと拘ってきました。
鉛筆を削ることと墨をすること、
これは私にとって文房具の存在意義と考えてきた根拠です。
ところがまったく削らずに使えるとか、0.5mm以下まで登場すると、
シャープペンシルルに興味がわきました。
シャープペンシルの存在意義は格段になってきたようです。
そして、とうとうあの細いペンシル芯が折れない、とまでなると、
<ホント?〜>となって、自分でも使い始めてしまいました。
シャープペンシルを日本で最初に使った大名や、
それが元来は鉛筆からの発想や、
シャープペンシルと鉛筆の歴史的な競合研鑽ともなれば、
もはやシャープペンシルは見過ごせない存在になりました。
海外からのゲストや海外出張時のお土産には、
私は必ず日本の文房具を持って行き、
「日本の具体的な素晴らしさ」をさも、自分が開発者のごとく、
自慢げに話ができるものであり、大絶賛を受けるのです。
おそらくここからまた新たなシャープペンシルが進歩していくでしょう。
それこそ、
日本ならではの文房具技術の革新を生み出していくこと明らかです。
そこで、私なりには、
シャープペンシルの技術進化は
もっと文具の「作法」として成し遂げる文化があるでしょう。
現在のシャープペンシルには、技術だけからの解放を求めます。
ともかく、シャープペンシルには
デザインの勘違いが未だにあることは明らかですが、
それでもこの進化結果は
次世代のペン文具を想像させることは間違いないでしょう。


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『ノート形式』、その使い勝手はまだまだ拡張する


   


     6月 30th, 2015  Posted 12:00 AM



この企業の新商品はほぼ常連のごとく、
商品づくりにおいて、徹底したきめの細かさがあります。
それだけに、今度はどのような商品をと気がかりですから
多分、毎年それは企業ストレスになっているかもしれません。
しかし、企業とは、「企」という文字の象形文字意味には
明らかに、つま先をたてて遠くを見つめて案を決定している、
その原意がありますから、企業とは未来づくりだけが
常に求められていて当然だと考えます。
よって、デザイン主導でなければなりません。
さて、またしても新しいノートが登場しました。
当然のこと、紙質からシリーズの外観的な意匠は優れています。
しかし、
このメーカーはこれがデザインだということを超えようとしています。
ノートゆえにノート性能だけではなくて、
それ以上に、ノートには何を記述し、それはどのような発想、
すなわちアイディアの記述性にまでを目論んだ
問題解決を成し遂げています。
それは、ノートといっても、文房具の基本をさらに詳細に
使い勝手を拡大しています。
今回このノミネートと、当然の受賞から、
私は、まだまだノート類の用途開発と
ノートというものの拡張性があることを知ることができました。
もちろん人間には「考えること」と「思うこと」は同次元ですが、
実際は大きな違いがあります。
それはこのノートを思考の道具としてユーザーに
ノート形式を横型にして、横型柄の紙面を準備しています。
それはユーザー自らが、
このノートをどのように使っていくかを問いかけています。
惜しむらくは、このノートには海外製ノートの
バインディングのゴム素材までを新規にしてほしいことを望みます。


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『森羅万象悉紙也』=ペン先メインテナンスの紙


   


     6月 29th, 2015  Posted 12:00 AM



文房具の審査会に出るためには、
私は国内外ほとんどの商品は熟知することを義務にしています。
しかし、新商品の登場を会場で初めて知ることもあります。
それがこの審査会の大きな楽しみになっています。
今回、この商品を見たときに、日本という国は、
なんとこのような紙製品を創り出したことにびっくりしました。
私自身が万年筆の収集趣味があり、万年筆においては、
そのペン先の重要さを知っているだけに布地にしても、
ちょうどペン先清掃の布については、
繊維質との兼ね合いがあると良くないことも知っていました。
私は和紙についてもプロだと自認しています。
「森羅万象悉紙也」という越前和紙職人さんとの越前和紙もあります。
紙は和紙と洋紙の違いも十分に知っていますが、
万年筆のペン先、そのメインテナンス専用の用紙までが開発されました。
今、おそらくティッシュペーパーなどでは、
その紙質の繊維によって、マイナス面があります。
私は私なりに選んだボロ布をペン先、ペン軸内外それぞれに使っています。
そういう意味では、ここまでの商品開発をするというのは
日本人だからこそ、心配りのある商品であると思います。
万年筆と紙との適合性を謳いあげたノートや便せんなどもありますが、
私は、この適合性については、やや疑問の商品もあります。
それは、万年筆のインクの染みこみ方だけでは語れないのです。
重大なのはペン先との適合性があります。
そういう意味では、
ペン先のメインテナンス性だけに特化したモノづくりは
特筆すべき新たな商品アイテムの提案になっています。


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『商品のシリーズ化』は大きさの性能が全体機能である


   


     6月 28th, 2015  Posted 12:00 AM



裏面にマグネットが塗布されたモノは
シート・ボード・パッド、そしてノートと呼ばれる、
商品シリーズとして展開されました。
シートは携帯用のホワイトボードとして、
いわゆる黒板的な文房具として登場してからほぼ半世紀?
かもしれません。
この競合商品の市場競争を見てきた経緯があります。
そして、ノートと明示されたマグネット塗布の付箋的な、
「ノート」によって、
このシリーズは、単純には大きさ違いでしかありませんが
明確な文房具としてのポジションを決定したと評価できます。
なぜなら、携帯できるホワイトボードは、ただの黒板的なモノでした。
それなりには黒板的な用途であり、
それなりの用途的な感動はわずかだったはずですが、
それがボードになり、パッドになり、
適合したノートというマグネット塗布された適切な大きさが、
まるで付箋的な形式をこの商品で語ってくれています。
おそらく、この商品シリーズを決定づけたことが、
文房具として、何に使うべきか、というよりも、
どのようなために使うかを与えてくれるモノになっています。
言い換えると、Whatのためのモノから、
Howを紡ぎ出してくれる思考を
再質問してくれるモノとしての文具になっているということです。
おそらく、商品シリーズは、
大きさとカラーと材質でシリーズ化は可能です。
シリーズ化を成し遂げる根本としての大きさが、
同じ材質に限定されても、カラー化は使い勝手でも、
どのようなために使うべきかを問いかけてくれます。
この重要さを明快に与えてくれるマグネット塗布されて
「くっついてしまう」から、
新しい使い方を再考させてくれるモノになっています。


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『未来創世を象徴している地場産業産地でのデザイン』


   


     6月 27th, 2015  Posted 12:00 AM



デザインには二つの役割があると私は思っています。
かつては外観性や装飾性であり、
産業経済のための付加価値を支援する実務という理解が一般化しました。
確かに、デザイン、その源流的な職能意味であったことは確かです。
しかし、外観づくりや装飾性の設計実務は、
二つの明快な役割がはっきりしてきました。
それは「問題解決」と「未来へのモノづくり」、
その明確な方向性とモノづくり思想を与えることでした。
これはメジャー=巻き尺に過ぎませんが、
メジャー筐体は切削加工によって緻密に製造されています。
この金属、アルミやステンレスの精細な切削加工は、
新潟県の燕三条の地場産業によって製作され商品化されています。
燕三条の地場産業は、和釘産業の産地でした。
その地場産業は、釘づくりを金属加工へと時代の要求を先取りするために
デザイン=未来への産業としてのモノづくりに挑戦をしてきました。
これは、付加価値産業ではなくて、明らかに全体価値としてのモノづくり、
その基本をデザインに求めてきたことを高く評価しています。
しかし、大きな問題が残っていることも書き記す必要があります。
それは、価格設定に限界を与えてしまっていることです。
ブランド設定のためのデザイン投資が海外メーカーのブランド戦略に
まだまだたどり着いていません。
私自身が地方産業・地場産業・伝統工芸産業・中小企業全体が
未だに、デザインには「付加価値」しか求めていない傾向があることです。
それはこの商品にも、問題解決への未来的正解へのアプローチが未然です。
ここまでの精彩な切削加工ができるのであれば、
メジャーそのものへの未来的知識、その先取りが必要です。
私は願わくば、その詳細をこの企業に伝えたいと願っています。
しかし、この精彩で精細な切削加工アイテムを
拡大していくためのデザイン主導は優秀賞なること十分です。


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『現代に蘇った描くペン』


   


     6月 26th, 2015  Posted 12:00 AM



すでに自分が使っているペンが登場すると、
私は正直、個人的に迷いが出ます。
このペンは、ピニンファリーナといえば、
カーデザインでは、歴とした有名スタジオです。
したがって、このペンの登場を知るとすぐに私は
海外の通販で入手して使っていましたから、
このブログでも取り上げたことがあると思います。
審査員として、さらに審査委員長としては、
自分が使っているという主観性は、デザイン審査の経験からも、
私にはすぐに客観的な見方が生まれます。
一つは、審査員たちの評価をじっくりと聞くことで、
自分の主観性は抹消されます。
もう一つは審査委員の審査基準あるいは知識とセンスを再確認できます。
そして私がびっくりしたのはこの商品化には、
明らかに日本のモノづくりが基盤にあったことでした。
このペンは、紙質を相当に選びますが、
描くという行為は、欠くこと=紙質の表面を削り取って、
描くことは画くこと、書くことにつながっています。
しかも、ペン立てのスタイルでありながら、
ペン立て部位は、ペン入れになっている機能化が仕組まれています。
このペンは、いわゆる石筆=スタイラスと同様に、
欧州で発見された金属ペンだということです。
この商品が発表されたときには、
すでに金属そのもののペンはいくつか登場しましたが、
これが最高に熟考されていたスタイリングデザインが完成していました。
まさに今年度、デザイン=スタイリングという装飾性を現代ゆえに、
ペン立てとペンケースを解答としてしまった商品だと断言できるでしょう。
これが優秀賞になっていることで、
デザインはひとまず装飾的な機能性だけではなくて、
金属ペンとしての問題解決になっていることを確認してください。


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『やわらかい美しさのあるノート』


   


     6月 25th, 2015  Posted 12:00 AM



文具の基本は、ノートとペン。
人間のやや大げさに言えば、知的活動の根本ツールは、
ノートとペンに集約されます。
おそらくノートといえば、小学生の頃から大人になっても
知的活動を支える大事なモノです。
しかもこれほど安価であっても、
毎年その進化は目を離すことができません。
今年もいくつかのノミネートされたノート類を触って見て、
私はデザインの要である問題解決を成し遂げて、
なおかつ性能性・効能性・機能性を美しくまとめた商品として、
大手ノートメーカーなればこその解答商品は、
「やわらかいリング」で、
これまでの金属製リングの不満点を全て解決した、
このノートをデザイン部門賞にしました。
審査委員全員が納得できた美しいノートでした。
柔らかいD型リングが、
これまで当たり前だと思っていた金属丸形リングの欠点=問題点を解決し、
提示してもらえたことこそ、デザイン成果に他なりません。
デザイン部門なのか、機能部門なのかといえば、
この商品は当然、
品質やノート性能、存在感では、機能性はマスターしています。
それ以上にこのノートの佇まいには美しさが柔らかく存在しています。
おそらく、
このノートからの進展的な未来がイメージ出来ると判断可能だと、
私は思っています。
そして、このノートの柔らかな美しさに、
どのような鉛筆が、どのようなペンがふさわしいかということこそ、
ユーザーのセンスを決定させると考えます。
つまり、デザイン部門に求められている問題解決には、
この解答商品が、次世代のノート進化、
その想像性を拡大してくれるモノで無ければなりません。
そういう意味では、断トツの商品だったと思います。


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『手帖が息づいている付箋という回答商品』


   


     6月 24th, 2015  Posted 12:00 AM



ここ数年付箋の進化は激しく、
そしてアイディア競争には驚かされます。
何と言っても、
日本人でなければこれだけの種類の付箋はあり得ません。
今年もノミネートされてきた付箋は選別も難しいほどでしたが、
ここまでの進化というのは、ペンと同サイズでありながら、
その分量の莫大さに驚かされます。
私がハッと驚いたのは、これは明らかに手帖でした。
手帖というのは長さが延々と長い巻物形式のメモ帳です。
しかもそれが付箋という形式になっていることです。
私自身、ともかく付箋は様々に使ってきましたが、
テープ形式などはすぐに倦いてしまい、
それは性格によるものです、
が、正直、付箋は厭きればすぐに捨て去ることにしています。
結局、
単なる付箋という話題に対する応答商品でしか無いということです。
そこで肝心なことは厭きられない性能とその存在感がとても重要です。
そういう意味では、
これは明らかに機能商品としての使い勝手があります。
ともかく、ペンケースに忍ばせておいても、
ペンのごとくの存在があります。
付箋はまだまだ話題商品からは解放されていないと
断言してもいいでしょう。
そうした話題商品の中で、付箋はどう使うべきかという、
その課題に答えた回答商品になっていると思っています。
したがって、機能部門賞として選んでいます。
ということは、
さらに付箋という問題解決の解答商品になるならば、
私はそれはデザインされたモノとして
付箋のあり方にたどり着いたと思っています。
それでも機能商品として、
今年最高のモノであったと思っています。


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『万年筆で顔料インクがありえるのだ』


   


     6月 23rd, 2015  Posted 12:00 AM



色の材料は二つの種類があります。
染料と顔料です。大雑把に言えば、
植物系(染料)と鉱物系(顔料)と言ってもいいでしょう。
美大卒ですからそれなりに染料と顔料には親しんできました。
何と言っても墨とラピスラズリに最も親しんできました。
それは顔料の世界であり、ともかくしっかりと墨の黒さであり、
ラピスラズリは金沢の青紺色と言っていいでしょう。
顔料の色はいわゆる泥絵の具の世界ですが、
10年前に「極黒」というインク、
そして青紺色のインクが出た時には驚きました。
理由は、今では染料のほとんどが化学的なモノであり、
インクを万年筆で使うとなれば,
顔料インクなどは考えられなかったのです。
ところが、日本の染料・顔料技術は本当に優れていて、
なんとカラフルな顔料インクが商品になってしまいました。
これは世界的にもトップクラスの技術成果であり、
最近は万年筆ブームにもなってきましたから、
この顔料インクになんとしても興味を持ってほしいと思っています。
私は日本の文房具は、
海外ブランドのデザイン戦略不足からも
低価格過ぎると断言し続けています。
この顔料インクなど、もっと高くていいと思います。
海外メーカーをはるかに上回った技術表現を成し遂げているのです。
私はインクについても、カラフルさを確認したいタイプであり、
万年筆にこそ、
この顔料インクが墨色からとうとうここまで進化したことを
私たちはもっともっと大きな評価を与えるべきだと思っています。
この顔料インクは自らの主張を
あたかも万年筆を主役たらしめないかのごとく存在しています。
これこそ、日本文具大賞・デザイン部門賞を
静かに進化を積み上げて商品化されているのです。


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『念仏さしはピタットルーラーにまで進化した』


   


     6月 22nd, 2015  Posted 12:00 AM



指矩=差し金あるいは指金には人類の度量の歴史が見事です。
度量衡にいたるまでには衡だけの歴史性が加わります。
果たして人類はなぜ、長さを測ったのでしょうか?
ここから出発しなければなりませんが、
単純には税収制度に他なりません。
そして、長さの単位は音でした。
だから笛の長さがある単位を決定していたと言われます。
今やレーザー光線で長さが決定されているから、
結局は同じ事=音波=波長、そして長さの単位がありました。
日本には、規矩術という優れた大工仕事の曲尺使い勝手がありました。
今やそのことは教えられてもいません。
私は宮大工の棟梁だった祖父に教わった経験があります。
指金というのは、
それこそ目の指金が=メガネかもという推測もあるくらいです。
「念佛さし」という物差しがありました。
京都の竹は念仏をいつも聞いて育った竹ゆえに、
その竹で作られた物差しのことです。
この言葉を探り当てたのは故・桂米朝でした。
上方落語の「天狗さし」のオチに登場する物差し屋のことです。
美大時代には、常にステンレス製のスケール尺を使っていました。
計測用だけではなくて、カッター切断のスケールとしてでした。
このスケール尺の裏には
デザイン用のマスキングテープを貼っていました。滑り止めでした。
この物差しは、透明アクリルとステンレス、
そしてエラストマーの組み合わせです。
ようやく、滑り止めを施し、線引きもカッター使いも
こうした素材の組み合わせで作られた物差しです。
「ピタットルーラー」という商品名ですが、
今年度の日本文具大賞・機能部門賞にふさわしい製品として、
ここから新たな物差しが生まれると思っています。


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