kazuo kawasaki's official blog

「メガネ革新の核心がはずれた商品は不可」


   


     6月 27th, 2012  Posted 12:00 AM

私が2008年から開発に関わった製品があります。
しかし、このメガネ発案の革新性は国外で開発されました。
そしてデザイン開発にはそこからの依頼で深く関与しましたが、
中途半端にすでに商品化されて発売されています。
無論、この製品は低開発国向けのモノゆえに、
デザイン対価はボランティアでした。
だから、私は「お人好し」だったと思っています。
商品発売は一昨年前に突然、わが国で販売流通がスタートしました。
その発表直後に私はその趣意を知りました。
正直、無念で悲惨な商品になっていますし購入検証して確認済みです。
「ガジェット商品」、つまり「アイディア商品」になっており、
素材や構造は、さらには生産工程がデザインされていません。
日本の製造技術ならこのような商品には絶対になりえないでしょう。
結局は、「低開発国向け」というのは私への虚偽だったと認識しています。
詳細は今後、これを必ず超える商品で証明するつもりです。
しかし、
この商品開発に関与したことで私には多くのノウハウを蓄積しました。
先般、
ふるさとの鯖江市・メガネ地場産地でそのノウハウの一端を紹介しました。
もちろん、この開発での「守秘義務は紳士協定ゆえ」守っています。
むしろ彼らは「紳士協定を無視」していると指摘しておきます。


目次を見る

「インプリンティングされている私の「定食」」


   


     6月 26th, 2012  Posted 12:00 AM

全く自慢出来ませんが、
食べ物の「好き嫌い」について私はダントツです。
トマト、あれは人間が食べる物ではありません。
動物の餌ですって、断言できます。
そして、極めて好きな食べ物は偏食しています。
カレーライス・焼きめし・カツ丼・スパゲッティ・オムライス、
そしてハンバーグ・焼きそばです。
これが私の定食として十分だと言ってもいいでしょう。
ICD=埋込み除細動器を入れてからですが、
甲殻類アレルギーになり、蟹は食べられません。
が、薬で防備して食べられることを昨年発見しました。
駅弁といえば、これもインプリンティングされたのでしょう。
崎陽軒のシウマイ弁当で十分です。
これは、美大卒後、インハウスデザイナーになって、
駐在していた磯子の音響工場(現・東芝生産技術センター)から、
当時は銀座の阪急ビル7Fの意匠部(現・デザインセンター)へ
横浜駅から、
あえて横須賀線の一等車(無賃乗車でも絶対見つからない)で、
昼食として大好きになった弁当でした。
だから、今もなつかしく新幹線で必ず食べるのです。
しかし、この弁当は確実に時代の経済状況が反映しています。
つまり、シウマイの大きさやその他のおかずも、
絶対に変化していると思います。
それでも大好きです。
ふるさと福井から帰阪するときは、必ず、「ソースカツ丼」です。
最近は、ワイフから炭水化物を制限されています。
食べ物の「好き嫌い」は絶対に直すつもりはありません。
無論、フレンチもイタリアンも中華もそれなりに極上品には、
食欲はそそられますが、
私のインプリンティングされた私の「定食」でもう十分です。


目次を見る

「機関車の魅力=鉄道の魅力に潜むデザイン論理」


   


     6月 25th, 2012  Posted 12:00 AM

大阪駅に帰って来ると、
C57155の車輪が迎えてくれます。
子供の頃から、蒸気機関車が大好きでした。
「デゴイチ」か「デコイチ」かの区分にも私見があります。
そしてなんといっても北海道で、
蒸気機関車が全面ストップ寸前、まだ東芝マンでした。
それゆえに「蒸気機関車・SL録音出張」までしました。
しかもその録音はLPレコードとして商品化できました。
3重連で走りそこに雷鳴が、という素晴らしい音録りをしました。
鉄道は、子供たち、特に男の子にとっては魅力があります。
そこで、次のような課題を考えることができます。

■1.「新幹線はとても速い」だから「子供達に人気がある」
■2.「新幹線はとても速い」だから「目的地に速く着く」
■3.「蒸気機関車はかっこいい」だから「未だに人気がある」

この三つのテーマの中で、いわゆる数理的論理性は2だけです。
ところが、デザイン的な論理は、1と3です。
それには、二つの重大なキーワードがあると考えます。
まず、新幹線は流体力学的にも
造形デザインでスピード感がある形態=形態言語があります。
この造形言語による形態言語が、子供たちを虜にするのです。
また、蒸気機関車の造形言語には、力強さがあります。
この力強いという形態言語にさらには郷愁感が加わります。
したがってこの郷愁感には、
ノスタルジーやアンティック感は人間の感性を静謐に刺激します。
私は、現代デザイン・未来デザインとしての鉄道には、
速度性がある造形言語が創出されるべきだと思っていますが、
もう一方では、蒸気機関車のZゲージでは、
ドイツでの蒸気機関車のある種類に拘っています。
それは、速度感が編年的にアンティック感へ移行する感覚、
その魅力を見極めたいと思っているからです。
稲妻と雷鳴の中で、三重連で走るD51の姿=形態言語は、
今も私の脳裏には明確に思い出すことができます。
造形言語と形態言語の関係、
この構造主義性はこれからのデザイン論理として研究が必至です。


目次を見る

「 Facebook、ましてBlogにも未来はないだろう」


   


     6月 24th, 2012  Posted 12:00 AM

最近はすっかりTwitterを離れています。
やはり、信頼感ということではFacebookです。
基本は、Facebookの「実名主義」にありますが、
これとて、いくつかの名前を使い分けていることなど、
それは容易く見極めることができます。
少なからず、自分なりのコミュニティ設定は、
ハンドルネームで誹謗中傷する輩との厄介な接触は不能です。
Twitterという「ツブヤキ情報」=条件反射記述、
このいい加減さは、ハンドルネームにも顕れていますが、
要は人間性・人格性を、
この情報化社会=劇場社会での実際は、
自分自身の「存在性・アイデンティティ」を
ハンドルネームで自己否定する程度ゆえ、
ほとんど、社会的な発言性の重量感はあるはずがありません。
しかも、こうした発言者と発言内容などは、
ほとんど街中に氾濫している監視カメラ的に徹底監査されています。
私は、もうすでにBLOGという形式も「自己表現」としては、
時代遅れになりつつあることも自覚していますが、
どんなにバーチャル空間であっても、
そのバーチャル空間での「役割=自己存在」と「自己統一性」とは、
つまり、それは「誠実性」を自分自身へ問いかけるものです。
これこそ、
自分を決して見失わない最良(最適ではなく)の方法と手段でしょう。
国学の始祖である本居宣長にまで、
私たち日本人は、その人間的倫理性=誠実さの希求法が大事です。
本居宣長に遡及すれば、
「学問とは誠実さを鍛錬する最良の方法」ということになりますから、
現代、学問・知識・良識への情報化に差し向ける自分存在の確認、
すなわち、
自分への誠実さはSNSという形式にも埋め込めるかも知れません。
それならば、SNSという形式とは、まさにその内実・内容です。
だとするなら、「実名主義は確かにその一つに近接」しています。
けれども、
おそらくBBS(電子掲示板・Red Ryderが創設した理想はもう皆無)や、
TwitterそしてFacebookも形式でしかなく、
その内容はまだまだ
人生夢うつつ=空虚なる空間と断言しておくべきでしょう。
ましてこうしたBlogの形式もいわゆる自筆筆記ではなく、
記録された形式にはなりえないかもしれないと思い始めています。
こうした思いに囚われ出したのは、
すでに私に残された時間がささやいています。


目次を見る

「KAIST=韓国科学技術院の先生を招いて」


   


     6月 23rd, 2012  Posted 12:00 AM

なんとしても風邪を治さなければ、
この想いを実現できました。
KAISTの先生お二人を招いて阪大での講演。
Prof.Kim Myung-Suk先生とはすでに20年来の友人であり、
Prof.Bae SangMin先生は、New York留学中に、
私の講演を聞いてもらったこともあるという仲です。
KAISTはおそらく、全世界的にみても、
最高級の大学・大学院であり、デザイン系でも筆頭です。
Kim先生は「環境デザインとしてのロボット」を
Bae先生は「国際貢献としての製品デザイン」、
それぞれが実現されているプロジェクトを語っていただきました。
私もKAISTで講義をしましたが、
この大学が世界からも注目されている「未来創生の発想」は、
いくつかの重要なキーワードでした。
Why・なぜデザインを、なぜ生きるのか、
Implement・必ずデザインを実現させて未来を創る、
Evolution・常に進化は「融合」=Consilienceを、
Donate=Sharingを、Passionを、と、
重大なキーワードを沢山いただきました。
しかも確実にコンセプトは製品形態に集約化されていました。
私は、3.11以後、デザインによる復興をと考え続けてきただけに、
改めて、デザインの理想主義を語る二人の教授に、
支え直してもらった気持ちでいっぱいになりました。
たとえば、家電は当然ながら、
造船もどれほど韓国は進歩させたか、
その事実を知っているだけに、韓国の勢いを体感しました。
日本も韓国もアジアの小国です。
これからはお互いの交流をさらに深めて、
世界の先導国になっていくべきだと思い直した次第です。
お二人に励まされたようで、すっかり、風邪から立ち直ったと思います。


目次を見る

「風邪は日常性を破壊していました」


   


     6月 21st, 2012  Posted 1:40 AM

手術・入院は仕方なく「休筆」を告知して、
このブログを休んでいました。
どうしてもデザイン活動の主軸は「東京」です。
東京での仕事をなんとか責務を果たし、
帰阪すれば、というのも、結局は寝込みました。
なんとしてもふるさと福井でも責務を果たしましたが、
戻ってからもまったく回復せずでした。
ひたすら点滴治療やどうも防御不能の発熱という「風邪」は大変でした。
ようやくFBでコメントを入れたら、
皆さんがこれほど心配していただいたことは、
私の日常性がほとんど破壊されていたことを思い知らされました。
「風邪は万病の元」、
これは古来、日本大衆民族の警句でしたが、
元来は、「風邪は死病の元」を再認識しました。
「死病の元」というのは、
風邪を引いて下痢は、消化器系で老病死になり、
咳き込めば、これは呼吸器系の老病死を象徴しています。
私は、まだ、
命がけの手術をしなければならないのかも知れませんが、
改めて、「もっと時間が欲しい」とつくづく思いました。
デザイナーとして、理想主義と美学、
この「綺麗事に生きる」決意は、もう少し時間が必要です。
私のふるさと福井県は小さな県ですが、
「幸福度」や「子供たちの教育水準」、「働き者いっぱい」です。
サンダーバードという、鉄道マニアとしては、
それほど名車ではなく、浮動タイプゆえ「揺れ」が大きいですが、
これにあと何回乗るのでしょうか?
しみじみとふるさとを感じました。
親友たちは手放しで歓待してくれます。
いづれ、ふるさとへもう一度戻ることはないでしょうが、
この穏やかなふるさとも、経済的な厳しさにさらされていますから、
私は、私の信念で、率先させるべき日常性を維持し続けます。
ご心配をおかけしました。


目次を見る

「今夜は休養休筆です」


   


     6月 9th, 2012  Posted 12:00 AM


目次を見る

「今夜は休養休筆です」


   


     6月 8th, 2012  Posted 12:00 AM


目次を見る

「今夜は休養休筆です」


   


     6月 7th, 2012  Posted 12:00 AM


目次を見る

「『Ship of the Year』審査委員会・日本学士院会館にて」


   


     6月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

一年ぶりに来ました。学士会館です。
日本船舶海洋工学会「Ship of the Year」審査委員会です。
早めに着いたので、少し探検をしました。
関東大震災の教訓を生かした建築がそのまま残っています。
なんだか由緒ありそうな大時計、
そして、トイレ表示が、すこぶるモダンであり、
トイレの入り口はまたエンブレム仕様でした。
今年度最終選考に残ったプレゼンを受けて、
質問をし、その後じっくりと審査会議で大賞を決定です。
この賞は恩師が創設されて以後、審査委員長であり、
恩師からの指示で審査委員になりました。
同時に「関西海洋教育アライアンス」で、
「海洋デザイン戦略論」を阪大・神大・大阪府大の大学院、
合同授業も担当しているので、海事・港湾・船舶・造船も
大分知るようになり、特に、造船の面白さは毎年楽しみです。
大賞は7月に発表と聞いていますから、
まだここで発表するわけにはいきませんが、
船舶は産業として、激烈な闘い、市場競争をしています。
大型貨物船は、今年は世界最大級の大きさや、
新たなエンジン、CO2削減など「技術」はスゴイのですが、
「デザイン」は「デコレーション」という勘違いがあります。
私の役割は、早く、造船の企画からデザイナーが関与すること、
そのアピールをしていますし、
私の研究室から造船企業に卒業生も出しています。
3.11以後、緊急に新たな救助船や病院船のプロジェクトが、
超党派にて開発されていることなどを聞きました。
客船やフェリーなども「バリアフリー」が当然になっていますが、
まだまだ本質は理解されていないようです。
やはり、造船デザイナーを早急に育成していくべきです。
学士会館もさらに現代建築的な改善が必要だと思いました。


目次を見る