5月 13th, 2010 Posted 12:01 AM
¥
私たちは円という貨幣単位で生きています。
円で生かされていると言ってもいいでしょう。
「円」=Yen (wen)です。
『¥』という記号に生活が在ると考えることができます。
中国は「元」です。
そしてこれも発音ではYuanですから似ています。
この円と元の貨幣呼びには歴史があります。
今、私たちの¥は、国際的な通貨制度の中では、
大きな信用力があります。
『¥』をここまでの信用力としてきた戦後、
いや明治維新以後の先達に感謝をしなければならないでしょう。
そういう意味では、
現状、わが国の産業経済力が脆弱になってきたことに対して、
日本国民は、大きな不安感の中にいます。
それを「不景気」と言って悲しいかな、かまいませんが。
¥の原点は、日清戦争後でした。
それは、日本の通貨制度を改めて見つめ直さなければならない歴史です。
私自身はデザイン界に身を置いています。
デザイナーとして、教育者として、そして日本人として、
『¥』の脆弱化を最も危惧しているのです。
とりあえず、大きなその危惧理由を二つだけ記しておきます。
言い尽くせない不安感は、まだ胸の内に留めておきます。
予知不安
● 中国の通貨制度は、
いきなり国際性での信用を無視するのではないだろうか、と予想するのです。
その背景には、彼らの「市場経済主義」という、かなり不明な背景基盤があるからです。
つまり、大戦後の国際的通貨制度は資本主義経済によって、
現代性の国家間信用に繋がっています。
明らかに、これは「通貨制度」での経済競合でした。
もっと言い換えれば、通貨制度を介在した経済戦争だったのです。
そして自国の信用は、その国の政治家に任せてきました。
この破綻が、欧州の法治国家では起こってしまっています。
中国は人治政治によって、この破綻はありえなくする力があるでしょう。
● それは明らかに通貨制度を超越した彼らが主導したい
世界支配の経済構造が動き始めているということが二つ目の予知です。
この背景基盤は、情報世界での「情報制御」と「情報操作」、
それは、「情報の無料化=Free」というビジネスモデルが
次々と登場してきたことです。
この世界構造に通貨制度を制御する「国際関係的な政治力」が
無効化し始めているという観想です。
私は、円と元とがやがて対立し、外圧で円の破綻があるかもしれません。
あるいは、現在の政治家の法治政治への不信を動機とした、
元による通貨制度で外圧度に、
日中の「衡」状況はありえるのだろうか、と考えています。
円と元はYenです。
許されるならば、全アジア統合的な、
新たな情報化された通貨制度策のデザインが必要だと考えます。
¥+€+$=?
それは欧州・€と米国・$をも統合するための、
新たな「国際的な平和信用度」を構築する「衡・世界観」です。
Tags: $, e, Free, wen, Yen, Yuan, 資本主義からの逃走, デザイナー, デザイン, デザイン界, ビジネスモデル, 不安感, 不景気, 中国, 人治政治, 信用力, 元, 先達, 円, 原点, 国家間信用, 国際性, 市場経済主義, 平和信用度, 悲しい, 情報制御, 情報操作, 感謝, 政治家, 教育者, 日本人, 日本国民, 日清戦争, 明治維新, 歴史, 生活, 産業経済力, 発音, 破綻, 経済戦争, 経済競合, 背景基盤, 脆弱, 衡, 貨幣単位, 資本主義経済, 通貨制度, 革新
Posted in 026「衡(はかり)と単位」, 資本主義から逃走せよ!
目次を見る
5月 12th, 2010 Posted 2:31 AM
観自在
「観自在」は、般若心経の書き出し、冒頭文です。
般若心経は、かつては暗記させられた思い出があります。
もっとも、私は幼稚園も転園しています。
最初はキリスト教系の幼稚園でしたが、
「もう来ないでほしい」と母は言われたらしくて、
仏教系の幼稚園に「入れられました」。
とっても厳しい園長さんは尼さんだったのです。
尼僧さんでしたから、
いつも尼僧黒衣姿でいつも叱られていた記憶があります。
その園長さんに対して、私の反抗は、
ほとんど「泣き叫んでもわがままは通らなかった」のです。
「観自在」は、その頃、体の中に入ってきた気がしています。
自在性
観という言葉には、端的に「心で見る」という意味を重ねると、
私なりには、想像力の自在性にほかなりません。
しかし、私の幼児記憶には「自在性」などわかるはずはなく、
デザイナーというプロになって、あらためて、
「観自在」という言葉と対峙しなければならなくなったと思うのです。
そして、結論は、
「観」には、洞察的な深度=哲学的ということが含まれている気がします。
ところが、なんでも「感性」だとか「感覚」ということへの価値感が言われ、
まさしく、デザインは「感性」の極致などとまで言われます。
私はデザインと感性とには相当の距離観があります。距離感ではありません。
感と観
そうなると、「感・観・?・・・なに、それ?」と、
私は思ってしまいます。
直感なのか、直観なのか、
野生なのか、野性なのか、
「感自在」もあり・・・?とか、想像してしまいます。
私は、「流行感覚」の大事さや大切さも理解できます。
しかし、観音はあっても、感音はありえないのです。
となれば、
あらためて「観」と「感」をデザインの論理に照合させる必要性を「感」じています。
その感覚は、私の「観想」だと考えます。
現代、「感覚」だと感じることを、
佇んでこそ、「観自在」を見直す必要を観るのです。
そこから、現代性、現代感覚、時代性、時代感覚を再考するべきと思っています。
Tags: KazuoKawasaki, キリスト教, デザイナー, 仏教系, 価値感, 冒頭文, 反抗, 哲学的, 園長さん, 大事さ, 大切さ, 尼さん, 尼僧, 川崎和男, 幼児記憶, 幼稚園, 心で見る, 想像力, 感, 感と観, 感性, 感自在, 感覚, 感音, 暗記, 書き出し, 母, 洞察的な深度, 流行感覚, 直感, 直観, 自在性, 般若心経, 観, 観想, 観自在, 観音, 論理, 資本主義からの逃走, 野性, 野生, 黒衣姿
Posted in 026「衡(はかり)と単位」, 資本主義から逃走せよ!
目次を見る
5月 11th, 2010 Posted 12:01 AM
Tags: EU, Free, ギリシア, サスティナビリティ, ドイツ, バランス, 中国, 元, 円, 分銅, 判断評価, 制度化, 叡智, 古代パピルス, 国債依存, 基準衡感覚, 天秤の図, 尺度, 尺度感, 尺度観, 幻想, 度, 度量衡, 弁護士資格標章, 政治的バランス感覚, 欧州, 正義と真実, 死者の書, 無料, 現代問題, 衡, 資本主義からの逃走, 資本主義経済社会, 質量, 通貨信用, 通貨制度, 量, 霊魂と羽毛
Posted in 026「衡(はかり)と単位」, 資本主義から逃走せよ!
目次を見る
5月 10th, 2010 Posted 12:01 AM
万博は教育
万国博覧会は、国際的な人類叡智の制度デザインです。
いわゆる「万博」の基本意図は「教育」が核心だからです。
したがって、これまで世界的に万国博覧会が人類にもたらしてきたことは、
「文明」の進展を「文化」的な日常生活の共有でした。
かつて1970年、日本での万博以後には、
明確にその影響が「歴史・産業と文化」として反映されてきました。
「文明」は明らかに、科学と技術による主導性によって、
産業経済のさらなる活性化によって文化体制を促進させることになります。
オリンピックも、万博と同様に、社会基盤の意図的整備によって、
産業経済の活性化への動機付けであることです。
万博もオリンピックも、「資本主義経済」を遵守したものであったわけです。
しかし、北京オリンピックも、上海万博も、
背景としている政治体制はこれまでとは全く異なっていることに
私たちは最も注目しなければならないと考えるべきです。
万博の影響とは
歴史的にみれば、モスクワオリンピック以後と、北京オリンピック、
その二つを対照化しておく必要があるのではないかと私は指摘しておきます。
この二つの対照性や、
この国家イベント以後はジャーナリズム的な検証は
ほとんど無かったのではないかと判断しています。
ひきかえ、上海万博以後の中国経済の最大活性化へ、
日本経済、交易効果、文化交流意欲への期待感が
余りにも冷静さを失っているのではないだろうか、というのが私の評価です。
私は、無論、中国経済と日本との良質な国際関係を望みます。
しかし、政治体制=軍事体制と日本の国家体制を、
反射的に対照化した見方が必要だと思います。
七方言、それぞれの文化圏
私は次の視点が必要だと考えています。
まず、日本から中国を見るには、
人口対比と人口構造=年齢構成での人口対決があります。
これは軍事対決が隠避されているということです。
また、中国のどこを見るかという点では、
「格差社会」と「政治体制=市場経済主義」と
日本での資本主義体制の脆弱性をも対比する必要があるでしょう。
私は、結論として、中国は明らかに多言語国であること。
それは言語的には七方言があります。
これを大きく大別しても5言語となり、
それぞれの言語文化があるということです。
呉語国家イベント
すなわち、上海万博の影響は、
上海語=呉語文化圏だけでのイベント、
呉語文化圏での万博にすぎないという見方も重要だと考えています。
上海大学の教授との会話で、
「北京ですか?国が違いますから、北京の大学で問題となる発言を聞きたい」
という流ちょうな日本語を思い出すのです。
Tags: オリンピック, ジャーナリズム, モスクワオリンピック, 七大方言, 万博 資本主義からの逃走, 万国博覧会, 上海, 上海語, 中国, 中国経済, 交易効果, 人口対比, 人口構造, 人類叡智, 制度デザイン, 北京オリンピック, 呉語国家, 呉語文化圏, 基本意図, 多言語国, 対照性, 市場経済主義, 年齢構成, 影響, 技術, 政治体制, 教育, 文化, 文化圏, 文明, 日常生活, 核心, 格差社会, 歴史, 産業, 社会基盤, 科学, 脆弱性, 資本主義経済, 軍事体制, 遵守
Posted in 026「衡(はかり)と単位」, 資本主義から逃走せよ!
目次を見る