kazuo kawasaki's official blog

Archive for 7月, 2010


『資本主義からの逃走』
「『音友会』=Aurex・音響事業部OB会のこと」


   


     7月 15th, 2010  Posted 12:00 AM

私は、東芝には主任教授のほとんど指令で入社しました。
無論、教授には「音」がやりたいと告げてありましたが、即決で東芝でした。
東芝で「音」に関わることができました。
入社早々に、Aurexブランドロゴはコンペで私のが選ばれ、なおかつブランド・ビジュアルマニュアルの整備もやりました。ネオンサインプランまでやりました。しかし、
28歳の時、交通被災でそのまま退社したわけです。したがって、何の挨拶もせずに、退社したことがずーっと気がかりでした。上司とは交通被災・車椅子生活・ふるさとUターン・大学人と常に連絡をとり相談をしてきました。というより、いつも私を見守り励ましてもらってきました。食べられなくなった頃には、東芝から仕事をもらっていましたが、それは彼の独断だったと思います。その上司から「音友会」に入会させてもらったのです。今年初めて参加し、その規模の大きさや毎年会員が増えるということです。なるほど、ヤフーのオークションで今でもAurex商品は買うことができます。私は当時はとても買えないアンプなど、おおよそ私が担当したモノはコレクションしました。コレクションした直後に、金沢21美術館で「個展」、Aurex展示だけの部屋もつくることができました。だから、私にとって音響工場は、デザイナーになって最初の道場でした。かつてお世話になった方々に御礼と挨拶ができました。最初に赴任したのが銀座の阪急ビルに意匠部がありましたが、磯子の音響工場に行ったとき、「ここが面白い」と思って、自ら工場駐在を申し出ました。したがって、私の東芝時代は、銀座・磯子・総研(現・中央研究所)・溜池(東芝EMI)・その他東芝関連工場から各種部品製造の中小企業から大企業・大学でした。事故直前には、全国主要都市に、Aurexのショールーム開設の企画書を書き、ショールームをデザイン設計施工の監督、オーディオフェアもアシスタントからディレクターもできました。担当した製品がすべてヒットしたわけではありませんが、「時代を先行したモノ」も随分とやらせてもらいました。当時は休日も会社に行くのが楽しく、また、出張中も姿を消してしまうことも何度か、「始末書」書きは得意分野でした。いわば、「自由なる新人デザイナー時代だった」、このような幸運を支えていただいた音響事業部は閉鎖されました。しかし、今となると、現在のAV時代まで当時の技術を進化させていたなら、わが国のデジタル時代は変わっていたかもしれないと思います。私がちょうど退社する時にPCM録音=デジタルHi-Fiがスタートしました。90歳の長老の方から声をかけられました。「川崎、来年も顔を出せよ、TC-560を持ってきて見せてやるから!」。「あの、それって何ですか?」、「俺がやった真空管ラジオだ」。「・・・・・・」。彼にとって多分、そのラジオは音響工場では生産していませんでしたが、技術者としての誇りある製品だったのでしょう。同期のデザイナーが逝きました。彼の自宅を訪問したとき、彼が最初にデザインしたTVだけは絶対に棄てるな、と家族に言い残していたことと重なりました。日本の電機業界を支えてきた技術者・デザイナーの魂を、私も抱いていますから充分に自負できます。Aurexは私のアノニマスデザインですが輝いていたデザイン成果だと確信しています。来年も出席したいと思っています。


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7月14日Staff Blog


   


     7月 14th, 2010  Posted 5:28 PM

7月14日

到着!しました、
モーションダイ部 部活キッド。

LOVE度向上に取り組む
真摯な熱血部活動。


静粛に開封。


モーションダイ部 メンバーカード!
Special Thanksに
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)
の名前を入れていただきました。
もしかして、最高齢?の部員?


そして、ついに登場
モーションダイ部 ジャージです。
強化合宿や大会には、絶対参加の
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)


モーションダイ部 部活キット
メンバージャージを
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)
仕様にデコり、着用に備えています!


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7月14日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 14th, 2010  Posted 9:00 AM

7月14日 友引(乙丑)

祝祷に列せられる「品物」は、
多種の意味を含みつつ
「品種」ということばを生みだすことになる。

その頂点的な品物=産品とは、
金・銀・銅である。

『デザインは言語道断』品格


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『資本主義からの逃走』
    「美しい『花』と『花』の美しさ問題の構造から」


   


     7月 14th, 2010  Posted 12:00 AM

美しい花・花の美しさ
文芸評論家だった小林秀雄の著作は、
私の世代にとって大学入学試験問題に多用されました。
そのためにいくつかの著作を読んだことがありますが、
私は、彼の視座に、当時は同意できなかったと思っています。
特に、「身震いするほどの感動」とかという文章では、
彼のような想いがするのだろうかといつも感じていたように思います。
したがって、彼の有名な一節に、
『美しい「花」がある。「花」の美しさというものはない。』というのがあります。
これは、ロダンの言葉、自然を花とした引用であり、
プラトン的思考や観念的美学の否定など、様々な解釈があります。
この一節への解釈論はいくつか自分の感覚で読んできた経験があります。
そして、私自身が、この一節とは多分生涯対峙していくことになるとさえも思っています。
言い換えると、
『美しい「デザイン」がある。「デザイン」の美しさというものはない。』
もう一つ、言い換えると、
美しい「資本」がある。「資本」の美しさというものはない。
しかし、この言い換えが、
直喩性どころか隠喩性も成立しないことは、
一点において明確です。
それは、「花」は自然物であり、
「デザイン」も「資本」も人工物ということです。
つまり、美しいデザインをする、というデザイン営為は、
「デザイン」の美しさというものを目指すからです。
そして、もっと明確になるのは、
「美しい『デザイン』がある」、ことと、
「『デザイン』の美しさ」、ということを、
デザインは目指すことができるということです。
この論点こそ、
実は、デザインの目標・目的であり、
なおかつ、デザインが付加価値と言われ続けてきたことへの大誤謬、
そのことを解決する「デザイン美」のあり方を考察することができます。
決して、デザインは、デザインの本質である美が「付加」された価値ではない、
ということを導き出してくれると、私は確信しています。


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7月13日Staff Blog


   


     7月 13th, 2010  Posted 9:51 AM

7月13日

文具熱が高まったまま、
帰途の羽田空港でも文具購入の
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)。


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7月13日Staff Blog


   


     7月 13th, 2010  Posted 9:50 AM

7月13日

弟22回 国際文具?紙製品展レセプション

文具大賞表彰式。大賞受賞製品など
詳細はこちらのサイトで。
http://bit.ly/cBuR8K


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7月13日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 13th, 2010  Posted 9:00 AM

7月13日 先勝(甲子)

元来「品」という文字は、
祝祷をおさめる器の形象である。

「區」は秘匿の場所で
祝祷を行うことにつながっている。
「歐」はその場で祈ることであり、
「謳」はその祈りのことばを表す、
そうした意味を示している。

『デザインは言語道断』品格


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『資本主義からの逃走』
    「『美しい資本』を追い求める感覚のトレーニング」


   


     7月 13th, 2010  Posted 12:00 AM

美のためのトレーニング
「美しい」という言葉は、ある意味では「魔物」です。
しかし、この感覚が身体化するには、
厳しいトレーニングが必要だとつくづく思います。
美大時代に、「美しい」という言葉は、「西洋美術史」の講義で初めて、
その様々な解釈があることを知りました。
美学」というのは、大学の講義にはありませんでしたが、
美学という領域は、美術と音楽についての論考であることも当時は知りませんでした。
色彩論では、ムーン&スペンサーの調和論に「美度」という尺度が出てきますが、
やや疑問は今も変わりません。しかし、ここまで求めるという姿勢こそデザインです。
さて、資本はすでに私にはデザイン対象です。
デザインしたモノが資本です。
しかし、デザインは実務であり、実務学としては問題解決の結果=効用と効果です。
その実務手法・実務技法は、「手技」があります。
今では、パソコンでの表現手法になっていますが、
それでも「スケッチ一枚」でも、トレーニングは必要です。
美大時代、この基本は「デザインストローク」というフリーハンドでの線引きから、
私は「鶏」のクロッキーをそのストロークで描くというトレーニングを受けました。
生きている鶏は動き回ります。
その動きで、なかなかストロークを定めることはできません。
ところが、何枚も何枚も、おおよそ2週間も描き続けていれば、
ストロークで、確実に鶏のデッサンが可能になるのです。
「手」にメモリーがコピーされてしまいます。
そして、鶏の表現が「美しい・かも」というデッサンが残るのです。
この感覚がデザイナー志望者には必須です。
大学で教えるようになって、
無論コンピュータも大きな手法になってきましたが、
「手」でのフリーハンドそのものが発想している感覚があります。
そこで、「美しい資本」としてのデザイン対象を生み出すためには、
まず、「スケッチ」そのものが「美しい」こと「も」一つの条件になります。
ところが、「スケッチが美しい」ということを認識できるかどうかということです。
少なからず、「美しいスケッチ」か、「スケッチが美しい」かは、
「美しい花」・「花の美しさ」論と同値で、大きな疑問になりますが、
「美しい」という魔物的言葉に思いっきり飲まれ込むことが必要だと考えています。
かつて、「美しい日本」という表現や「美しい企業」なども、
この類であることは間違いありません。
「美しい資本」を創出するデザイン、
デザインによる「美しい資本」づくりの才能や才覚は、やはり、トレーニングが必要です。
私の「美しさ」を求めるトレーニングは
今も、フリーハンドスケッチを毎日欠かさないことです。
「美しい資本」づくりの基礎は、トレーニングという修練が必要だと思っています。


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7月12日Staff Blog


   


     7月 12th, 2010  Posted 10:04 PM

7月12日

iPadを利用した仕事環境の構築を目指す、
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)。

スタッフの月曜日は、
iPadでの日程確認から始まります。

入力された全てのスケジュールは
“Over The Air”で即座に、
BOSSと煕子さんも含めた
全員のiPadに同期されます。


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7月12日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 12th, 2010  Posted 10:57 AM

7月12日 赤口(癸亥)

デザインも、
「品ある情報」のためのデザインへと
革新していくべき時期に来ている。

「品」について、
もう一度根底から考え直す時代に
入っている。

『デザインは言語道断』物品


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