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Archive for 2月, 2012


2月8日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     2月 8th, 2012  Posted 10:00 AM

2月8日 大安(己亥)

プレゼンテーションでは、
自分の持つ自分勝手さと
「わがまま」が、
どんなにすごいものなのかを
アピールすることが基本である。

『プレゼンテーションの極意』「わがまま」と「誠実さ」


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「伝統とは『裏切る』ことへのアプローチ」


   


     2月 8th, 2012  Posted 12:00 AM

「私たちは美しい切れ味を鍛えています」。

越前打刃物、その産地に掲げたマニフェストです。
余談ながら、マニフェスト=宣言として、
私はデザイン導入テーマを宣言として使っていました。
そして伝統=Tradはラテン語原意そのままに、
伝統工芸技術への裏切り方をシンボル製品開発に
プロセス調査を重ねることにしました。
鉛筆が削れる、そのためにはナイフを鉛筆削り専用を開発しました。
小学校1年生から中学校1年を対象に、ペーパーモデルで検討し、
小学校4年から5年生で手の大きさが急激に成長することと、
小学校2年生になると「器用に美しく削る」ことを発見しました。
その削り角度(写真上の緑線)
そして火づくり鍛造する三層鋼を
特別に素材メーカーで生産してもらいました。
ステンレスに鋼材をサンドイッチしてもらった三層鋼です。
私自身が左利き(左右両利き)ですから、
左右どちら利きでも使いこなすこと。
本革のケースと研ぎ石も付属させた商品にしましたが、
一番の問題は、この刃物(3,000円)も30,000円の包丁も
ほとんど人件費は同等だったことです。
それでも、「シンボル商品」として商品化しました。
そして、プラスチック柄にするまでには10年かかりました。
産地体制でプラスチックハンドルの生産が不可能だったからです。
今もその体制づくりは出来ていません。
最終的な研磨を産地で製品化して商品にしています。
現在ではプラスチックゆえ「プラ・スコラ」という商品名にしています。
私は、もう一度産地体制での生産設計をやり直して、
本来のオール金属+本革シース+研石の「SCHOLA」(学校を意味)を
復元商品化したいと思っています。
そのためには、伝統技をもう一度「裏切って」、
新たな製造工程のデザインが必要だと思っています。


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2月7日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     2月 7th, 2012  Posted 10:00 AM

2月7日 仏滅(戊戌)

なんとしても、
その「わがまま」を
世間の人に認めてもらい、
具体化するまで
精力的に働き回ろうとする志になる。

『プレゼンテーションの極意』「わがまま」と「誠実さ」


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「商品アイテム創出の評価軸をデザインが解く」


   


     2月 7th, 2012  Posted 12:00 AM

新規事業の目的と目標は製品アイテムを拡大することです。
私がタケフナイフビレッジで実現させた実例を紹介します。
すでに750年の歴史があります。
1330年代に京都からやってきた千代鶴国安(二人説もあり)、
彼の野鍛冶がそのまま産地になっていきました。
伝統的な技は「鎌づくり」の「火づくり鍛造」技術を根本にしてきました。
したがって、鎌・鉈などから包丁などが産地商品でした。
包丁をキッチンナイフのシリーズ化にデザインを導入し、
さらに産地商品アイテムの拡大をねらいました。
鋏はすでに剪定鋏がありそれは専門家向けでしたが、
鋏構造がまったく異なっていました。
剪定鋏は、両刃の中心軸が固定されずに、使用目的毎、
園芸用などでは中心軸機能により自由度を持たせます。
けれども、文具的なハサミは、中心軸の確実な固定が必要です。
だから、「HASAMI」=X&Iとして、
その文具的切れ味は火づくり鍛造技によって、中心軸固定、
一般的な切れ味の評価を産地自身が決定必要でした。
様々な文具としてのハサミの切れ味の評価は、
次のような試し切りでよくわかります。
「濡れたティッシュペーパー1枚をぶらさげておいて下から切っていく」、
これをやってみれば、如何に
ビッカー値硬度のある越前打刃物の伝統技が優れているかは一目瞭然です。
使うときをXとして、収納ケースをIとしただけの商品名です。
この刃先づくりとセンター軸製造を
産地技術とすれば、ハサミシリーズを産地商品アイテムになります。
製品開発で技術開発と製造・生産技術を高度化し、
そこから商品化アイテムを決定します。
その時デザイン導入は、
商品アイテムのまずイメージを共有してもらう動機になります。
私は、商品アイテムそのものの発見には、
商品性能と商品効能を「評価」する手法の発見、
これこそデザインが果たすことが重要だと思っています。
その「評価」を目標にした機能をデザインすれば、
新たな商品アイテムの拡大につながると考えています。
それが「デザイン解」=形態機能づくりの根本でしょう。


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2月6日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     2月 6th, 2012  Posted 11:46 PM

2月6日 先負(丁酉)

「わがまま」が強ければ強いほど、
自分の意見や考えを
最後まで押し通そうとする意志も強くなる。

『プレゼンテーションの極意』「わがまま」と「誠実さ」


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「最小リモコン=徹底的な黄金比の適用と実装設計」


   


     2月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

液晶TVやその周辺機器のリモコン=リモートコマンダーは、
複雑怪奇なモノが氾濫しています。
私は、リモコンは画面上に
オン・スクリーン表示のインターフェイスがあれば、
四つのボタンSWで操作可能だと考えています。
EIZOブランドで国内初のHD(High Definition)モニター、
PCと地デジTV・FORIS.HD用のリモコンです。
マウス機能と背面には音量・チャンネルセレクト、
その他最小限機能ボタンだけのリモコン。
正円マウスは成功しないというタブーに臨みました。
発売直後は商品批評でメチャメチャに叩かれました。
それはマウスだということと実機使用無しの批評でした。
無論、視覚情報で全てのデザイン機能性が伝わることが大前提ですが、
これはリモコンの特殊解でした。
特殊解商品が売れるためには、確かな広報広告が必要です。
この造形デザインにおいては、
黄金比・黄金分割の教科書になるほどの寸法決定をしています。
造形設計で最初に意図したわけでなく、
感覚的な設計をつきつめて実装設計との合理的な合致性を求めれば、
当然の結果となる筐体デザインの造形が決定されていくのです。
したがって、プラスチック成型においても、
実装性=回路基板や電池収納などには
徹底したオリジナリティを仕組む結果になりました。
現在、国内の液晶TVメーカーの衰退は著しく、
国際的競争力低下ゆえの減益報道がありますが、
基本は、徹底した「設計思想とその実務としての具現化」に
オリジナリティが欠落しているのです。
私自身、TV大好き人間ですから、
自宅の視聴覚システムは徹底的に最高を求めています。
その限りにおいては、リモコンに象徴されるがごとく、
国内外のメーカー、すべての商品には大不満です。
造形デザインは必ず徹底したサイズ決定と実装設計が必然だと考えます。

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2月5日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     2月 5th, 2012  Posted 10:00 AM

2月5日 友引(丙申)

「わがまま」とは、
自ら思ったことを積極的に口に出し、
自分の思い通りに
コトを進めていこうとする
我の(想い)のママへの
心意気に他ならない。

『プレゼンテーションの極意』「わがまま」と「誠実さ」


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「ウェリントンタイプ眼鏡など忘却すべし」


   


     2月 5th, 2012  Posted 12:00 AM

眼鏡には定番のスタイルがあります。
そして、流行的なファッションとして繰り返しています。
その代表が「ロイド眼鏡」=正円レンズと、
「ウェリントンタイプ」=上辺長・下短辺の台形レンズです。
おそらく最も安心できる定番スタイルです。
これを不易流行のモノと私は思っていません。
メガネフレームは時代との共時性があり、
こうした定番は、顔表示を古くさくする野暮さが、
時代的な流行時と共時しない限り、
そのまま自分のセンス放棄を顕示します。
だから不易流行のモノにはなりきっていないのです。
ウェリントンは日本人に似合っているというのは、全くの大間違いです。
顔幅の細さと鼻の高さが無ければ決して似合いません。
しかもそのリーダー的な映画スターたちに
現代性は無いとすら私は思います。
そして最もメガネフレームの
性能・効能・機能は「かけごこち」に終局します。
「ロイド」も「ウェリントン」も結局は、
フレーム自重を軽減不可能の構造であって進化することも不可能です。
我田引水ながら、
私の発明した「アンチテンション」は、すでに定番になってきました。
テンプルを広げても、レンズに応力はかかりません。
だから、瞳孔距離を変えませんので、乱視になることを防止できます。
このタイプ構造は真似られていますけれど基本的なかけごこちを失えば、
意味ありません。そのようなモノも氾濫しています。
2000年にシルモ・グランプリを受賞したモノとしては、
その軽量さ、体感重量、かけごこち、
そしてファッションの不易流行性は確約できます。
「アンチグラビティ」、『アンチテンション」、エアストリーム性など
表面的、装飾的な類似品を多く出ることで、本物が浸透するでしょう。
新たな素材開発と新たなフレーム構造構成を
さらに発明的な革新を狙い続けていくつもりです。

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2月4日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     2月 4th, 2012  Posted 10:00 AM

2月4日 先勝(乙未)

デザイナーとして世の中に
新しいモノを生み出そうとするとき、
その原点となるのは、
世間、つまり社会を
より改善したいと願う
強い「わがまま」だからだ。

『プレゼンテーションの極意』「わがまま」と「誠実さ」


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「背面に仕組む製品記号論」


   


     2月 4th, 2012  Posted 12:00 AM

1980年代に米国から「製品記号論」が華やかに登場しました。
1989年・名古屋での「国際デザイン博・シンポジウム」で
私なりの製品記号論として発表した作品=商品です。
「お天気計」という8時間後の晴雨計です。
モノとしては一切の表示用語を消しています。
赤い玉は太陽を表し、青い玉は雨を表示、
ドーナツ形状は雲。
それぞれのインジケーターの点滅で晴雨を示します。
そして、背面に電池を収納しますが、いわゆる電池蓋はありません。
90度右回転させれば、電池ボックスが表れます。
背面にはまったくビスもありません。
徹底した「かたち」でその性能を示すこと、
それが製品記号そのものになることを意図した作品です。
残念ながら、この晴雨を気圧差で読み取る機構は手づくりです。
この機械式を手づくりする職人さんが居なくなってしまいました。
あらためて再現するには
センサーで電気回路設計が必要だと判断しています。
この製品が「かたち」=形態で表現した様々な要素と要因の「かたち」、
そして統合された「かたち」が製品となったとき「記号」=signareに
ようやく製品記号が現れます。
しかし、「かたち」というかたちはありえず、「記号」の集約にこそ、
論理=製品記号論が生まれるという私の造形デザインの一つです。
現代、日本製品にはすっかり忘れられている「かたち」の論理と造形、
あらためて強調しておきたいと思います。

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