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Archive for 5月, 2012


5月13日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     5月 13th, 2012  Posted 9:30 AM

5月13日甲戌(先勝)

デザインの本質の純粋性は、
デザイン史に刷り込まれてきた
造形の遺伝子であろう。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』7モンドリアンへのオマージュ


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「カレイドスコープ=万華鏡というレトリック」


   


     5月 13th, 2012  Posted 12:00 AM

間もなく「金環日食」が見られます。
正直、とても期待しています。
TVでこの日食の見方など注意点が報道されています。
大事なことです。
きっと、自分の生涯ではもう見られないでしょう。
そこで気づいたのが、「万華鏡」のことです。
これは、人間の視覚感覚をとてもうまく利用したモノです。
小学校時代には自分で工夫して作った経験があります。
これは知人からプレゼントされたモノです。
中には貴石や宝石が詰め込まれていて、
しかも一点ダイヤモンドがあるということで。
日本のダイヤモンド業界のシンジケートも教えてもらいました。
時折、万華鏡を見つけると収集したいと思ってしまいますが、
コレに勝るモノには出会っていないので、
収集というビョーキには取り憑かれていません。
日本には江戸時代に入ってきたモノと言われています。
私が気に入っているのは、
鏡の利用です。
私は、展覧会手法やインスタレーションに「鏡」を使います。
なぜなら、「鏡の背後には、冥府への階段がある」。
このレトリックに心惹かれています。
そして、万華鏡の組み合わされている鏡は、
冥府世界観をさらに錯視虚像世界に変換していることです。
このヴァーチャル的なリアル感は、
唯一、一回しか見ることができません。
体験というのは、たった一回とか、唯一であることが大事です。
翻って失敗は二度繰り返さないということにもつながりますが、
それがなかなか出来ないものです。
だからこそ、あらためて人生が万華鏡のごとしという、
このレトリックがあてはまるのでしょう。
金環日食、ますます楽しみです。

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5月12日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     5月 12th, 2012  Posted 9:30 AM

5月12日癸酉(赤口)

私たちのなかには、
それぞれの遺伝子が、
自己を決定する情報によって、
自分では未確認のままに
生きていかなければならない。

そのときに、
私たちの目の前に、
デザイン史の遺伝子を操作したひとつの
家具で影響されうることがあるのか、
ということをデザイナーは
自身に詰問してみるべきだろう

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』7モンドリアンへのオマージュ


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「iPhoneに受話器、電話形式転換へのガジェット化」


   


     5月 12th, 2012  Posted 12:00 AM

ワイフの机上にある受話器とiPhone(左)、
そして私は受話器だけ(右)を自宅ではつないでいます。
おそらく、コントのような演出道具のようですが、
使い勝手では、スマートフォンと受話器のガジェット化に、
次世代の電話機セットが見え始めていると思います。
すでに受話器とiPhoneがBluetoothゆえにワイヤレス化、
そんなガジェットも登場、大学ではコレを使用しています。
そして、もう自宅、ホームでの電話通信には、
これまでの電話機は不要になってきています。
むしろ、パソコン無しでのSkypeでのガジェット化なども、
新たな商品化計画になっていくでしょう。
かつて、最も「必要なモノ」という質問の答は、
「ケータイ」でした。
そして、最も「不要なモノ」という質問でも、
答は「ケータイ」ということでした。
それほどケータイが日常生活での要不要を決定づけたのです。
電話というのは、会話・対話=コミュニケーションの基礎として、
現代生活では重大なツールであり、
人間関係化のメタファーとレトリックとモードになっています。
したがって、「関係化」とは、
世界構造に連関した人間社会の基礎構造です。
この構造化をスマホという通信形式のガジェット化は、
「受話器」は電話形態の系譜をそのまま受け継いでいます。
ここから、「電話システムの次世代革新」を想像することは、
とても重要な一つの視界かもしれないと、
私は確信して、このガジェットを楽しんで使っています。

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5月11日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     5月 11th, 2012  Posted 9:30 AM

5月11日壬申(大安)

過去においてもあらゆる種類の
古いモノが「新しい」時があった。
・・・・・だが、
それは本質的に新しいモノではなかったのだ。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』7モンドリアンへのオマージュ


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「電話の進化は国内通信形式に問題あり」


   


     5月 11th, 2012  Posted 12:00 AM

「電話機」はプロダクトデザインの代表的対象でした。
大学時代には課題にもなるデザイン対象、
今はケータイやスマホが課題になっています。
だから、私はそれなりに電話機デザインでは、
優れたモノを収集し、今も使用しているモノがあります。
ソットサスの電話機は、偶然にもニューヨークで試作を見ました。
メンフィスというデザイン運動直後であり、
日本で商品化になりましたが、
ちょうど中国が製造業を初動させたときのモノゆえに、
性能はボロボロでしたから、デザインの良質性は伝わりませんでした。
もう一つは、マルコ・ザヌーソとサッパーの60年代のモノです。
ダイヤル式でしたが、プッシュホン時代にも、
インターフェイスを変更して使われるほどのロングライフ製品。
これはケータイにもデザインコンテクストが連動したほどでした。
私もあるメーカーから電話機デザインを依頼されましたが、
諸般のことで製品化はできませんでした。
電話機デザインには、日本人デザイナーのモノでは、
2作品認められるモノがあります。
もはや、海外にはまったくいいデザインは皆無でしょう。
現在、自宅では本来は国内使用できないB&Oを使っています。
理由は、無線でも盗聴不可能、音質が最も優れている、
自動録音装置が付加できるなど、
プロとして、デザイナーとして、オーディオとして、
判断評価して選んだモノにしています。
それには、日本の遅れた電波法やインターネット環境などに
メーカーが無知だったことなど問題山積でした。
これからの電話機事情は、IPv6なども含めて、
国内の通信各社は、まったく「ガラパゴス化」しています。
これは電力会社同様に、通信各社も解体化されるべきでしょう。
IPv6について、国内通信会社の対応遅れは大問題です。
そして、ケータイとホーム用電話機のハイブリッド化など、
革新的なデザイン戦略が不可欠になっていますが、
このことにNTTはじめ通信会社に未来戦略がありません。
これは強く指摘しておかなければなりません。
すでにホーム用の電話も、
SkypeやLINEなどやスマホとの新たな「電話通信形式」、
そのものが大きく転換することが必要だと考えています。
電力と通信の「スマートグリッド化」に、
電話機自体のガジェット化を組み込んでいく必要があります。
電話機デザインは、もはや、通信制度化の革新化を
デザイナーの提案から、モノ=電話機システムまでを
デザイン対象にするべき領域のガジェット的なモノだと考えています。


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5月10日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     5月 10th, 2012  Posted 9:30 AM

5月10日辛未(仏滅)

古いモノが害となるのは、
それが新しいモノの障害となるときだけである。

新しいモノを考えるならば、
古いモノは無きに等しい。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』7モンドリアンへのオマージュ


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「まだまだ見つけ出すことがある、ようだ。」


   


     5月 10th, 2012  Posted 12:00 AM

日本の文房具は、本当に、とても優れています。
「日本文具大賞」の審査委員長になって以来、
このことをつくづく思います。
私自身の作品にも「ハサミ」がありますから、
ことさら、「ハサミ」の新製品を見続けてきました。
人類が「切る」道具を見つけ出したことが文明の起点です。
特に、「ナイフ」と「ハサミ」はどれほど心血を注いで、
人類は新製品を見つけ出そうとしてきたでしょうか。
私の作品は、海外美術館に永久収蔵されていますが、
まだまだ見つけ出すべき事があると思い続けてきました。
だからプロトタイプのまま、まだ何かが欠落している、
そんな思いを残して試作品にしているモノがいっぱいあります。
そうしたら、最近、この「ハサミ」には脱帽です。
刃先角度が常に30度になる刃先カーブを発見した結果商品です。
そして、プラスチックもダブル射出成型です。
「切れ味」と「使い勝手」は、現在は最高でしょう。
刃物メーカーを知っていますから流石の実力を認めます。
文房具業界の切磋琢磨の企業競合状況の活性的な活動に敬服です。
「世界でナンバーワン」は、日本の文房具業界でしょう。
私は、このカーブ刃先のハサミとここまでミニチュアなハサミ、
とても素晴らしい商品にまとまっています。
今年の文具大賞の選考会がとても楽しみです。
たかだか「ハサミ」とは言えません。
これほど日常的なモノほど、改良・工夫が必要とされています。
まだまだ、私たちは「智恵をめぐらして」発明していくべきことが
いっぱい残されていると思います。
このハサミを追い抜く「ハサミ・デザイン」をめざします。

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5月9日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     5月 9th, 2012  Posted 9:30 AM

5月9日庚午(先負)

単純化すること、
簡素化すること、
簡潔化することは、
モノの形の存在感よりも
使用する人間の自由さを
拡大していくことにつながる。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』7モンドリアンへのオマージュ


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「懐中電灯、必需品ですがもう一つの使い方」


   


     5月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

1000年に一度の大災害、直下型大地震予知、
かと思えば竜巻、大雨というこの日本。
私たちにとって、災害用の必需品がいっぱいありそうです。
中でも、ライト、懐中電灯と呼ばれていたモノです。
私が選んでいるのは、この二つです。
一方は、マグライトという定評のモノと、
もう一つはグリップ発電するモノは、出張用具でもあり、
身近な所に置いています。
そして、この二つにはもう一つの使い方があります。
それは、デジタルカメラで物品撮影するときの補助ライトとして、
撮影のライティングに重宝します。
ポイントのところにはマグライトの強い光を当てます。
そうしてグリップ発電する方は、
花でも、近接撮影時にとても有効だと思っています。
幸いに、今の懐中ライトは白色光のLEDであることが幸いします。
ともかく、最近はこのブログ写真は、
その日に目に飛び込んできたモノをテーマにすると、
カメラを向けますが、白昼色で無い場合には、
十分にLEDライティングで、立体感をとらえることが可能です。
特に、工業デザイナーにとって「ブツ撮り」は、
製品形態の情報化手段として不可欠です。
プロ中のプロカメラマンの撮影を見てきました。
自分のデザインしたモノを彼らの視線に置くというのは、
ほとんどが、彼らのライティング手法を見てきたことです。
だから、ちょっとした反射や、
ハイライト光線を被写体に当てることの重要さを学んできました。
いかに、容易く、フラッシュライトに頼らずに、
被写体にライティングするかというのに、
この二つの懐中電灯が役立っています。

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