kazuo kawasaki's official blog

Archive for 10月, 2013


『私の護り神は恩師から授かった加賀の『出世頭』』


   


     10月 8th, 2013  Posted 12:00 AM

フリーランスになって以来、いつも相談をし指導を受けました。
大学人になるとき、学長候補になったとき、大学転籍のとき、
「やっとその気になったか、君の使命だよ」と言われてきました。
その美大時代の恩師はもう居ません。
命日には、先生の奥様と手紙や電話で話をします。
「加賀の出世頭」です。
学位を取得したときに先生に知らせると、これが届きました。
先生が逝かれてしまってからは、
ともかく、この「出世頭」に話しかけることにしています。
「先生、これからこれをやってみます」、とか、
もう迷いに迷っているときには、
先生が存命中、電話をして、時には泣いてしまうこともありました。
60歳還暦になって、
「先生、まだ少し大学でやっていきます」と言ったとき、
「定年までは大学で好きなことをやりなさい」と言われました。
これが、金沢で先生との最後の会話でした。
ある日、奥様から電話いただきました。
「行きました(逝きました)から、伝えますね」と。
「えっ、こちらに来られるですか?」
「いえ、あちらに逝きましたことを伝えますよ、遺言ですから」
「では、すぐに金沢に行きます」
「必要はありませんよ。もう初七日が終わったのです」
「・・・・・では、誰も知らないのでしょうか?」
「はい、あなたに伝えることで構わないとの遺言です」。
それから、まず、私は大学の同期に伝え、後輩に伝え、
彼らから大学にも伝わりました。
いかにも先生らしい、この世からあの世への姿勢と態度でした。
このところ、この「出世頭」に語りかけています。
先生、解答が欲しいのです。
日本は国難なので、最期の仕事に精進しますが、どうすれば?、
生まれ変わったら、また、この先生に学びたいと思っています。


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10月7日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 7th, 2013  Posted 4:17 PM

10月7日 丙辰(友引)

「手が思想する」というのが、
デザイナーの思考回路であるということは、
私の確信であり、
信念でもあるからだ。

『デザインの極道論』したわしい


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『地球環境の変動と株価変動でみる企業意識』


   


     10月 7th, 2013  Posted 12:00 AM

新人デザイナーの頃、インプリンティングされたことは、
デザイナーの生涯に大きな興味と専門家知識を磨きます。
素材テクスチャが磨かれました。
ブラジリアン・ローズウッドという木目の工業化でした。
印刷会社の職人さんから自然物の木目を感覚でデザインすること、
この誤りを強く指摘されましたから、
その後の自然物素材の工業化では常に実物検証に徹してきました。
これは、私自身の知識と感覚を合一化する有効なプロ意識を育成。
したがって、例えば、皮革製品については「見立て」が可能です。
この10年にわたって地球環境の悪化は自然物皮革を破壊しました。
特に顕著な実例はクロコダイル皮革の大変化です。
自然物のクロコダイル皮革テクスチュアが狂ってきました。
まして、その工業化=型押しという技法では大間違いが横行、
にもかかわらず、その市価設定まで間違ってきています。
したがって、自然物、いわゆる本物までの見立て誤りも増加です。
たとえば、高級ブランド腕時計のベルトまでを見抜けます。
高級時計特にスイス製については言及すべきことがあります。
ともかく、これは一方が本物で正確なノートカバーです。
そして、もう一方は工業製品としてのブリーフケースです。
この工業製品、型押しでのクロコダイル製品は、
デザイナーまたは企画者がクロコダイルテクスチャに対して、
知性と感性を失っていることを断定することができます。
これは、自然物のテクスチャだけの話ではありません。
日本の企業意識、大企業病とベンチャー企業オーナー意識までが、
すこぶる破壊されているということにも繫がっています。
その評価を確認する方法は景気と連動しています。
すなわち、景気指標の「株価変動」が表していることです。


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10月6日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 6th, 2013  Posted 4:17 PM

10月6日 乙卯(大安)

親友の戦死を絶対に
無駄にはしない。

時代と人間組織の
むなしさに立ち向かってやるのだ。

『デザインの極道論』むなしい


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『日本の低迷は企業経営前の知識不足』


   


     10月 6th, 2013  Posted 12:00 AM

敗戦後、奇跡の復活と言われてきた日本企業は、
世界経済の中核どころか先導的な「企業経営」が認められました。
しかし、経済は景気と連動して、結局は二つの選択を強いました。
その一つが安定した大企業主義が産業界の牽引役です。
しかし、
経済動向、すなわち経営鬱病としての「不景気感」は停滞して、
企業制度は、生涯雇用のはずが派遣社員雇用で大企業病を発生。
それならと、いわゆるベンチャー企業は「情報化」社会で起業。
ところが、そのベンチャー企業自身が経営経験不足。
翻って、中小企業・地場産業・地域産業には「情報」経営力無し。
ベンチャー企業が1000社あっても30年後には2.8社です。
このサイクルの中で日本の産業全体が低迷している有様です。
新たな世界制度破綻は9.11で明確になってきました。
そうして、今度は3.11、日本の天災と人災は方向を喪失です。
不景気は、世界全体を経営基盤から突き落としています。
盟友である松岡正剛氏は、
「日本という方法」、「方法という日本」を提示してくれました。
しかし、水墨画技法に「経営配置」が画法にあるからだけでは、
全ての経営者は佇まざるをえないでしょう。
先般、米国で日本という方法と方法という日本で、
地道に「経営活動」をする人物に会いました。
なんのことはない、松岡正剛氏の薫陶で成長してきた人物は、
米国で活動をする中で、明らかに、「方法」と「日本」を
配置、すなわち「経営配置」を私に告げてくれました。
たった一言です。
「日本は負けるわけにはいかない、大企業は駄目になるけれど、
もっと、不甲斐ないベンチャー企業の整理です」と。
私は、今月23日、松岡正剛氏と対談講演でこの決着をと、
真剣に考えています。
欧米にも、まして、中韓、アジア諸国の先導にこそ、
「日本という方法」と「方法という日本」を伝えるつもりです。


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10月5日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 5th, 2013  Posted 4:16 PM

10月5日 甲寅(仏滅)

経済活動のための
欲望の刺激装置としての
デザインの時代は終わった。

『デザインの極道論』むなしい


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『要の役割がなければ事態は深刻で進化せず』


   


     10月 5th, 2013  Posted 12:00 AM

ボーイング社の787型ジャンボが事故連続でした。
私は、この道の専門家ではありませんから、
まったく正当な原因追及を書くことはできません。
しかし、二つのことを言及することはできます。
まず、中国での部品生産は絶対にしないこと、です。
これは今後の航空機や生産性はますます低下するでしょう。
そして、ボーイング社航空機がこれまでに、
機体そのものに事故が無かったどころかすごい発明がありました。
それは、一人の人物がいたからです。
彼が統括していたときには決して起こらなかったことが頻発です。
たとえば、主翼には、彼の名前が付けられた主翼先端の
あるスパイラルがありました。
それは天才的な最適解でした。
ところが、最近は、主翼先端が上げられて立ち上がっています。
揚力と抗力でのスパイラル解消の形態設計でした。
無論、747-8は、787のコンセプトが生きていましたから、
私には流石に彼のディレクターぶりに惚れ惚れしました。
たとえば、政府専用機=Air Force Oneと呼ばれる航空機、
その主翼は、「安全性」のためか彼のスパイラルは使われません。
787が、事故連続故に航空機設計は進化をストップさせています。
これは、一人のディレクターがいないと、進化はできません。
つまり、人間には能力差は相当にあるということです。
明らかなのは、映画や舞台の主役が異なれば結果は違います。
同じことがどんなプロジェクトでも役割分担が決め手です。
誰がやるのか、それはアナタでしょ、みたいなことです。
現代日本は、派遣社員という賃金集約で、
投資効果を大きく曲げてしまったのではと私は思います。
有能なディレクターが必要であり、その「役割」は偉大です。


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10月4日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 4th, 2013  Posted 4:14 PM

10月4日 壬子(友引)

犬と人間との歴史は、
まさに「ほほえましさ」を
世の中が忘れないための
知恵であったのではないだろうか。

『デザインの極道論』ほほえましい


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『欧米を追いかけてはならない・3D-Printer開発』


   


     10月 4th, 2013  Posted 12:00 AM

私は何度か、3D-Printerと3D-Printingの使い分けや、
FabLab、RepRap、そしてMAKERSのブームなどに惑わされること、
このことの危険性について記載してきましたが、
日本のブームは、安っぽい商業主義と、
知性と情報欠落した連中によって、日本の独自性などに、
ここまで無頓着になっていることに呆れます。
すでに、米国は日本の技術力を畏れています。
私が、このブログで3D-Printingに触れたら、
それも、在米の日本人から文句がきました。
米国のMAKERSが大間違いをやっているのですから指摘しただけ。
はっきりとそろそろ明言したほうが良さそうです。
光造形もインクジェット技術も、日本のオリジナルです。
だから、陶磁器・刃物・織物から、遺伝子・医療までを
デザイナーがまず、3D-Printer開発するべきです。
ところが、インクジェット機器メーカー企業そのものが、
MAKERS程度に戸惑わされいるのです。
デザイナーは「3D-Printingはパンドラの箱!」とか・・・?。
言わせていただきます。こういう発言や講演者は大バカです。
デスクトップで立体が創れる時代は確実に来るでしょう。
しかし、米国が特許解禁での3D-Printer機器では無理です。
日本独自の機器開発は工業デザイナーが主導するべきです。
そんなことで、大阪大学で3人の教授(私も)が講演しました。
3人ともに、MAKERSではないことを力説しました。
まして、これで「金型」とか言い出している大企業や、
宣伝で3D-Printing使用しているなんて大嘘です。
本当に、「日本の正解」でこの世界を革新するのですが、
呆れかえるほどブームに沈殿している輩がいることを断言します。


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10月3日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 3rd, 2013  Posted 4:14 PM

10月3日 壬子(友引)

犬と人間との歴史は、
まさに「ほほえましさ」を
世の中が忘れないための
知恵であったのではないだろうか。

『デザインの極道論』ほほえましい


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