kazuo kawasaki's official blog

Archive for 7月, 2017


『見慣れている「場」のデザインは感情を撹乱している』


   


     7月 31st, 2017  Posted 1:22 AM

私の視線は車椅子上からは常に40年間一定です。
そしていつも気持ちがおかしくなるほど、
「変なデザイン」だと思ってきたのは
駅のプラットホームのこの不自然さなのです。
多分、これほどこの不自然さすなわち美しさなど皆無の「場」に、
大きな疑問を言い出すのは私ぐらいでしょう。
しかもそれなりに「鉄ちゃん」の一人なのです。
それは鉄道大好き人間なのです。
なのにこの不自然さを今主張しなければなりません。
日本が誇る新幹線の鉄道と点字ブロックが際立っている対比に、
美しさが大欠落していることに人間全てが目覚めてほしいいのです。
確かに、鉄道に誘導されている新幹線のデザインは、
車体デザインだけでは現在の駅・プラットフォームの「場」が、
破壊されていることに、感性を封鎖していることに気づくべきです。
それは風鈴の音がうるさいとか、
除夜の鐘は辞めるべきだとかラジオ体操の音、
子ども達の歓声が耐えがたい、
こうしたクレーム感情に連鎖したのだと思っています。
それならどうしてこの「場」の不自然さ、美の欠落にこそ、この感情、
すなわち、心の中に流れるドロドロの感覚を、清々しい感覚にすべきです。
プラットホームから、駅空間と列車のデザインは大変革をすべきなのです。

* 「メランコリー=悲哀・憂鬱の全否定が慈愛デザイン」
* 『もっと豊かな鉄道システムの統括デザインが急務』
* 『Zゲージで再確認するトランスポテーションの美しさ』
* 『いつも、なぜなんだって思う点字ブロックのこと』
* 「 視覚空間は存在しないことを認識する必要がある」


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07月31日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 31st, 2017  Posted 12:00 AM

07月31日 友引(己未)

デザイナー展の企画としては、
グラフィック分野が「ポスター」ならば、
プロダクトは「時計」という
常套的な形式も普遍化した時代に入ったわけだ。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』16 時の経過と瞬間


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07月30日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 30th, 2017  Posted 12:30 AM

07月30日 先勝(戊午)

自筆すること、
その手段を
私たちは二つある。
「アナログ」を確実にした
「デジタル」もある。

川崎和男の発想表現手法


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『長友啓典追悼記念展にてデザイン進化を教えられたこと』


   


     7月 30th, 2017  Posted 12:10 AM

最期に私は先達に教えていただいたと、とても感謝しています。
デザインへの不信が、盗作やイベント事故などで、一般化が困難ゆえ、
グラフィックD界とインダストリアルD界、それぞれの問題を
たった一回会ったにも関わらず長友啓典氏の追悼記念展で教えられました。
それこそ。グラフィックDでのポスターというメディアは終焉する気配、
彼の作品は美術館収蔵ではないことです。
が、私は工学院大学(工手学校)であったことを絶賛します。
おそらく、ポスターの源流が情報伝達メディアとしての
ロシアン・アバンギャルドでのロシア鉄道その列車、
車体ボディだったことはほとんど知られていませんが原点です。
そうして、その遺作展で最も輝いていた彼と相棒・黒田征太?氏と、
さらには、作家・伊集院静氏との作品。
また、おそらく旅行や気がかりな物事への自筆イラストレーションの数々。
私が金沢21世紀現代美術館での個展の時も、作品の原画を求められて、
「あぁ、そういうのは破ってます」、
もの凄く叱られましたが、
幸いスタッフが一部残してくれていたので助かりまいした。
今さらながら、実は自分デザインのグラフィックD作品集はありませんが、
まとめてC.I.デザインなどマーク、新聞挿絵(東京新聞)やスケッチを
出版しようと思い直し確認しました。
ポスターは列車から、B倍全作品などは著名なデザイナーからもらいました。
おそらく情報化メディアは、websiteでの静止画から動画になりました。
デザインは確実に情報化技術の一つとなり、デザイン自体の進化そのものを
デザインする時代に突入しています。

* 『ポケットブックになる「造形思考」が出版』
* 『毎日デザイン賞・同時受賞の佐藤晃一氏が逝去した。』
* 『存分なデザイナー能力が性能・効能・機能を編集表現』
* 『乳牛は決して美味しいミルクを絞り出すわけではない』
* 「デザインはその発祥から政治的な政策思想だった」」


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07月29日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 29th, 2017  Posted 12:27 AM

07月29日 赤口(丁巳)

性能には技術の美、
効能には存在の美、
機能には使い勝手の美、
そして、
価値には、
安全・信用・安心・信頼がある。

川崎和男の発想表現手法


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『「寸は尺よりも長し」をデザイン表現したハンガー』


   


     7月 29th, 2017  Posted 12:25 AM

「デザインは機能である。」という、
この断言がズーッとデザインを縛り付けてきました。
未だにこれは念仏にしか私には思えません。
デザインは、性能・効能・機能と価値であり、
「問題解決の美的な応答・回答・解答」だともう40数年も主張しています。
そして、「神は細部に宿る」というのを、
私は先祖(宮大工家系)からの巻物には、
「寸は尺よりも長し」を自分に言い聞かせてきました。
先日、間も無く商品化の製品をこのブログで発表しました。
それはこのメーカーがそれもDESIGN TOKYO展で、出展したからです。
これはイタリアのある有名ブランドの生地・繊維見本帳を見て、ここまで?
絶対に乗り越えるという動機で、
このサンプルデザインの部位をハンガーにしたのです。
それこそ自分なりには徹底した細部設計と仕上げでの精度に拘りました。
日用品のハンガーはもう廉価も廉価。
しかし、2本1組みでの商品の高級化を目指しています。
ハンガーへの人類の歴史、ハンガーの進化、その一つを追いかけた、
私デザインの「モノの存在性」という
美的な価値表現です。
だから性能・効能・機能の日本ならではの高価値表現のデザインです。

* 『藤原行成の書体との出会いは先生からの指示だった』
* 『パノラマ的な拡大は詳細を見詰めることだ』
* 『最近見なくなった竹藪、その思い出』
* 『享保の手帖から私が学び直したこと』
* 「黄金コンパス・黄金比と白銀比を身体化するには」


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07月29日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 29th, 2017  Posted 12:00 AM

07月29日 赤口(丁巳)

デザインという
理想を追求する営みの成果物である、
モノのかたちの詳細を図面は表現する。

その詳細とは、
大きさ=寸法、材質の指定、
構成と構造などの仕掛け=
これを私は実装と呼んでいる
=である。

『デザインという先手』手抜き 不可欠である誠実さ


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『たった一回逢っただけ、だけれど・・・・・』


   


     7月 28th, 2017  Posted 12:00 AM

いつか必ず、「あの長友啓典」氏に逢えると思っていました。
あの独特の手書きラインでの素敵極まるイラストレーション。
「クリネタ」という小冊子にインテリアデザイナーの森田恭通氏が、
私を連載対談相手に選んでもらって、一辺に長友氏と意気投合、
若いときは長友氏の相棒だった黒田征太?氏とは講演をした記憶。
お互いにグラフィックD界とインダストリアルD界の今後を話しました。
その後、メールで「紙」についてのやりとりで来阪を心待ちにしてました。
「本当は教えないけどメーカー名も教えるね」
「来阪したら渡すね」などを、
たった一回の出会いでとても仲良しになれたのです。
入院?、すぐに退院だね、と思っていたら、逝ってしまわれたのです。
「クリネタ」に一文をと言われましたが、たった1回しか逢っていないから、
気が引けて、ブログで書きますと返事。
「追悼遺作展」にともかく駆けつけました。
展示会は本当に大変な混雑でこんなに皆が集まるんだ。凄い人だ、です。
グラフィック界の大先生や、同輩のデザイナー達とも逢いました。
夕食を森田氏とワインを傾けてホテルに戻って、これを書いています。
たった1回しか会っていませんが私を惹きつける人格者だったのでしょう。
彼の作品は工学院大学に収蔵されると聞きました。
「長友さん、工手学校が工学院大学ですよ!」と伝えます。
小説家・伊集院静氏の一文がまさにその通りの人物。
なんだか、この頃は別れが多いのです。

*  ‘クリネタ’
* 『光陰へはただ祈るだけだと思い想っています』
* 『新たなフォトコラージュはカオリンの磁器に展開』
* 『渡邉洪基というふるさと福井の大偉人』
* 『負のサイクルを即刻停止させるデザイン』


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07月28日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 28th, 2017  Posted 12:00 AM

07月28日 大安(丙辰)

もっとも喧嘩相手になる人物こそ
イラストレーション、
手の痕跡が残っている。
それは、60年代、70年代は確実。
80年代後半から、
デジタル化、
やっぱり失った事が多い。
取り戻す「方法」が必要だ。

川崎和男の発想表現手法


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07月27日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 27th, 2017  Posted 12:00 AM

07月27日 仏滅(乙卯)

もし、ものづくりに
サービスを加えるとするなら、
それはより使い勝手や手抜きのない
成果物を仕上げるということだ。

『デザインという先手』手抜き 不可欠である誠実さ


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