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「エネルギーの邦訳を決定するためには」



[物質・情報・エネルギー]=世界要因です。
明らかに世界がこの三つで構造化され、
その中で、生物、動植物、人間の日常があります。
私にはどうしても
エネルギーが日本語であってほしいと思います。
物質とエネルギーを徹底して熟考し、
よりやさしく伝えようとしたのは寺田寅彦でした。
そして彼は、天災や事故、
科学での解明を最も随筆や報告として書き残してくれています。
私の世代は、彼の文章は受験問題になっていたこともあり、
親しみがあると同時に、
物理の本質を数式ではないことばで解説されていました。
したがって、あらためて読み直してみれば、
津波や天災の記述が本当に多いことを再認識させられます。
「天災は忘れた頃に」というフレーズも彼の発言でした。
さて、エネルギーというのは、
今回、具体的には、電力・ガソリン・人力でした。
しかもこうした要素因は、
「仕事力」という具体結果に結びついていたことです。
まさしく、寺田寅彦著作である「物質とエネルギー」には、
エネルギーを「仕事をなす能」とし、
かつ物理学者のBegriff=Concept=概念にすぎないために、
世俗的には理解困難な概念にも関わらず、
自然力との関係が不明な原因になっているという指摘は
今なお引きずっています。
少なからず、エネルギーとしての「放射能」も、
その能力の限界を未だに人間は把握していません。
すなわち、概念=Begriffというドイツ語の語源は、
包括する、把握するという意味です。
つまり、私たちは物理学的にもエネルギーは、
まだ概念に過ぎず、包括することはもちろんのこと、
把握することもできていないことを、
今回のフクシマ原発事故から、人類すべてが、
充分に学びとり自省しておくべきことだと考えます。

*寺田寅彦「物質とエネルギー」は「青空文庫」で読むことができます。http://bit.ly/ifEMKn


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