kazuo kawasaki's official blog

「伝統とは『裏切る』ことへのアプローチ」




「私たちは美しい切れ味を鍛えています」。

越前打刃物、その産地に掲げたマニフェストです。
余談ながら、マニフェスト=宣言として、
私はデザイン導入テーマを宣言として使っていました。
そして伝統=Tradはラテン語原意そのままに、
伝統工芸技術への裏切り方をシンボル製品開発に
プロセス調査を重ねることにしました。
鉛筆が削れる、そのためにはナイフを鉛筆削り専用を開発しました。
小学校1年生から中学校1年を対象に、ペーパーモデルで検討し、
小学校4年から5年生で手の大きさが急激に成長することと、
小学校2年生になると「器用に美しく削る」ことを発見しました。
その削り角度(写真上の緑線)
そして火づくり鍛造する三層鋼を
特別に素材メーカーで生産してもらいました。
ステンレスに鋼材をサンドイッチしてもらった三層鋼です。
私自身が左利き(左右両利き)ですから、
左右どちら利きでも使いこなすこと。
本革のケースと研ぎ石も付属させた商品にしましたが、
一番の問題は、この刃物(3,000円)も30,000円の包丁も
ほとんど人件費は同等だったことです。
それでも、「シンボル商品」として商品化しました。
そして、プラスチック柄にするまでには10年かかりました。
産地体制でプラスチックハンドルの生産が不可能だったからです。
今もその体制づくりは出来ていません。
最終的な研磨を産地で製品化して商品にしています。
現在ではプラスチックゆえ「プラ・スコラ」という商品名にしています。
私は、もう一度産地体制での生産設計をやり直して、
本来のオール金属+本革シース+研石の「SCHOLA」(学校を意味)を
復元商品化したいと思っています。
そのためには、伝統技をもう一度「裏切って」、
新たな製造工程のデザインが必要だと思っています。


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One Response to “「伝統とは『裏切る』ことへのアプローチ」

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    1:36 AM on 7月 26th, 2017

    [...] * 『鉛筆削りナイフ・伝統技の記号づくりと情報づくり』 * 「伝統とは『裏切る』ことへのアプローチ」 * 「プロとして元気の素は鉛筆への作法」』 [...]


This entry was posted on 水曜日, 2月 8th, 2012 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.