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「春日部での桐工芸産地とのこと」





春日部といえば、「クレヨンしんちゃん」の住処です。
今では、春日部が、
桐タンスなど桐木工の伝統工芸産地であることを
知っている人は少ないでしょう。
1980年代は、
「地方の時代」や「第四次全国総合開発計画=四全総」が施行され、
「地方の活性化」が盛んになっていました。
バブル経済を迎える寸前だったと覚えています。
私は、ふるさとに車椅子でもどり、
福井県内の伝統工芸産地に「デザイン導入」を試みていました。
幸いにも「タケフナイフビレッジ」は有名になりました。
そして、そうした産地への「デザイン導入手法」についての講演も
随分と引き受けていました。
この本には、春日部で中心となっていた影山和則氏が、
公的機関からのデザイン活動をまとめた「デザイン史」になっています。
私が、影山氏に、
いかに厳しく接していたかも描かれていて赤面ものですが、
私は、全力で伝統工芸産地、その職人さんや、流通と闘っていました。
もっとも、牙をむいていたのは「四全総」を背景にし、
権威を振りかざしていた官僚や
その身内的なデザイン・プロデューサーたちでした。
おそらく、「喧嘩師」と言われ始めたのもその頃だったと思います。
しかし、この本に記録されているとおりに、全国各地の伝統工芸産地は、
デザイナーを引き入れて懸命でした。
あれから25年後の今日、
生き残っている産地はほとんど無いと言ってもいいでしょう。
私は、「タケフナイフビレッジ」は今も健在であることを自負しています。
この本に描かれた全国それぞれの産地活動は
一つのチェックリストになっています。
「あの産地はどうしたかな~」という具合です。
私は、この本には80年代、
少なからず理想的な国家体制の中で、
伝統工芸という
日本文化をデザインが引き受けようとしていた事実史があります。
是非とも、次世代デザイナーには読んでもらいたい「デザイン史」本です。
その理由は、
国難となっている日本が再生するためのヒントが
当時の全国各地の産地での懊悩する姿がいっぱいあるからです。


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This entry was posted on 火曜日, 10月 23rd, 2012 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.