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「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」





ふるさと福井で、伝統工芸に出逢えたことは幸運なことでした。
打刃物・和紙・漆器・陶器・木地・織物などでした。
その中で和紙といっても「越前和紙」は、
日本の源流ともいうべき産地は1500年の歴史でした。
私は改めて「紙」を見つめ直す大チャンスに恵まれました。
それは「和紙」を
原材料・漉き方・乾燥・模様などを
徹底的かつ身体的に覚えることができました。
よって、いわゆる洋紙の世界を和紙から眺め直すことができました。
ところが現代において、
和紙を取り巻く商環境には二つのとんでもないことが起こっています。
まず、和紙作家という存在。
和紙問屋と和紙販売店舗の無知識さです。
私は、和紙店では徹底的にそのことを追求することにしています。
また、和紙と勘違いされる「和風紙」の氾濫があります。
「和風紙」というのは、産地では「半草」と呼んでいるものです。
産地は重々に知り尽くしていますから、「半草」というのです。
つまり、「半草」というのは紙パルプを混在させているのです。
また、こうしなければ、
「和紙」は現代生活の中で短所いっぱいの不良品になってしまうのです。
日本の和紙が本来の伝統的な品質性能を保持するには、
原材料=楮・三椏・雁皮に相当な手仕事時間が必要となります。
しかし、
そんなことをすればとんでもなく高額な商品にしなければなりません。
また紙粉が多くて、印刷素材の品質には至りません。
したがって、和紙作家というデザイナーのほとんどが、
「和紙」の品質と性能については無知です。
まして、和紙商店という老舗であっても、
無知なところがあまりにも多くなってきました。
私は、「和紙」について最も熟知しているデザイナーは、
日本では、
最初に和紙をデザイン対象とした森島紘氏と私だけだと自負しています。
和紙商店に私などが顔を出せば、店員さんはみんな逃げてしまいます。
「和紙」について、
なんとしても次世代デザイナーを育成しなければならないと思っています。
また、和紙職人も「本物」であるべき人物が必要だと言っておきます。
少なくとも、越前和紙産地には、
かつて「オータキペーパーランド」で組んでいた仲間がいます。


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3 Responses to “「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 2月 28th, 2014

    [...] これが私の「使命観」であり、これが私の未来・づくりです。 「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」 「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」 [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 11月 1st, 2014

    [...] 翻って越前和紙産地よ、胡座を組んで威張っている場合じゃないよ! 「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」 「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」 tag: インチキ, [...]

  3. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    10:46 AM on 12月 17th, 2014

    [...] 『享保の手帖から私が学び直したこと』 「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」 「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」 tag: 1300年, 1500年, [...]


This entry was posted on 月曜日, 11月 12th, 2012 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.