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「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」





美術学校には入ったけれど、油絵を描く力もなく、
まして、美術といえば、セザンヌは好きだけど、ピカソはなぜ?、
という私には、「現代美術」?、美術がなぜ表現手法?でした。
その私に「ことば」で、心から美術・建築・音楽までを
最も理解させていただいた人、それは「宮川淳」でした。
もし、世界で最も最高の出版物は、彼の「遺作全集」です。
そして、この著作を読んでも分からないとするなら、
もう一度、自分の知性そのものを疑うべきだと今なら言えます。
だから、私がデザインという世界への道筋は、
彼によって形成されたと確信さえしています。
当然、私の「プラトンのオルゴール」の一人であり、一台です。
私はこの作品には、回る円錐形と赤いLEDとを使いました。
音楽・ビートルズは「MOTHER」でした。
彼は客死しました。
そのニュースを聞いたときに、私の体が沈んでいく感覚でした。
彼自身のデザインに対する一節は、
私には冷徹で空々しさしかありません。
その空々しさを打ち消そうとして生きてきた気がします。
彼の客死を評論した文章はほとんど読んだと思っています。
私は「ことば」の評論が、網膜に映る美術あるいは芸術を
これほど明快にした人物はいなかったとさえ思っています。
私が、敬愛する倉俣史朗氏を評論しようとしたとき、
そのテキストは彼の著作を何度も読み返しました。
私は、自分のデザインの評論は、
必ず彼の網膜が紡ぎ出す「ことば」だったら、
どのように評論されていただろうと思うことにしています。
それは、他のデザイナーの作品・製品・商品、
そしてそのモノが日常生活で位置することも、ことばになります。
だから、形態はまさに「言語」になりうると考えるのです。
おそらく、この抽象的な文章は理解してもらえないでしょう。
それなら、はっきりと言い切れば、
デザイン・建築・美術・音楽などに対する、
あなたの知性の再考を私は求めます。
デザイナーなら、なおのこと、
あなたにデザインの才能などあるわけがありません。


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4 Responses to “「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 11月 27th, 2014

    [...] ビートルズのような存在がないこれまでを疎ましく思っています。 「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」 「『鏡』の存在を知り尽くすこと」 「この画家をもっと知らせたい」 tag: [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:30 AM on 4月 14th, 2016

    [...] *『インクルーシブデザインの間違いを正す=KK塾』 *『表現としての美術とは?、教えられた宮川淳』 *『AとしてのB・対・BとしてのA、という連語考察』 [...]

  3. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:01 AM on 8月 13th, 2016

    [...] 社会に社会構造の疑問を差し出したと考えることができました。 * 「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」 * 『経緯が敬意に、形態言語から自分の造形言語化を』 * 「 [...]

  4. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:22 AM on 9月 26th, 2016

    [...] * 『鏡映は冥府に降りていることゆえに「何がデザイン?」』 * 「表現としての美術とは?、教えられた宮川淳」 * 「AppropriationーDesignに紛れ込んできている危険性・1」 [...]


This entry was posted on 月曜日, 6月 10th, 2013 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.