kazuo kawasaki's official blog

『いけばな、日常の美しさは大切さを決定している』




私は彼のいけばなの舞台を間近で見ています。
その日の感激と感動はぬぐいようもなく、私に張り付いてきました。
「花」には美しさがある。美しい「花」というものはない。
この言葉は、小林秀雄のことばですが、
小林秀雄は、
私が受験時代に最も現代国語の問題で引用された作家でした。
とのこともあってか、彼の著作は確かに沢山読んだ記憶があります。
しかし、それよりもデザイナーになって、
「花」と「美しさ」の対照化は自然・人工物と美の問題に直結し、
このことにとらわれてきましたが、彼のいけばなは、
生け花、活け花、いづれとも明確な違いが体感できることでした。
早速、彼のいけばな画集で何度もその確かめました。
ところが、彼自身も、3.11 東日本大震災と対峙して、
彼の「一日一花」は一年毎日のいけばなで、
私もまた、震災と人災で台無しにしてしまった事件と向き合い、
そして、また彼のいけばなによって、
美しい花というようなものではなく、花を美しくする文字通りの
自然の花茎から生花を切り離しながらも、
花を生ける、花を活かす、切ることの大事さこそ、
私は見事な「大切さ」の具体パフォーマンスだと認識しました。
特に、彼が毎日毎日、花の美しさをもう一度、
美しい花にする大切さの体現化は、毎日毎に知らし直されています。
彼と私は同世代だということもありますが、
「大切さ」は、美しい花があるからこそ、花の美しさを体現化する、
その手法には、日本人だからこそ見いだした手法だと思います。
私はデザイナーゆえ、人工物のモノ、
美しいモノを、モノの美しさすら本来皆無ゆえにこそ、
美しいモノをものにしていかなければなりません。
その極致が、「大切さ」を受け止める力が自分にあるかどうかです。
一日一花ならば、一日一スケッチが今、私の日常作法です。


tag: 3.11, 「花」には美しさがある, いけばな, モノの美しさ、モノ、手法、日本人、パフォーマンス、大切さ, 一日一スケッチ, 一日一花, 人工物, 人災, 体感, 作家, 具体, 切る, 受験, 対照, 小林秀雄, 引用, 感動, 感激, 日常作法, 東日本大震災, 活かす, 活け花, 現代国語, 生ける, 生け花, 画集, 美しい「花, 美しさ, 美の問題, 自然, , 花茎, 震災


目次を見る

One Response to “『いけばな、日常の美しさは大切さを決定している』”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:39 AM on 5月 7th, 2017

    [...] * 『iPad ProとApple Pencilで臨書が出来る』 * 『いけばな、日常の美しさは大切さを決定している』 tag: Traditional, ソメイヨシノ, チマキ餅, 佇まい, 垂れ桜な, 子どもの日, [...]


This entry was posted on 火曜日, 3月 24th, 2015 at 12:00 AM and is filed under 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務, 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.