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『アンコンシャス・ビューティを学んだから・・・』





柳宗理先生の時代、講義ではスライドが使われていました。
常に思い出すのは、二つのスライドです。
雪に黄色い線状のパターンがくっきりと
「これ、わかるか?」。
立ち小便の雪の上にある跡でした。
次には必ず、アフリカの直観で掘られたお面です。
直観と直感の違いを徹底して教えられ、それが私の言葉訓練に
今でも明確に残っています。
決まって先生は、この二つのスライドで「美しいね!」と連発。
美大を卒業して東芝に入社した私は丸善のレジカウンターで
柳先生のテープディスペンサーを見つけました。
そこで使い古されていましたが、店員さんに尋ね請求しました。
「このテープカッターを売ってくれませんか?」、
「エッ、無理です。でも、よく聞かれるんですよ。」
私自身随分とよく探しましたが、丸善で使われているだけでした。
ほとんどの人が、このデザインどころかデザイナーも知りません。
しかし、このモノがレジカウンターでは私には光輝いていました。
「アンコンシャス・ビューティ」って、これなんだ!
私が美大で学んだ柳宗理デザインの、
アノニマスデザイン・民藝・用美・健康美・日常美がありました。
私もテープディスペンサーのデザインは試みましたが、追い抜けません。
そして、今も空港のANAの受付カウンターには、
私のデザインー=EIZOモニターが置かれています。
時々、私は「これ、僕のデザインだから、たまには拭いてあげて」と。
「エッ・・・」って、怪訝な顔をされますが、
誰も気づいてもらえない日常のアノニマス性になっている存在に、
先生、これって、アンコンシャス・ビューティになっていますか?
自分なりに、ここまではやりきりました。
このモニターは世界中で、日常のアノニマス的な存在にしました。
デザインの美学は、機能美を語るよりも
私たち金美大出身のデザイナーは
「アンコンシャス・ビューティ」を実践していると思っています。


柳宗理生誕100年記念講演


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One Response to “『アンコンシャス・ビューティを学んだから・・・』”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:30 AM on 3月 3rd, 2017

    [...] * 『書かれた柳宗理デザイン=現在出版の書籍で継承可能か』 * 『アンコンシャス・ビューティを学んだから・・・』 * 『手稿は宝物である』 [...]


This entry was posted on 金曜日, 4月 24th, 2015 at 12:00 AM and is filed under ConsilienceDesign, 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.