kazuo kawasaki's official blog

『勘違いディフォルメ写生は伝統では無い』





「伝統って何ですか?」とこれまで何度も聞かれてきました。
私が伝統工芸にデザイン導入をして、
ふるさと福井では特に「タケフナイフビレッジ」を創ってきたからです。
伝統=トラッドは、世界的に一つの意味に集約されています。
「統」という漢字には明確にその意味がありました。
それは糸口となることを単に伝えていく伝承とは、
全く意味が違っていて、「裏切る」という意味があります。
端的には、父親の仕事を裏切って=破壊して、
新たな技法を発明して繋いでいくことを伝統というわけです。
ところが、最近の焼き物や日本的な文様を見ていて、
とても気になるのは、日本に限らず欧州の伝統工芸と思える意匠に、
デッサン間違いを多く発見します。
特に、意匠とすべき写生体験の欠落です。
鳥の嘴や足の形、魚の口、植物に葉脈、花弁などはデッサンが狂い、
それをあたかもディフォルメされたかのような意匠にしていること。
こうしたお店で、私は」ついつい大声でワイフに言います。
「コレ、またデッサン間違っているぞ〜」と、
ワイフはそんなに大声で言わないことと窘められます。
が、時には、お店のご主人が出て見えて、
「そうなんです、間違っていますが、日本画の大家の先生なので・・・」。
そんなとき、私のような者でも発見していたと伝えて下さいと。
美大生時代はスケッチの基礎である写生で植物や鳥などを随分描きました。
元来、美大ではすでに高校時代に絵が上手かった級友だらけでしたから、
彼らについていくには、私自身、相当に写生で静物画が描き、
特に、葉脈や花弁、嘴、魚などを描きましたから、
デッサン無しの伝承的なまやかしディフォルメは認めることが出来ません。


tag: スケッチ, タケフナイフビレッジ, ディフォルメ, デッサン, トラッド, 伝統, 伝統工芸, 写生, , 大家, 意匠, 技法, 文様, 日本画, 発明, 破壊, 福井, 糸口, , 美大生, 花弁, 葉脈, 裏切る, 間違い, 間違っている, 静物画


目次を見る

2 Responses to “『勘違いディフォルメ写生は伝統では無い』”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:53 AM on 6月 16th, 2016

    [...] *『非常事態の準備は再考しなければならない』 *『勘違いディフォルメ写生は伝統では無い』 *『自然から学んだはずだった・・・のだが?』 [...]

  2. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    1:06 AM on 8月 7th, 2016

    [...] @ Kadobun * 『ずばり、自分ぴったしのモノ世界のモノマガだ』 * 『勘違いディフォルメ写生は伝統では無い』 * 「パーカー『5th』という筆記具の進化」 [...]


This entry was posted on 月曜日, 7月 6th, 2015 at 12:00 AM and is filed under ConsilienceDesign, 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.