kazuo kawasaki's official blog

artgene blog『デジタルペンその2』
~日本の携帯電話~




2008-05-12 11:13:07 | デジタルペン

前回紹介した、
こんなに便利で画期的なデジタルペンが普及しない理由のひとつに、
日本の携帯電話、その文化が非常に子供じみていることが挙げられます。

先日京都で、国際デザイン会議クムルス2008が行われて、
海外の僕の友人たちが来日したんですが、みんながビックリしていたのが、
高校生の女の子たちのメールを打つスピード。あれを見て
「日本人ってすごいなぁ。すごい速さで携帯電話をいじっていたけど、
あれはメールを打ってるんだろう?」といわれてしまって。
これは日本人として自慢すべきなのかどうなのか悩んだところです(笑)。

今、日本の携帯電話は、ほとんどオモチャと化しています。
その結果、携帯電話はデザインそのものが遅れてしまい、
企業も次々と携帯電話市場から撤退している有様です。
世界市場で日本の携帯電話はかなり負けています。

僕の後輩である有名なメーカーにいる奴が、
ずっとスウェーデンにいたんですが、
昨年日本に戻ってきたんですね。
彼はこれまで世界中の携帯電話市場を見てきたのですが、
日本だけは国内の人間に任せていたので見ていなかった。
彼は言いました。「日本の携帯電話はどうなっているんだ!」と。

僕は以前、某携帯電話会社からコンサルタントの依頼を受けた際、
コンピュータ・グラフィックス・ユーザー・インターフェイス
(G.U.I)を越えた、
『エージェント・インターフェイス(A.I)』
という考えかたを持ちこみました。
でも、頭の固い部長たちは全然理解できない。
それで頭にきて途中で降りたことがあります。
それ以後、携帯電話の依頼はなくなりましたね(笑)。

昨年6月にappleからiPhoneが発売された際、
僕は雑誌『BRIO』(光文社)の連載に、
「21世紀がやっと始まる」と書きました。
僕も早速iPhoneを手に入れたんですが、今の日本では使えない。
アメリカでも200万台が売れたのに、実際は
80万台しか携帯電話としては普及していないんです。
120万台が中国にあるという話もあります。だからアメリカでも
iPhoneという文化が到達するには時間がかかるかな?という判断で
iPod touchを後から出しちゃったんだと思うんですよね。

日本は現在、携帯電話の分野では世界で第5位です。
海外だとノートに書いたものを、テキストなり画像なりにして
携帯電話に転送すればいいだけ。
デジタルペンもひっくるめた文明的な情報システムの解決と、
子供じみた携帯事情の文化的な解決をしなければ、
日本はもうかなり第1位になることはできないと思っています。
今、僕には世界的な大企業から「次のアイデアが欲しい。」
という相談が来ています。
日本の携帯電話も、この混沌とした状態を抜けだすためには、
僕に相談してほしいなぁ(笑)。

この投稿にタグはありません。


目次を見る

One Response to “artgene blog『デジタルペンその2』
~日本の携帯電話~”

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    1:03 AM on 5月 4th, 2016

    [...] *artgene blog『デジタルペンその1』 *artgene blog『デジタルペンその2』 tag: 25年, PAD, PC, アナログ的, スケッチ, スケッチ技法, スタイラス, スマホ, [...]


This entry was posted on 水曜日, 5月 4th, 2016 at 12:00 AM and is filed under artgene. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.