kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘アルミ’


『「DESIGN TOKYO」では台湾製すべてが5点入賞』


   


     6月 30th, 2019  Posted 12:00 AM



「DESIGN TOKYO」の審査をしました。
そして最終10点の現物審査を、発表前日審査員全員でやりました。
この10点中に「日本製」は2点のみでした。
この2点はこれが選ばれると審査委員が共通で選んでいました。
鋼を包むパッケージとスピーカーですが、
惜しくも受賞に至らなかったのには理由があります。
前者は、素材にアルミニウムが使われていました。
塩害も駄目、それこそ梅干しをアルミに押しつければ、
一晩でアルミが傷みます。
鋼のためには、それこそ下面には孔が要ります。
さらに重要なことは、
「スタイリッシュに持ち運ぶ」をうたう前提として
鉄砲刀剣類所持等取締法の刀剣類の基準に
慎重に対応すべきだということです。
後者については、周波数特性の表示がスピーカーシステムでは
評価ができませんでした。
私は、キッチンナイフもスピーカーも自分でやってきていますから、
大いに業界がデザインで盛り上がることを期待しています。
という訳で、「日本製」は悉く残念な結果となり、
受賞5点はすべて「台湾製」に決定してしまいました。
最近の海外のデザイン賞でも、「なぜコレが?」と受賞製品を見ています。
グランプリ含め5点の製品は、書道の文化、
アラビア書やアップサイクルの視点とともに、
現代技術も台湾がとっても勝っています。
国をあげて戦略としてデザインの教育あるいは支援が実っており、
一方日本のデザインは相当に遅れています。


目次を見る

『「聖火トーチ」はデザインで日本技術を発揮した炎と光』


   


     5月 9th, 2019  Posted 12:00 AM



「聖火トーチ」は、日本としての新しい製造工程、
新技術が求められました。
オリンピックに関わるマークはじめビジュアルデザイン、
競技場やトーチとデザインの力が戦後復興の
前回の東京オリンピックで発揮されたように、
今回の災害復興、五輪再興の力となるよう
デザイナーの一人として望んでいました。
「3.11での被災者」・「仮設住宅のアルミ」を再利用し、
インゴットにした押し出し成型から生まれる
桜のトーチが日本列島を縦断し、
その炎から光、同様に心をひとつにしてくれるでしょう。
デザイナーが望んだ花びらの「炎」を
ひとつの「光」変えるという難題に
向かってくれたのはたった1社の企業だったことを知りました。
デザイナーの細かな要望に、トーチ筐体の押出し成形に
挑んだメーカー担当者が果敢に応える姿がありました。
日本の希望の炎、その光のモノづくりに携わる人たちの、
約5年間にわたる精励恪勤なその成果が集結しています。
「炎と光」、技術提案の演出は彼の提案だけでしたので、
彼、一人が「センス」あるデザイナーでした。
聖火トーチは、その造形美、性能美、機能美だけでなく、
ランナーとともにつなぐ炎が光だけでした。
トーチキスの瞬間そして聖火台に向かうフィナーレと
その光で世界中にオリンピズム高鳴る熱狂を
届けてくれると、「新技術」に期待しています。
応募者たちの「デザイン知識」に愕然でした。


目次を見る

『技術革新以前の問題解決=デザインがある!』


   


     1月 13th, 2014  Posted 12:00 AM



「技術革新=イノベーション」は大間違いだと述べてきました。
それはイノベーションを提示したシュンペンターに戻れば、
一目瞭然です。だから、わが国の解釈が歪んだのです。
たとえば、4KTVが話題になっていますが、
これは「応答商品」にすぎず、TVメーカー業界の技術進化、
そのものが誤った方向に進もうとしながらも、これを、
デザイン職能=デザイナーが是正出来ないほど企業腐敗症例です。
少なからず私の自宅のTV環境は最も先進的だと自負しますが、
これらはほとんどが東芝とSONYと海外AUDIOで構成しても、
かつて私がEIZO(液晶TV事業撤退)でのデザインには及びません。
このペーパーモデル=製品提案と商品を見比べても明らかです。
すべからくTVデザインはTV本体裏面とリモコンデザイン、
この対照化をすれば、技術革新とデザイン解決、
すなわち、応答商品=市場意識と解答商品=真の実装技術が瞭然。
私のデザインでは、放熱口などありません。
すべてアルミでの放熱効果性とコードマネージメントと、
ディスクプレーヤー造形での可搬形態づくりまで昇華しています。
無論、このリモコンを超えられるモノは未だに存在していません。
したがって、東芝最高級品の液晶TV造形・システムも、
SONYの商品を付加し、なおかつオーディオは海外高級品です。
これらをくみ上げてようやく、私なりに納得せざるをえません。
真の「技術進化」を目指すなら、まず、デザイナー造形
この造形提案を技術回答から解答を造形実現の実装技術が必要。
こうしたことの意志決定できうる経営陣の能力、
特に、「美学的解決」知識不足、いや皆無性を指摘しておきます。
多分、こうした経営者は日常的にも「見づらいTV鑑賞」でしょう。
美しい高解像度の映像と音響を知ってほしいものです。
このTVデザインを「技術進化」の踏み台にしてほしいのです。


目次を見る

「正直な造形をめざすことは裏表無し」


   


     2月 3rd, 2012  Posted 12:00 AM


60年も生きていると人には裏表あり、明確です。
けれども自分は裏表無しの人間でありたいと思ってきました。
それは随分と失敗し、裏切られ、批難悪口の対象になりますが、
自分自身には極めて正直です。
まして、私自身は正面切って好き嫌いは明前とすることを恐れません。
これは他人を傷つけることしばしばであり、
敵を相当に持つことにもなります。
それでも構わないという姿勢と態度が正直さだと確信しています。
そしてデザイナーというプロフェッショナル性にも
明快にそのことが反映すると思ってきました。
その一つが、EIZOでデザインした商品FORIS.TV=作品です。
ほとんどすべての液晶TVの裏面は、
デザイン無しばかりでまったく美学性ありません。
デザイナーはもちろんエンジニアも怠けています。憎みます。
このTV背面はアルミですがコードカバーはプラスチックです。
アルミにするとその重量で、
取り外しの際、万一落としたときのPLでの安全性を確保しました。
しかし放熱孔など皆無で冷却可能ですから塵吸引防止にもなっています。
このデザインを実現してくれた技術陣は素晴らしかったと
今も思っています。
裏面を見事に設計することが現在どれほど放棄されているでしょうか。
それも企業の裏表があることを暗示しているはずです。
裏面デザインがこれほど精確であるというのは、無論、
正面デザインにオリジナリティが具現化するのは当然の成り行きです。
造形形態とは、「かたち」=形の態度です。
私はデザイン、造形デザインの終着点は
「かたち」の態度だと思っています。
そしてそれはデザイナー自身の造形態度と連鎖していると確信しています。
正直な、裏表無き態度がそのまま「かたち」表現に連続しているのです。
この正直な態度は、企業のあり方にも正直さを求めることになります。
ともかく、裏面は正面を着飾っていれば見えません。
だからこそ、見えない裏面まで
正直な美学性が必然であるべきと考えています。
裏表ある人間にどれだけ出会い、そして裏切られてきたことでしょう。
だから、人間より正直に設計されたモノ=人工物の方が信じられるのです。


目次を見る