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Posts Tagged ‘カートリッジ’


『色鉛筆でアナログ感覚を常に確認を繰り返す』


   


     9月 5th, 2015  Posted 12:00 AM

様々なスケッチ材料は趣味として収集しています。
最近ではもうかつてのようなスケッチツールは使わなくなっています。
それはすでにPADで描くことが主流になってきているからです。
でも、スケッチツールは所有しているだけで安心なのです。
だから現在最大色数の色鉛筆は未使用であり、眺めているだけです。
手描きでのスケッチメモでは色鉛筆は使っていますが、
むしろ今ではほとんどスケッチはPADになっており、
このデジタル感覚では、自分の手の感覚を忘れるので、
時折使わないけれどこの色鉛筆は眺めるだけ、
ちょっと描くだけで十分です。
この感覚は決して忘れてはならないものだと思っています。
そういう意味ではPADのスタイラスは落ち着いてきましたが、
この進化はまだまだ進展しています。
ともかく、これだけの色鉛筆を見るだけでも素晴らしく、
実際PADでも1677万色は使えるのですが、
それでも色鉛筆での確認は忘れてはならないと考えています。
私はもう一つ大事なのは「ペン回し」による手先の感覚であり、
半田づけもやらなければなりませんが、とても電子工作の時間がなく、
これはリタイアした後というのも幻想だと自覚はしています。
それこそ、オーディオでも最近はCDもほとんどハードディスク内です。
が、LPレコードプレーヤーを
倉庫から自宅に持ってこようかと考えています。
そうなると、3台とLP(ほとんど整理)とカートリッジなどになります。
結局そうなればスピーカーシステムも
そろそろ断捨離しなければいけません。
いわゆる終活を始めると決意はしていますが、
連日モノは増え続けています。
先般も、携帯型のFAXが出てきて、これまでの
ちょうどアナログからデジタル機器類を整理しなければなりません。
アナログ系に決着しデジタル系進化の機器も整理、
この思いの一大決着をしなければなりません。
が、やはり自分の感覚を活かすには、デジタルの根本であるアナログ、
それこそ色鉛筆はとても大事だと思っているわけです。


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『アレロパシーとして電磁波を制御せよ』


   


     6月 15th, 2015  Posted 12:00 AM

オーディオの世界からデザイナーになってきて、
まさか、私が電磁波の世界と親密になるとは考えてもいませんでした。
まず、オーディオの世界では、
電磁力の関係は、スピーカーシステムで学びました。
そして電磁力を離れるための技術はエレクトレットコンデンサー関連で
静電気と人体の関係で、ヘッドホン、マイクロフォン、カートリッジでは
電磁波とは別個の知識をエンジニアの人たちから学ぶことができました。
ヘッドホンについては、オープンイヤータイプから、ベロシティタイプ、
そこではおそらく今ではその職人は居ないと思いますが、
重箱ミシンと呼ばれる、針が水平に手元に向かって縫い付け作業をする
ヘッドホンのイヤーカバー=耳あてパッドづくりを現場で見ながら、
その形状デザインと製造性を職人さんたちから教わりました。
したがって現代のヘッドパッドを見るとすぐに不満足箇所が目につきます。
電磁波は可視光線では色彩論を教えるには不可欠の知識分野であり、
それは眼鏡フレームデザインと関係をもっています。
パソコンモニター・液晶TVでは、近赤外線を詳細に見ていけば、
プラズマモニターが如何に駄目かを知り、その発言は叩かれましたが、
プラズマモニターの製造生産そのものが淘汰し消滅してしまいました。
今、私をとらえているのは、深紫外線と近赤外線、そして超音波です。
いずれ、
こうした電磁波と人間の関係を実際の製品化から商品で紹介するでしょう。
そんなこともあって、ULTRASONEのヘッドホンは、
ドイツで電磁波制御を成し遂げてHi-Fi化を成し遂げてしまっています。
先般もMacBookで十分だと私は判断しましたが、
あらためて、
私は所有しているヘッドホンアンプとしても確実なシステムで試聴をし、
このアンプは、デジタル音源をUSBで取り込むアンプでは、
私の一つの試聴用ですが、
これで確認してみてもあらためて「凄い」の一言です。
どうして車・オートバイ・オーディオ・万年筆・カメラというは
エンジニアの人格が見事に反映するのかと思います。
そうなってくれば、ただ高額だからというだけではなくて、
価格帯で決定づけられる高級品にはその技術品格があります。
その技術品格でも重要なことは電磁波の見識だと私は確信しています。
このところ、大阪大学のフォトニクスセンターでの深紫外線は、
一方で人間界には甚大な損傷を与え兼ねないのですが、
デザインによってそれはまるで、
自然界で起こっているアレロパシーの応用だと思っています。


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『カートリッジの性能をさらにアップさせるために』


   


     9月 24th, 2014  Posted 12:00 AM

レコード再生ではカートリッジ性能がまず音の入り口として重要。
したがって特にオーディオマニアはカートリッジに詳しいのですが、
私はそのカートリッジに対して、リード線とヘッドシェルに注目して
リード線も、リッツ線とリボン線、その素材は銅線と銀線、
どれにも金メッキを施して、リード線の選択巾を増やしました。
明らかに、銅線でも、その線形状がリッツ線かリボン線かで、
音は明白に変わりました。それは音楽ジャンルと使い分けが可能。
音楽ジャンルは、東芝時代、特にモーツアルトのピアノ協奏曲は
耳で暗記させられるほど訓練されていました。
ともかく、ピアノほど周波数が幅広くあり、これを主体にしました。
入社するまでほとんどクラシック系は避けていましたが、
ほとんど教科書的に教え込まれていましたから、リード線を
全ての素材と線状形式で選択肢ある商品アイテムを完成させました。
さらに、ヘッドシェルもアルミ素材とまだ開発中であった
マグネシウム合金=超軽量で振動制御素材をおそらく最初に
シリーズ商品化できたと考えています。これはすでにAurex時代に
エレクトレットコンデンサーカートリッジのシェルで試用しました。
また、ヘッドシェルはネジ止めするのですが、その位置決めから
ネジを面止めする形式の形態にして、リード線も自由に選べました。
ともかく、私は当時のレコード盤に関わる商品をシリーズ化する、
そのブランド商品シリーズ化はトップクラス化を狙っていました。
この商品シリーズで世界的にも最初の商品化に成功したのは、
リッツ線だけではなくてリボン線、ヘッドシェルでの新素材、
しかもネジ止めを丁寧に位置設定用の目印方眼線も印刷。
マニアによっては、決定したカートリッジはネジ止めしてしかも
すべてを接着剤で接着固定しているカートリッジ12本には本当に
圧倒されたことがあります。
その当時のオーディオ評論家の批評では、彼らの能力がズバリ、
読み取って分類することまでできました。
真実プロの評論家を決定して、あとはインチキ評論家ばかりでした。
ともかく、こうした経験は今の私のデザインにつながっています。

「カートリッジデザインのフィニッシュワーク」


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『静電気、あたかもスタンガンでレコード盤から塵を取る』


   


     9月 20th, 2014  Posted 12:00 AM

オーディオ機器で徹底的なプロになるために、至極自然に、
私は「静電気」に詳しくなった気がしています。
東芝時代は、エレクトレットコンデンサー素子を、
マイク、ヘッドホン、そしてカートリッジとそのアンプが
私の東芝での最終仕事であり、最大のヒット商品と、
デザイン作品として成功したと思っています。
結局、チーフにだけ打ち明けておき、その他上層部には内緒で開発。
フリーになると、機器よりもアクセサリー関連商品で常に、
私はヒット作を考え出して、提案し、大ヒットを出していました。
この機器は、レコード盤と静電気の関係があるなら、直接に、
イオンを瞬時に高電圧をかけて中和することで、
静電気除去をとねらって開発して商品化しました。
ある意味ではスタンガンにほぼ近い電圧で低電流発生装置でした。
レコード盤の塵は瞬間的に取り除くことができました。
ともかく、静電気はすぐに塵やゴミをレコード盤上にありました。
したがって、カートリッジの針が塵にぶつかれば、
バチバチという音を拾っていましたが、その音ゆえに今となっては
どこか、アナログゆえの雑音あってこそ、S/N比があるからこそ、
ある種の安らぎだったのかもしれません。
デジタルにすっかり私自身は自分のオーディオ環境を変えました。
しかし、最近では、もう一度プレーヤーとこの機種は
どこかに持っていたので探し出して使ってみようかとさえ思います。
DJがレコード盤を激しく操っているのを見るのは、
正直、私には耐えがたい行動です。
レコードプレーヤーは今、DJにとっては一つの楽器になっています。
私にとって、レコード盤への追求はさらにまだまだ工夫をしました。
本当は作品集に残すべきでしたが、現物も写真の無いモノは、
このブログに書き残しておきたいと思います。
アナログと静電気の関係も、私には確かなデザイン経験でした。
そして、このところこのブログを書いていたら、
丁度その当時のレコードクリーナーがHPにあることを教わりました。
このクリーナーが最高の品質とデザインを完成させたと思っています。

「カートリッジデザインのフィニッシュワーク」
「SZ-1000・私のオーディオ最終作だから」
「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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「今年革新だった万年筆を再度確認」


   


     7月 14th, 2012  Posted 12:00 AM

パーカーの5thが発売になったときすぐに紹介しました。
なにしろ、筆記具はプロにとって、
重大で大切な道具であり、私の「意志のメディア」だからです。
「意志メディア」とは、思考結果だけではなくて、
筆記具グリップ感が、
意志を決定してくれる媒介であってほしいということです。
そして、今年度の文具大賞では、
プラチナの「インクが筆軸内で乾燥しない」万年筆が登場しました。
文具大賞の表彰式後にプラチナ万年筆の社長さんと立ち話をしました。
もっと高額で高級品も絶対に商品化してほしいこと。
日本の筆記具は世界的にも最高の技術的成果がありますが、
どうしても、海外の有名ブランドの十分の一価格です。
それには幾つかの「負け要因」がありますから、
その「負け要因」の話をしました。
呉竹の万年筆ペンも社長さんと話ができました。
今年はなかなかいいモノが出来ました。
これにも「負け要因」があります。
そして、私にとっては「スケッチが描ける万年筆」です。
パーカー5thは、どうしてもスケッチペンには不向きです。
まだプラチナには可能性があります。
結局はペン先・インク・リフィールそしてペン先の乾燥度合いが問題です。
かくなる上は、やっぱり自分のデザインで
世に問うことしか無いとも考えています。
パーカーは、万年筆風のペン先にこだわって、
リフィールを革新したことがポイントでした。
すでに、リフィールも、細字・中字・太字までそろってきましたが、
ペン先乾燥においては、まったく、プラチナには及びません。
プラチナもペン軸のデザインというより、
デコレーション=素材仕上げに高級感が望まれます。
この写真のような透明軸は「デモンストレーター」と呼ばれています。
大抵の万年筆ブランドには、
この「デモンストレーター」タイプアイテムがありますが、
プラチナはその筆頭でしょう。
しかし、この「デモンストレーター」タイプなら、
絶対にカートリッジやコンバータではないアイディアが欲しいのです。


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「カートリッジデザインのフィニッシュワーク」


   


     1月 13th, 2012  Posted 12:00 AM

おそらくカートリッジと言ってももう不明でしょう。
LPレコードを再生させるレコード針のことです。
写真は、東芝で最後の商品であるイコライザーアンプ用の、
エレクトレットコンデンサーのレコード針・C-400と、
フリーになって、
「ナガオカ」=レコード周辺アクセサリーメーカーの仕事です。
もう「ナガオカ」は消滅しましたが、
元社員の方々で「レコード針』販売は続いています。
「ナガオカ」の商品は今も専門店で販売されています。
「ナガオカ」は最初に私のパトロネージュになっていただいた企業。
だから、このシリーズは私にとって作品ですから、
全製品買い求めたいのですが、
おそらく100万円ぐらいになるほど高価な商品です。
もはや、レコードプレーヤーは使っていませんから、
持っていたレコード針はもうこれだけです。
ピッカリング、オルトフォン、シュアなど再現音が懐かしいです。
LPレコードファンは今なおマニアックにおられます。
私も「糸ドライブのプレーヤー」そしてその周辺機器で、
たっぷりと「アナログのレコード演奏」を聴いてみたいと思っています。
だからLPレコードもきっちりと100枚だけ残してあります。
今、CDもリッピングして整理、100枚だけ残して整理をしている最中です。
この写真の「ナガオカ」商品は、パッケージデザインでは
当時、肉厚成型で今はもう出来ないかもしれません。
Aurexはエレクトレットコンデンサータイプだけれど、
ヘッドシェル(カートリッジを取り付けている)は、
マグネシウム合金で一体成型、
よって、針先への振動を可能なだけ遮断することをめざしています。
車椅子になる直前と直後の仕事です。
つまり、性能を出来るだけ完成度を求めるために、
素材や成型加工に至るまで、本当に丁寧な仕事をしています。
パッケージ、ヘッドシェルいづれも、時々取り出して眺めていると、
現代の「モノづくり」は手抜き仕事に思えてなりません。
デザイン・生産設計・商品化まで、徹底的に性能から機能を求めました。
やはり、徹底的な「仕上げ」=フィニッシュワークはデザインの本質です。
デザイナーである限り、決して忘れたくありません。

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「SZ-1000・私のオーディオ最終作だから」


   


     12月 18th, 2011  Posted 12:00 AM

エレクトレット・コンデンサーカートリッジのイコライザーアンプです。
と言っても、分かる人は超オーディオファイルの人だけでしょう。
カートリッジは、レコードのピックアップ針であり、
その形式が静電容量タイプで駆動させるモノです。
その微少な電流をパワーアンプに送り込むための
プリアンプと考えていいでしょう。
30年前、東芝時代の最終商品となりました。
つまりこの商品を最後に車椅子になったために退職しました。
ところが今もオークションで
35000円(当時10万円)程度で取引されています。
実際にはエレクトレットコンデンサーの
カートリッジが無ければ不必要です。
このデザインは回路基板まで私自身が版下をデザインしています。
そして部品もすべてデザインし、
なおかつ実装内装までほぼデザイン意図を完全にさせたデザインです。
したがって、今も一部のマニアに収集されているのでしょう。
そこで、ここから何を読み取ってもらいたいかということになります。
それはオーディオだから、特に、電源や回路やコンデンサーまで、
すべてにデザインされていることによる
性能性と機能性があるということです。
このデザイン設計から、
たとえばヘッドホンアンプのあり方の基本が見えてきます。
私は自分自身がこのアンプデザインの経験から、
いかに製品デザインの部品とそのレイアウト、
そして部品設計の完成度を批評することが出来ると自負しています。
電源はグリーン・大地のエネルギーを表現し、
左右チャンネルアンプは、ホワイトで無色透明の音質感、
ボリュームによって、人間と機器とのつながり感を表出させています。
東芝でのこのデザイン設計が、現在私のデザイン原点になっています。

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