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『毛筆も万年筆も細軸だから可能になる運筆がある』


   


     8月 25th, 2016  Posted 12:00 AM



今、自分が細字とそのためのペン・筆はこれだ、というのがあります。
そして、紙だけではなくてiPad Proでの「書」で、
訓練をしているのがApple Pencilです。
筆と言っても、これはいわゆる面相筆ですが、
この毛筆の長さ一杯を使えば、中文字=Mまでも可能です。
これで自分は手紙を書いています。
宛先も毛筆で書くことが可能なほどですが、直径は4.5mm程度です。
万年筆はおそらくこれより細字=EEFといってもいいほど、
0.03という文字であり、システム手帳や日記帳も可能です。
面倒なのはインク切れになると、これ用のカートリッジに
インクはシリンジでしか入れることができません。
この万年筆も毛筆も軸は5mmもありませんから、
絶対にトレーニングが必要だと思っています。
通常のペン軸は、人間工学的には14mmで、
Apple Pencilは鉛筆の太さを意識したデザインになっていますが、
毛筆での漢字やアラビア文字には不適合だと指摘することができます。
したがって、カリグラフィーを意識したペンにはなっていません。
東京美術学校を創設した岡倉天心は
横山大観などへの訓練では「運筆」が基本でした。
この運筆は美大時代に徹底的に教えられたデザインストローク。
当時のトレーニングでは丸ペン・烏口を使っていました。
美大卒業間際にロットリングが登場して0.6mmと0.3mmだけが可能でした。
今では、0.03mm〜0.01までがすでに出来上がってきています。
スティーブジョップスがデザイン優先であった基本は、
カリグラフィーの素養があったからに他なりません。
運筆はデザイナーにとってはデザインストロークですが、
これでレタリングがセリフ体とサンセリフ体は、
定規なしで描き出すことが基本でした。
アルファベットでもスクリプト体になれば、毛筆になりますが、
今はパソコンで簡単に済ませている下手くそな文字やロゴタイプばかりです。
文字間隔にカーニングはとてもいい加減だということです。
書くことと描くことのためには、細字は毛筆では垂直にもちますから、
Apple Pencilも垂直持つことで、実際的にPad上での書が書けます。


* 『硯箱を整理しながら・・・』
* 「手を頭脳化するトレーニング=デザインストローク」
* 「スタイラスペンは、まだまだ進化が必要」
* 「ビジュアルC.I.ロゴタイプの基本はレタリング技能」
* 「デザイン基礎力の一つから現代社名ロゴをみると」


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『工業デザイン教育での「手」のトレーニング』


   


     9月 6th, 2015  Posted 1:00 AM



美大時代、レタリングの実習は本当に厳しかったのです。
デザインストロークは、当時は丸ペンで合格が出るまでであり、
私は9枚描いてやっと合格。一枚が18時間かかりました。
その後には、カーペンターペンシルで、
手描きでアルファベットを描きながら文字の構造=書き方を習い、
それを決して定規を使わずに
セリフ体・ノンセリフ体をCaslonからFutura
そしてScriptまでを合格が出るまで、
一年間徹底的にやることで、
水平・垂直、そしてヘアーライン調整感覚が身体化するまでやりました。
私は当時、それをもっと論理的に知り尽くそうと、
この本は高額でしたが、
読みあさって自分になんとしてもレタリング論理を知ろうとの想いでした。
従って、社会人大学(鯖江市でSSID・市長二人で17年間が3人目市長潰す)
大学人になってからもデザインストロークや、
文字構成やレタリング・ロゴタイプは実習で徹夜は当然にやらせました。
この授業が厳しいというので、親御さんからは苦情の電話までありました。
それには直接に私が応えました。
「承知しました。学生さんに私の部屋に来るように」と。
「どうする気なんだ」
「わが校は公立大学(名古屋市立大学芸術工学部)ですから、
即刻,退学届けをご本人に」、
すぐに電話が切れて、学生達にこのようなやりとりが合った旨を伝えると、
翌年からはこの授業には親御さんからの苦情はゼロになりました。
大阪大学大学院では、時間が限られているために、
この教育はもっと厳しく行いました。
大阪大学大学院では、全てをデザイナーにするつもりはなく、
JAXAや警察官僚まで様々に「デザイン」のそれこそ、
ロゴタイプやレタリングは「手」の訓練を最重要視しました。
最近、デザイン業界はひとくくりにされています。
決して、トレースなどといういい加減さはありません。
トレースとはレタリング手法で言えば
まずカーペンターペンシルでトレーシングペーパーに下書きをして、
その裏面を鉛筆粉で塗ってから、準備原稿に手で移す作業です。
トレースとは、PCを使ったコピー&ペースト作業ではありません。
レタリング・ロゴタイプをあくまでも「手作業」で訓練しない限り、
PC上でのレタリング=書体構成でも
カーニング=文字間隔の調整はできません。
少なからず、グラフィックデザインの最近のデザイン教育内容では、
工業デザインの「構造」は語れるわけがありません。


「手を頭脳化するトレーニング=デザインストローク」
「デザイン基礎力の一つから現代社名ロゴをみると」


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「資本主義からの逃走」
 「ビジュアルC.I.ロゴタイプの基本はレタリング技能」


   


     2月 12th, 2011  Posted 12:53 AM

デザインストローク訓練
美大時代、最も厳しかった実技実習。
それは「レタリング」でした。
デザインストロークという技術をマスターします。
フリーハンドでラインを描く手法です。
次に、カーペンターペンシル(平板の黒鉛芯)で、英文字を描きます。
英文字には筆順がありますから、これをマスターします。
今、こうした実習はなくなりつつありますが、
私はデザインストロークは必ず「デザイン基礎技能習得」として教えています。
工業デザインでは、英文字レタリングは何種かをフリーハンドで描けるように
徹底したトレーニングで鍛えられました。
私は下手だったので合格するまで徹底的に仕込まれました。
しかし、そのおかげでレタリングには画然たる自信があります。
レタリング技量
したがって、ビジュアルC.I.での企業ブランドのロゴタイプをデザインする技量の基本は、
トレーニングされた技能が必要だと確信しています。
最近では、PCのソフトで簡単に作成できますが、
その技能では、「レタースペース」=いわゆるカーニングとか、
「ヘアーラインバランス」=視覚補正が未完成なレタリングでのロゴタイプが氾濫しています。
私はいくつかの企業ロゴタイプもデザインしています。
あえて作品集や個展でも展示したことがありませんが、
企業ロゴタイプは、企業シンボルとしてその成長やイメージに直結しています。
ロゴタイプデザインは「手」で
私の経験値では、「企業シンボルとしての企業ロゴタイプ」は、
直感的に、このデザインでは、企業イメージ、企業C.I.としての成否判断ができます。
私はデザイナー育成教育の基礎として、
感性的な技量・センス訓練に、デザインストローク訓練はとても大事だと判断しています。
ビジュアルC.I.としての企業ロゴタイプは、PCを使わずに、
まず、ロゴタイプデザイン・レタリングの基本は「手」で生み出すべきだと考えています。


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