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『セザンヌ、ベラスケス、そしてゴヤ』


   


     10月 28th, 2018  Posted 12:00 AM



私は美大卒で最高だったこと、
水彩画がおそらく自分ではプロ級だと自負しています。
しかし、油彩には一度も接したことがありません。
その中で「曇り空の元では色彩、それも灰色がしっかり読める」という
セザンヌ自身の言葉はとっても大好きです。
私自身は北陸で育ち、北陸の空の鼠色から逃走しましたが。
さらに、ベラケラスでは「自分も絵に登場し、しかも依頼人を鏡で描いたこと」、
これが私の現代画の入り口になっていると思っています。
そしてここまで自伝的な文章での「ゴヤ」はなんと言っても私の座右の書です。
自宅のガレージの書庫にはいつもあります。
この書は、著者が20年ものスペイン滞在し、
日本人の描くイメージ、スペイン=情熱を変えてしまったのです。
実際にはとても高緯度であり、情熱の国と言われていましたが、
それは日本人のイメージでしかないのです。
ゴヤは宮廷画家になるまでは、様々な手練手管をはかり、
敵を決してつくらないなどをあらゆる手段を実行しました。
そうして彼はとうとうに宮廷画家のトップになってしまうのです。
もはや誰にも文句をいわれないこの宮廷画家の立場で、
とんでも無い芸術の画面を創り出してしまいます。
やっと画家が本来の人間の醜さ嫌らしさまで描きあげました。
画家がジャーナリズムを創るというゴヤの芸術は、
画家の社会的意義をも創出したのです。


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