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Posts Tagged ‘ソーサー’


「プラチナ・ミラーリングのティーカップ」


   


     3月 23rd, 2012  Posted 12:00 AM


有田焼はこの2年研究をしてきました。
それは日本の陶磁器産地、その現状をしっかりと確認したことになります。
コーヒーカップの製品化を、
今度はティーカップにも新たな展開デザインを試みた結果、
Platinum Morphological Reflectionという手法で、
基本的な3パターンを押さえました。
ドット・ストライプ・チェックというグラフィックです。
そして、PMRはAnamorphosis的にどこまで可能かを追い求めました。
コーヒーカップもソーサーのグラフィックが
ミラーリング的に反射効果をしますが、
ティーカップは、曲面や曲率から、
正当な反射になるようにするためには実験をしました。
結果、デザイン設計として産地にグラフィックも提供し、
その基本となる釉薬から焼成での平滑度を
製陶工程に組み込むことがやっと出来ました。
講演前夜にその確認をするということになりましたが、
もし、私なりの評価が私の基準に達しなければ、
産地側にも決断をしなければと思っていましたが、
デザイン仕様どおりにモデルは完成していました。
そこで、詳細な工程も含めて講演内容に、
PMR-Methodの話を盛り込むことが出来ました。
その夜はうれしくてうれしくてたまりませんでした。
しかも宿泊したのが「嬉野温泉」でした。
まさしく地名どおりに
「お湯につかれてウレシーノ」を実感した次第です。
有田と伊万里は磁器産地であり、唐津は陶器産地です。
三つの産地の現在の商品価値は、国内外と比較して見てきました。
これは今後、
日本の陶磁器産地すべてに共通する問題を私なりに提案し、
なおかつ国内各産地毎の解決を求めたいと思っています
CGで見ていただければ納得してもらえると思いますが、
多分、この手法を模倣することは困難です。
そして、
陶磁器業界も模倣を繰り返すことで発展してきたはずですが、
私の判断評価は、
この400年ほど「陶磁器産業の高密度化」は停止していたと思います。
絶対に「革新」がかなった商品開発ができたと自負しています。
まだ次々と革新的な手法を国内、特に有田から出発させる覚悟です。


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「国際的な加飾ディフォルメゆえの標準品」


   


     3月 14th, 2012  Posted 12:00 AM


デンマークの有名陶磁器ブランド・ロイヤルコペンハーゲン。
このメーカーの商品には、
伝統的でありかつ世界的な標準品になっています。
中でも著名なモノは「ブルーフルーテッド」シリーズでしょう。
加飾されているのは草花のディフォルメであり、
陶磁器としては最も簡潔なブルー色を基調色としています。
ボーンチャイナへの釉薬としての青は
とても率直な釉薬として酸化性の標準的な管理が容易です。
果たしてこのシリーズがなぜ、
国際的な標準品なのかを確認しておく必要があります。
ポイントは、コーヒーカップ、ティーカップは、
口径や高さ、そしてソーサーとカップの関係は伝統的です。
この伝統性に、安心感があります。
加飾された草花のディフォルメ模様は
すでに一般的な認識性は獲得済みです。
ディフォルメされている描写性には
正確性が無いことも標準化容易いのだと思います。
そして、この商品は贈答品としての品格があります。
日常的に陶磁器は割れますが、
その補充性は世界中どこでも可能という流通性を持っています。
しかし私の予想では、
この商品はすでに「問題児商品」への傾向が生まれています。
したがって、加飾ディフォルメはそのままに、
色を青から黒などへと展開を始めています。
つまり、この製品はデンマークという
モダンデザインが一般に最も普及している社会性に支援されていますが、
このブランドの将来性は
いかに革新されていくかを注視していくべきでしょう。
私は、そろそろこうした陶磁器のデコレーション=加飾性や、
陶磁器材料が革新される時期が来たと判断しています。


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「モダンデザインによる製造の完成度アップ」


   


     3月 10th, 2012  Posted 12:00 AM


コーヒーや紅茶のソーサーとカップ、
その寸法、容積の伝統的ルールをモダンデザインは解放をめざします。
しかし、瞠目すべきことはモダンデザインの本質表現があることです。
伝統的な形態の容積ルールを乗りこえるためには、
中心的な機能に注目します。
それは、手に持ったときと熱さの問題、
唇とカップとの接触面を改善して機能的な完成度を求めます。
すでにこの作品(INOX)は20年程前に製造中止になってしまいました。
このメーカーはケットルが今もモダンデザインを追求しています。
このデミタスカップとベースはステンレス製ながら、
カップ構造は二重になっています。
そして、飲み口部分の精微な仕上げは手仕事です。
したがって、とても製造コストは市販価格を支えきらないでしょう。
だからもうこのような製品は商品にはならないのです。
しかし、デザイナーは今一度、こうしたモダンデザインの極み、
すなわち、素材・形態・仕上げを学び直すべきと考えます。
カップとソーサーの伝統的なルールをモダンデザインは解放していますが、
主機能としての飲みやすい温度、保温性能、素材など、
その最終仕上げによる製品完成度の質が見事です。
今や経済動向は世界的にもデフレ傾向です。
完成度をミニマムなシンプルな形態に追求するモダンデザイン的な手法、
そうした手法や理念は市場価値を失っているかもしれません。
あらためて、ユーザーの所有価値観と使用価値観によって、
製品価値のあり方の見直しが必要だと思います。
私は、このステンレス製のモダンデザイン、その製品完成度こそ、
デザインの本質があると思っています。


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「カップとソーサーの関係は文化の基本」


   


     3月 9th, 2012  Posted 12:00 AM


文明とは飢えと寒さから身体を護ること。
だから、「器」と「着物」が文明の最初の発明でした。
そして「器」は形態的な進化をしていきます。
やがて「器」形態が文化を生み出すことになります。
その実例の一つに、コーヒー文化、紅茶文化、日本では茶道になります。
さて、
コーヒーと紅茶が西洋文明の中で文化になっていく基本がありました。
「紅茶」は高温ゆえに、一度はソーサーで温度を下げました。
そしてティーカップの口径は
コーヒーカップより大きめで高さも低いわけです。
このソーサーの容量とカップの容量は同量だったという寸法基準が、
文明から文化へとつながっていきます。
ところがこの基本を現代はすっかり忘れています。
特に、コーヒー文化、紅茶文化を輸入した国々、日本などは顕著ですが、
カップとソーサーの同量容積関係に精通していない結果、
ティーカップ、コーヒーカップ、ソーサー性能を表現していないため、
国際商品にはなりえなかったと判断することが可能です。
特に、日本の陶器(粘土が土成分)産地の
コーヒーカップやティーカップのデザインは基本的に間違いだらけです。
若い頃、このことを陶器産地で相当に話をした結果、
私はその産地に出入り禁止になった経験があります。
無知識さな陶芸作家ということで、
「先生」と百貨店から呼ばれ
醜悪な作品を造っていた人から受けた屈辱でした。
そして、日本の茶道、特に「家元制度」がかえって、
本来の茶道たる文化を破壊している実例も存分に知っています。
なぜ、西洋文明の「器」が、文化としてのカップとソーサー、
それぞれの容積性能があったのかは重大な智恵の核心です。
モダンデザインによりその基本は解放されました。
しかし、ロシア・アヴァンギャルドでは遵守されていました。
茶托的なソーサー形態を創出するには、
こうした知見をデザイナーは深めるべきでしょう。
私の、陶磁器でのカップ・ソーサー、
モダンデザインでのコーヒーカップの収集ポイントには、
この文明としての「器」から、
文化としてのカップとソーサーへの研究心が核になっています。
私は、この基本を絶対基準として陶磁器デザインに向かっています。

*ロシア・アヴァンギャルド(MoMA収蔵品レプリカ)・KAWASAKI Collection


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「陶磁器はモダンデザインの枠組みから解放したい」


   


     2月 18th, 2012  Posted 12:38 AM


陶磁器のデザインをやりたい。
だから、収集もしてきました。
そしてここ数年は本格的に調べながら、
製品開発と商品化に取り組んできました。
特に、伝統工芸産地の特色を見極めようとしてきました。
なんと、伝統に呪縛されているのだろう、
それは海外も同様ですが、
いわゆる有名ブランドであっても全く変貌も革新もしていません。
装飾的陶磁器をデザインしたと今でもそう思っている産地ばかりです。
万一革新されていると言っても革新性もすべからく枠にはまっています。
私はもっと根本から革新したいと思っています。
コーヒーカップとティーカップをまず商品化します。
産地は有田焼です。
だから、まず根本的な装飾を変革します。
それは、有田の釉薬を新たな素材感に変えました。
試作はまだまだ納得できませんが、
予定どおり3月に有田で発表するつもりです。
陶器と磁器の違いも今では人々に分からないのが現実です。
有田の青・赤は、すでに海外ブランドの発色性には追い抜かれています。
デザイン界の有名大先輩も、
モダンデザインということで一つの表現は極められました。
だからこそ、私はこれを「裏切る」ことが当然だと考えています。
もっと明確に言い切れば、確かにモダンデザインの歴史的作品であっても、
結局、デザインの本質から見れば、「伝統」とモダンを融合させれば、
デザインでは無かった、つまり問題解決は皆無だったのかもしれません。
さらに日本では、
特にティーカップとソーサーの伝統的関係性は見落としてきました。
そのことも伝えなおしたいと考えています。
海外ブランドさえ出来なかったことを成し遂げることになってきました。
陶磁器にはまだまだこのような表現手法があったのかということ、
それを全国の陶磁器産地はもとより、
海外の有名ブランドにも、
伝統と思い込んでいることの間違いを作品でモノ語るつもりでいます。
発表は3月中に佐賀県、有田焼きの現場に行って発表します。


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11月19日Staff Blog


   


     11月 19th, 2009  Posted 7:37 PM

11月19日

BOSS(川崎和男)のコレクション、
ロシア・アバンギャルド
コーヒーカップ&ソーサーです。
Nikolai Suetinのデザインです。
典型的な図案や色彩構成。
BOSSから、コーヒーカップと
ソーサーの関係をこれで教わりました。
カップに注いだ容量を、
ソーサーで同様のバランスで受ける
ことができます。
この関係、このバランスが
美と理にかなったコーヒーカップと
ソーサーなのです!
カップに水を7分目程を注ぎ、
それをソーサーに移しても、
やはり7分目程の
ボリュームで受けています。
しかし、最近のデザイナーで、
この法則を知っている人は数少なく
形式の間違いが氾濫しています。


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