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Posts Tagged ‘チタン’


『二人称のデザインをめざす超軽量と収納性の車椅子開発』


   


     10月 31st, 2016  Posted 12:00 AM



「哀しみにデザイン」というプロスペクタスが実働の車イスになった時、
それは「スニーカーのような車イス」になりました。
車倚子をデザインするために、イス・倚子・椅子、
これらの歴史を知りました。日本にもこの歴史はありました。
車イスを見つけ出したのは、シェーカー教徒の生活家具の中でした。
これは自分のデザイン、特に、その造形力を見直す大きなヒントになりました。
そして、このデザインを支えて貰えたのは、
チタンやローホークッションなどの素材いろいろに出会えたことでした。
この車イスで、毎日デザイン賞はじめ、永久展示品になったり、
世界での有名なデザイン賞を数多く受賞できたことでした。
それこそ、MoMAでの展示では決まって日本代表には、
この車イスと敬愛する倉俣史郎氏のハウ・ハイ・ザ・ムーンでした。
しかし、50歳を超える頃から、自分の体には変形が起こり始めるとともに、
電動車イスが必要になり始めました。
幸いにして、美大時代同級生の光野氏は、でく工房・無限工房、
そして、スウェーデンの車椅子企業パンテーラ社の日本法人社長になり、
さらには、シーティングエンジニアリングの権威者になっていました。
「椅子」というのを常用漢字にしたのは光野氏であったことも知りました。
実際に車イスに乗り、デザインもした自分と、
美大時代同級生の我々が辿り着いた、おそらく最期の仕事が
電動車椅子の開発になりました。
すでに国内外には、様々な電動車イスが登場していますが、
我々には、真の車イス、そのあるべきデザイン方向が明確に見えています。
まず、「超軽量」であること、「収納可能」であること、これは絶対条件、
最新の技術仕様とデザインのマッチングが見えています。
そのデザインに今二人でとりかかっています。
私のため=一人称に、あなた=光野にも必要ゆえに二人称の車椅子です。
おそらくそれは「スニーカーを超える」車椅子にしたいと考えています。



* 『モダンデザイン源流を自分デザインにしてはならない!』
* 『「座る」・人間工学からシーティングエンジニアリング』
* 『座姿勢の複合制御性能とその機能化からのIoMeT』
* 「緊急課題になった『リトルネッロ論』の再考と具現化」
* 『昨日大先輩は旅立たれた・栄久庵憲司氏から私の評価文』


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『難問解決の大ヒントは「素材」開発デザインの美です』


   


     5月 25th, 2016  Posted 12:00 AM



自分にとってデザインはまずは問題解決をねらうことですが、
その答は常に、「応答」・「回答」・「解答」があります。
そしてそのそれぞれは「美学的」であることが一番です。
プラトンの言葉にも、
答に迷ったなら「美しさ」が第一というものがあります。
真・善・美の中で美だけをよりどころにしてきました。
したがって、答える条件として「素材」を新素材化しなければ、
「美しいモノ」としての
それこそ難問解決の解答は無いと確信してきたのです。
一昨日は素材メーカーと会い、昨日はメガネメーカーと会いました。
今最も取り憑かれているのは3Dプリンターで
「素材」そのもののアウトプットです。
かつて、福井にもどった時にメガネフレーム素材は、
ようやくチタンに気づいた時でした。
それはオーディオの世界から10年遅れていました。
とてもエンジニアリングプラスチックなど気づいてもいませんでした。
まだヘッドホンが300gの時代に、
エンプラ(エンジニアリングプラスチック)で
150gを実現しヒットさせていましたから、
エンプラメーカーを福井に呼びました。
しかし、当時はやっとチタンであり、
エンプラの提案などは全く採用されない有様。
もう30年になりますが、
ようやく3Dプリンター成果での素材がドイツで受賞になり、
これからこの世界が必ず拡大していくはずです。
しかも、この新素材は生体適合性を持っていて、
アレルギーもなく、殺菌も可能です。
新しい素材に触ると未来の「美しい解答」が見えてきます。
それは商品アイテムをもっともっと見せてくれるのです。
今や、車から手術機器、さらには素材の細胞化までが
おそらくデザイナーが最も関与することになるはずです。
ちなみに、メガネは「サバエ」というより「フクイ」の技術が一番です。
最先端は「フクイ」が成し遂げ、
その下請けが「サバエ」だと強調しておきます。

*『素材=ボロンとダイヤモンドですでに開発していた』
*『ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり』
*『「瞬感」SHUNKAN=液晶サングラスを実現しました』
*『I seeの世界観』
*『商品が記号となった実例・私の体験と確認』


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『浴室のシャワーイスを変えました・自分がデザインすべき』


   


     3月 23rd, 2015  Posted 12:00 AM


28歳で車イス生活になってからは、浴室の問題が一杯ありました。
まず、浴槽に入ることは不可能ですが、
一時はドイツ製電動の移動機器を使ったこともあります。
それから、出張用にはチタン製でトイレに座ってシャワーや、
今ではできる限り、組み立てのシャワーイス使用可能ホテルを
国内外に確認をして使っています。
自宅では、これまでドイツ製のシャワーイスを使っていましたが、
ようやく日本製でも、ここまで気づいたシャワーイスです。
無論、これが充分ではありませんが、
正直、市販されているシャワーイスは全てがダメです。
シャワーイスが時折、コンペで入賞しているのを見ても、
肝心要なことがすべて見落とされています。
シャワーイスをやはり自分がデザインすべきだと思っています。
そのために、これまで購入してもダメなモノは捨ててきました。
おそらく浴槽のデザイン、いや浴室そのモノをデザインすべきです。
それでもとりあえずは、
このデザイン意図=造形言語条件は整えていますが、
私が求めているのはある素材です。その進化を見つめています。
しかし、とりあえずはこれまで10余年使用してきたドイツ製、
これしか自宅用はあり得なかったのですが廃棄しました。
これから自宅はこのシャワーイスを使ってみて、
大丈夫であれば、その他の仕事場にも使うことを希望しています。
写真右のように股間シャワーが可能であることは必須です。
しかし、背あてはまったく異なる素材で工夫をしています。
ともかくなんとしても私デザインのシャワーイスをデザインします。
それまで、このシャワーイスを可能であれば、
折りたたみ、組み立て方式立て方式であれば、
国内でレギュラーのホテルには配布しておくべきかと考えています。


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「鎌倉時代名刀と江戸時代名刀を語り合う」


   


     10月 12th, 2014  Posted 12:00 AM



東京で打ち合わせ後に、有名ホテルの地下ショッピング街に、
「日本刀ショップ」があるというので、
本当に40年ぶりに「真刀身」を見に行き、
とうとうショップのオーナーと閉店まで話し込んでしまいました。
実家には3本「真剣=日本刀」があったと思います。
それは、中学時代高校時代に、父は「日本刀の販売市」に、
私を連れていきました。ともかく当時は美しいことを知りました。
時折、父が刀の手入れをしているのを見ると「出なさい」と言い
「見るのだったら、近づいては駄目だ」と言われました。
自分が真剣を初めて握った感触はひたすら「ゾォー」としましたが
それは鳥肌たち、畏敬というか、自分にはふさわしくないと
刀が静かに怒号を私にぶつけている感覚でした。
そんな話で刃物づくりに話が弾みだして話し込んでしまいました。
いわゆる今、流行しているダマスカス鋼のモノ真似表現では、
米国のハンティングナイフが日本刀のモノ真似だったことに同意見。
ダマスカス鋼文様は、肌打ちと呼ばれ下劣な日本刀でした。
その歴史性に無知なデザイナーは、こぞって包丁に採用し、
マスコミももてはやす有様は、日本美を全否定しているのです。
私は、海外の大使館入り口には必ず日本刀があるべきと言うと
まさしくその通りであって、日本の国宝の半分は日本刀ということ。
日本人が日本刀真剣の美学性を失っていることを述べられました。
鎌倉時代、殺人刀はまさしく殺人刀であり、
江戸時代は決して刀を抜くことが不可能であったかを知りました。
月光の刀身と太陽の刀身を教えてもらいました。
そして、刀の手入れとは、「自己を見詰めるだけの行為」とか。
そうだったのか、父は煮えたぎる想いや自己を照らし出すために、
刀身に向き合っていたから、私を部屋に入れなかったのか、
自分を見つめ直すために,私は部屋の片隅から遠くの父を見ていた。
鎌倉時代の名刀は、刀身刃にはチタンがコーティングされている、
そんなことを鉄鋼大企業の研究所で判明したけれど、
どうして、その時代にそれが実現出来たかは全く不明不思議。
日本刀の完璧な美学性は束から刀身、鞘、組紐に至るまで、
その再現すら不可能になりつつあるとのこと。
私は、やはり、次世代の刃物職人たちにはこの話を
確実に伝えなければならないことを思い知らされました。
そして、幾人かの有名な作家や俳優がどれほど詳しく、
どれほど、時代劇殺陣がインチキであるかを知りました。
昨夜、そのホテルの鉄板焼きコックさんの包丁が駄目かを
その場で語って、日本刀のビッカース値硬度が
日本が世界一で最高かを語ったばかりでした。
陰と陽の刀身光を実刀身で教わることができました。

「*棒鞘の日本刀・日本の美学*」


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『素材=ボロンとダイヤモンドですでに開発していた』


   


     9月 25th, 2014  Posted 12:00 AM



私は自分のデザイナー経験で最も中心的な開発は、
「素材開発とそのデザイン」だったと思っています。
最近の仕事もほとんどが新素材開発に最も注力しています。
その新素材は、オーディオ機器開発で学んできた賜です。
おそらく、デザイナーにとって多種多様な素材は、
オーディオ機器、カーデザインで最も学ぶモノだと考えます。
オーディオ機器は、自然素材の木材から繊維はスピーカーで学び、
プラスチックもエンジニアリングプラスチックにおよび、
軽量で内部比重や高密度性などでは当然チタンからマグネシウムまで
それらが、最も明確に試されるのはカートリッジでした。
現在も超軽量で丈夫さや振動制御ではボロンがあります。
だから繊維の新素材はボロンを訴求しています。
チタンなどが新素材というのは、私が30年前にメガネデザインをして
とても遅れていることにびっくりしたぐらいです。
エンジニアリングプラスチックにさえまだメガネは至っていません。
ジュエルトーンのカートリッジでは、カンチレバー部にすでに実用し
しかもチップにはダイヤモンドを使っています。
当時、私はヘッドシェル筐体に厚みあるトップデザインをして、
カートリッジ筐体に振動を抑えてシェル取り付けも最大面積を意図。
結果、カートリッジ内部ではまったく振動系を断ち切りました。
そして、カンチレバーでの針圧制御に苦心して理想形態をデザイン。
それでも当時の針先チップにはゴミ・チリが残りました。
そのために、レコード盤センターには自重器にクリーナー布地で、
レコード針を降ろす寸前に、チリ取り作業までを考慮していました。
レコードから音を引き出す工夫は、心遣いと新素材開発を
ほとんど同次元で完成させるデザイン=問題解決をしていました。
だから、今もデザインをスタートさせるときには、
まず、現状の素材を一新できないかと、その開発から始めています。
その当時は、内部構造も私がそのレンダリングまで描いていました。


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『「瞬感」SHUNKAN=液晶サングラスを実現しました!』


   


     5月 20th, 2014  Posted 12:00 AM



メガネフレームのデザインに取り組んで30年になります。
私が理想とするメガネは、目の前の空気の屈折率を変えること。
生体眼球の網膜に投射するのは間違いだと思っています。
そのために懸命に開発をしてきたのは、
フレーム素材の超軽量化でしたが、まだ実現していません。
この素材が何かについて気づいているメーカーは無いでしょう。
素材メーカーに申し込んでいます。
フレームデザインを始めた当初、チタンがようやく産地で、
認識されて地場技能を向上することが目標でしたが、
オーディオ素材のチタン技術から10年は遅れていました。
さらに、レンズを液晶化することでした。
これも当時の論文では40mmが必要でしたが、液晶の進化は、
とてもめざましく、ようやく私が考えているスカウターや、
まず、ドライアイ対策メガネから、このサングラスに至りました。
最近メガネはウェラブルPC化を目指してしますが、
光学系ではもっともっと進歩が必要だと思っています。
液晶レンズでのドライアイ対策メガネは評価を受けています。
安易な100円ショップでのブルーライト軽減メガネは、
本来のドライアイ対策を無視しています。
そこで、この液晶レンズでのサングラスを実現し商品化しました。
「瞬感」=SHUNKANは、これからさらに成長させるつもりです。
あくまでも普通の黒縁メガネから出発させますが、
今後はメーカーと、考えつかない新素材での表現をめざします。
液晶への電力供給は今はまだ電池を使いますが、
これも新規な手法を考え出すことが私の宿題です。
ドライアイ・紫外線対策は緊急の視覚補正での問題です。
液晶レンズで、ドライアイ対策メガネとサングラスメガネを
ようやく商品化できました。
やがて、これらを基盤にウェラブルPCのメガネになるでしょう。
そういう意味では、現在のメガネデザイン、そのコンセプトは
まだまだ知的で生体的な科学性が必須だと思っています。

「瞬感」
『「瞬間から瞬感」の連鎖と停止を製品開発に向ける』
『流行の安易なデザインを全否定する正当なデザイン』
『本当のモノは信じられることにつながる』
『PCメガネはドライ・アイ対策でなければいけない』
「ブルー青色へのヒューマン・ファクター問題」


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「3Dプリンターの素材と成型精度」


   


     4月 26th, 2013  Posted 12:00 AM



光造形システム、私は17年携わってきて、
最初は紫外線レーザーが半導体レーザーに変わりました。
そして、エポキシ系樹脂も、
最初の湿度管理と装置からとても簡便になりました。
素材も、特に医療系は光造形データはシリコン系でも、
ほとんど内臓器官同様の柔らかさで「手術前シュミレーション」にまで、
使えるようになりました。
そして、今、阪大ではデザインのモックアップと
医療関連のスキャナデータを再現するのに使っています。
最大の問題は「造形サポート」設計がデメリットでした。
ところが、3Dプリンターでは、
2000分の1まで回路造形では可能になってきました。
しかし、私は「素材問題」はまだまだ開発が望まれると考えています。
チタンとカーボンもありますが、
カーボンは粉末ではなくて、やはりテキスタイルとしての繊維状成型です。
とりあえず、画像表現されている素材毎の成型は可能になっています。
しかし、私はこの素材提案には新たな感性が必要だと思っています。
何が3Dプリンターの素材かというと、
これまでの素材開発メーカーでは無理がありそうです。
現在私が必要と考えている素材は●●●です。
これは提案されてから具体的な応用範囲が限られていたから無理でした。
しかし、私には目論見があります。
なんとか、素材メーカーに具体物を持ち込んで説得しなければなりません。
画像は海外で試行された素材ですが、
これらの欠点はすべてがソリッド=塊です。
これは光造形がソリッドで考えられた頃と、
同次元の発想が残存しているからです。
3Dプリンターはサポートが無いだけに、
2Dへの吹きつけそのものを変換すべきだと考えています。
ただ、大きな問題は、これからの成形物は、
なんらかの清潔感や耐菌性や耐放射能までが考慮されるべきです。
まずは、「素材、その射出形状のデザイン」が基礎になるべきでしょう。


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「ブランドが新素材カーボンに取り組んだとき」


   


     9月 28th, 2012  Posted 12:00 AM



カーボン素材は、歓迎された割には展開が稀少なモノです。
私も車椅子の開発ではカーボン素材と相当に格闘した経験があります。
カーボンは、確かに「夢の素材」とずーっと言われてきた割には、
製品展開が限られています。
当然、このブランドはいち早く、ビジネスバッグにしました。
平面的な取り扱いで、その裏面処理は困難だったはずです。
しかし、このブランドならではの皮革が、
バッグ内面に接着と縫製で見事に仕上げています。
おそらく、ビジネスバッグの中でも、
最高級品・最高価格のモノにならざるをえなかったと考えます。
製品開発においてデザイナーの希望は常に「新素材」を選ぶことです。
そして、たいていは諦めを余儀なくされます。
理由は、とても普及価格になるはずがありません。
たとえば「チタン」、
これは軽量ですが、表面処理が限られ、しかも溶接となれば、
それだけの製造工程を新設と技能が要求されます。
たとえば「マグネシウム合金」、
これも、生産工程での発火対策が完備されなくては不可能です。
たとえば「ボロン」、
これはあるべき素材と言われながらも、
未だに大量生産されても「何に展開可能か」という発想が不足しています。
よって、存在しない素材と言ってもいいでしょう。
そうなると、カーボン素材をどれだけ高額商品になっても、実現できうる、
それが「ブランド力」そのものを証明しています。
もう一回り大きいサイズがありますが、ほとんど限定生産でした。
今でも、カーボンとなれば、その商品は限定されていますが、
その最終仕上げは、
このバッグを超えているモノは皆無といっていいでしょう。
このバッグは相当に使ってきました。
結果、一度、ヒンジ部位が壊れました。
修理に出してみて理解できたことは、
まるで新品のごとく
不具合な要求していないことも完全に修繕されていました。
「ブランド力」とは、たとえ高額商品になったとしても、
市場を必ず持ち得るユーザーを見込んで
「企画製造・計画製造」が出来るかどうかでしょう。
私の体験では、エンジニアの理想を展開して、
最高価格帯商品を発売したところ、それは予測以上にヒットしました。
それも「新素材」を選んだ製品開発の結果でした。


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