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Posts Tagged ‘ヘッドホン’


『体内音が解説してくれる、聴診器にもっとデザインを』


   


     5月 24th, 2016  Posted 12:00 AM

「衣・食・住」に対して「医・職・趣」を提案しましたが、
この提案の図解ブログは人気がありませんでした。
ブログのユーザーアクセスを読み解くことで世情人気を
明確に把握と理解することができます。
同様なこととして、身体の内部には様々な音が存在します。
それぞれの臓器や血管・呼吸の音を
いわゆる聴診器で聴きだして、
身体内部での異変を読み解くことが出来ます。
米国の医学書籍の書店では「聴診器」での判断根拠となる
その音のサンプルが
商品として売られていましたが、
国内の書店ではそういう経験はありません。
聴診器という発明は文明の利器でした。
昔はチェストベース(患部へ当てる)と
イヤーピース(耳に挿入する)が象牙であって、
それだけで診断をする名医がいたものです。
ヘッドホンをデザイン対象にしていたこと、医学系を学んだこともあり、
聴診器はほとんど触って聴いて見てきました。
それこそヒューレットパッカードが製造していた聴診器があったこと、
これはほとんど知られていませんが、
ゴム管が二本のモノはなるほどと思います。
しかし、最近では電子式が出てきていますがそれを使用しているドクター、
それほどのドクターは居ません。
また徹底したデザインが採用されているとは言いがたく、
カラフルな聴診器を指して、
デザインされているというセンスは大間違いです。
人体内部の音は、臓器、骨格への刺激、血管中の流動音など、
もう一度デザインによる問題解決が必要な分野です。
電子式聴診器では、とても精密な音が身体から聴こえてきます。
今や、聴診器は死を確認するだけの道具、
医師と判断するシンボルにすぎません。
ドクターはオーディオマニアであってほしいと思います。

*『書店の存亡・バーンズアンドノーブル』
*『災害時の衣・食・住・医・職・趣その不便と不安の解決』
*『看医工学としての介護のコンシリエンスデザイン』
*『ゴジラというアンプ思想はアンプジラ2000に継承』
*『講演テーマで最近もっとも多い医学とデザインの「範」』


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『貧しいモノづくり・イヤーホンで確認可能』


   


     2月 18th, 2016  Posted 12:00 AM

私はオーディオの世界に入り、しかもデザイナーになっても
デザイン対象はオーディオ機器を選びました。
これ自身、私は人生で最高の出逢いであり、
プロのデザイナーとなっていくにも素晴らしいことだったと思っています。
今ではオーディオはすべからく趣味の世界になっていますが、
音響空間は自宅から車に至るまで、
私は絶対に最高級であることを熱心に求め続けてきました。
だから、ワイフにはきびしくチェックされていますが、
ワイフ自身、自宅のHi-Fi空間になじんでいるために、
自分のイヤーホンも、結局は最高級品を知識なく選んでしまっています。
このところ、私はドイツのベンチャー企業から生まれた
電磁波を防止したヘッドホンにすっかり囚われていました。
もうヘッドホンでコレを超えるモノは無いとさえ思っていました。
そこで、インナーイヤーホンが気がかりとなり、
随分と投資もしてしまいましたが、いい加減にその結論をと考え、
その結果が、
イヤーホン自体が再生周波数帯域はどうしても18Hz~19.5KHzであり、
これを基本にして、ヘッドホンアンプ・iPhoneとのケーブル、
さらにイヤホーンケーブル、この3点がどうしても必要、
あるいはケーブルの問題は絶対にある、というのが
私の結論になりました。
オーディオ関連にしろ、電気関係でも、エンジニアが絶対的に、
どうしてもこの仕様を満足させたいということがあります。
かつて、最高の設計を実装してさらにそのスタイリングを決定することで
商品化したとき、それは大変な高額商品になりましたが、
技術的な最高峰はすんなりと受け入れられたことがあります。
イヤーホンであっても
「ただ音が鳴っている」程度の商品が蔓延しています。
音響での身体までも溶解するような「音」があるのです。
そのための機器からコードや周辺装置は選び抜く必要を私は考えます。
モノの貧しさはそのままユーザーの貧しさだと私は思っています。
この貧しさとは、決して金銭的なことではありませんが、
それこそ、知的であること、品性があること、見識が問われます。
正直、街ではイヤーホンやヘッドホンがファッションになっていますが、
なんと貧しいモノを選んでいるのかと思うことしばしばです。
同様に、
よくもまあこの様な貧しい商品化をする企業があると唖然とします。


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『自宅玄関のデジタル化とアナログ操作性の実験』


   


     12月 10th, 2015  Posted 12:00 AM

ともかく自宅を最も住みやすくしたい!
そのためには、デジタル化するというのは大きな一つの手段です。
しかし、人間らしさを維持するにはアナログ系に包まれることが方策です。
したがって、
私はデジタルとアナログのバランス、対称性の維持を考えます。
自宅玄関はデジタルアッサンブラージュです。
デジタルサイネージがいつまでたっても、
肝心なヒット商品を街の中、社会化できていないのが現状です。
だから私は「デジタルアッサンブラージュ」と名付けた、
デジタル系環境、Wi-Fiや赤外線を駆使しつつ、しかも一番のことは
私が自宅内では電動車椅子ゆえに、その行動制限があることです。
たとえば、ドアの開閉は全く不可能でしたが、
ドアの開閉が出来るばかりか、
外出先からのコントロールも可能になりました。
正直なところ、これまでのドアはもう時代遅れ甚だしくて、
ドアそのものさえも、鍵穴もドアハンドルももはや不要です。
したがって、一応、現在はカーボンファイバー製にしてありますが、
実際、カーボンファイバーという素材にはもはや未来はありません。
自宅玄関での電磁波空間は、さらに検証が必要だと思っています。
Wi-Fi空間ではまだまだ人体的な検証がなされてはいません。
私はWi-Fi空間には、必ず、水空間との接触性が必要だとさえ考え、
これを阪大の研究室でも研究対象のひとつにしています。
それはモニターデザイン設計していて頃には、
すでに「ドライアイ」対策、この考え方が必要でした。
ところが、安易なマーケティングでは「青色遮断」になって、
PCメガネなるブームになっていますが、あれは大きな間違いです。
ドライアイをどうすべきか、という発想の商品は唯一、
私のデザインだけです。
最近気づいているのは、ヘッドホンデザインでは、脳と電磁波遮断構造、
このヘッドホンメーカーは一つしかありません。
現代生活を包み込んでいる電磁波空間では、
この遮断をどのようにデジタル化解放を
アナログ的に人に近接すべきかです。
そういう意味でも、自宅玄関でのデジタルアッサンブラージュ実験、
そして、この解錠施錠システムのデジタル手段をアナログ化することは
これからの大きなデザインテーマだと考えています。


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『アレロパシーとして電磁波を制御せよ』


   


     6月 15th, 2015  Posted 12:00 AM

オーディオの世界からデザイナーになってきて、
まさか、私が電磁波の世界と親密になるとは考えてもいませんでした。
まず、オーディオの世界では、
電磁力の関係は、スピーカーシステムで学びました。
そして電磁力を離れるための技術はエレクトレットコンデンサー関連で
静電気と人体の関係で、ヘッドホン、マイクロフォン、カートリッジでは
電磁波とは別個の知識をエンジニアの人たちから学ぶことができました。
ヘッドホンについては、オープンイヤータイプから、ベロシティタイプ、
そこではおそらく今ではその職人は居ないと思いますが、
重箱ミシンと呼ばれる、針が水平に手元に向かって縫い付け作業をする
ヘッドホンのイヤーカバー=耳あてパッドづくりを現場で見ながら、
その形状デザインと製造性を職人さんたちから教わりました。
したがって現代のヘッドパッドを見るとすぐに不満足箇所が目につきます。
電磁波は可視光線では色彩論を教えるには不可欠の知識分野であり、
それは眼鏡フレームデザインと関係をもっています。
パソコンモニター・液晶TVでは、近赤外線を詳細に見ていけば、
プラズマモニターが如何に駄目かを知り、その発言は叩かれましたが、
プラズマモニターの製造生産そのものが淘汰し消滅してしまいました。
今、私をとらえているのは、深紫外線と近赤外線、そして超音波です。
いずれ、
こうした電磁波と人間の関係を実際の製品化から商品で紹介するでしょう。
そんなこともあって、ULTRASONEのヘッドホンは、
ドイツで電磁波制御を成し遂げてHi-Fi化を成し遂げてしまっています。
先般もMacBookで十分だと私は判断しましたが、
あらためて、
私は所有しているヘッドホンアンプとしても確実なシステムで試聴をし、
このアンプは、デジタル音源をUSBで取り込むアンプでは、
私の一つの試聴用ですが、
これで確認してみてもあらためて「凄い」の一言です。
どうして車・オートバイ・オーディオ・万年筆・カメラというは
エンジニアの人格が見事に反映するのかと思います。
そうなってくれば、ただ高額だからというだけではなくて、
価格帯で決定づけられる高級品にはその技術品格があります。
その技術品格でも重要なことは電磁波の見識だと私は確信しています。
このところ、大阪大学のフォトニクスセンターでの深紫外線は、
一方で人間界には甚大な損傷を与え兼ねないのですが、
デザインによってそれはまるで、
自然界で起こっているアレロパシーの応用だと思っています。


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『オープンイヤーホンの新しいあり方は再考すべし』


   


     6月 14th, 2015  Posted 12:00 AM

正直に言うと、オーディオとデザインを比べると、
私はオーディオの方が面白いと思っているくらいですし、
もし、教育としての講義をするなら、オーディオの講義をしたいほどです。
したがって、デザイナーでオーディオ担当とか言われると、
何と言っても、
オーディオからデザインを語るべきだと主張したくなります。
ともかく、私が美大に入学したときには、
オーディオ装置などは持っていなくて、
オープンリールにデッキとヘッドホンで、
それなりのHi-Fiを楽しんでいました。
美大卒で主任教授に言われるままというか、
当時は、教授指定の企業に就職。
行きたく無いと言えば「卒業はさせない」と言われる始末でしたが、
私が東芝でAurex担当になれたのは、
教授は私の未来まで見通しておられたのでしょう。
自分が大学人になって、
よく分かるのは本人以上に才能を見抜いていることです。
東芝で、空間音場と局部音場は、徹底的に仕込まれたと思っています。
医学博士で本来なら医師なのに、総研のオーディオ研究部隊を率いていた、
K氏には、クラシックでしかも楽譜で
特にピアノソナタで音響を叩き込まれました。
当時、ロックだビートルズだなどと言おうものなら、
怒鳴られたものでした。
「まず、ピアノ曲で音を覚えろ」と言われ続けましたが、
それは正解だったと思っています。
私の局部音場論は、電磁波空間と聴覚を
再検討させられたULTRASONEですっかり変わりました。
丁度、これからの季節は、
オープンエアーでBluetoothのイヤーホンをと、
私はワイフにも使わせたくて、選びぬいていました。
これはほとんど出張中、移動用で車中や機中で使うためのものです。
しかし局部音場、つまり、耳へのカナル型での聴覚と電磁波の関係は、
これからもっともっと研究を進めるべきことと思います。
私が局部音場に拘っていた当時は、
KOSSやSENNHEISERは一つの大きな手本でした。
ヘッドホンのデザインでは、モノの自重と側圧、
そして頭部や顔面装着性を学び直しました。
この経験が眼鏡フレームのデザインその基礎になっていると思っています。
デザイナーとして、
私は最初にオーディオを専門にデザイン設計出来たことは幸運でした。
なんと言っても、オーディオは私の自宅で、
最も考えた空間でなければならいというほど、
私には必須であり、現在のTV環境は7.1ch、
車を選ぶにあたっても、最高の音響システムであり、
今は、電磁波空間と聴覚の再考動機を与えてくれた、ULTRASONEと
このオープンイヤーであっても、音質を聴き比べてしまいます。
最近、ヘッドホンスタイルを見ますが、音質はもっと真剣に聴くためには、
できる限り、最高のヘッドホンを選んでもらいたいと思います。

「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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『ULTRASONE・問題解決を成し遂げているヘッドホン』


   


     6月 13th, 2015  Posted 12:00 AM

私にはオーディオからデジタルサイネージに関しては、
名古屋にいるときから強い味方がいます。
したがって、自宅のオーディオ環境から、
今は玄関にこれまでには無かったデジタルサイネージの工事をしています。
丁度平行して研究室では
まだ生まれたばかりの「抗体エンジニアリング」に、
デザイン先導の企画が進んでいます。
そうしたら、ヘッドホンでは通常は想像出来ないチャンスがきました。
何しろ、オーディオでは考えられない高価なモノがあります。
そして私はそれなりに、ヘッドホンアンプも選び抜いており、
ヘッドホンも要のモノを使用してきました。
ULTRASONEを聴くことができました。
抗体エジニアリングの根本は、抗菌対策・耐性菌、
そしてずーっと追いかけてきた電磁波空間が対象です。
すでに、自宅空間にはTVはじめ家電だけではなく、
電磁波と人間の関係はまだ不明です。
とりわけ
カナル型ヘッドホンは音源から直接に脳神経を刺激していますから、
私はやや危惧していました。
ところがドイツでベンチャー企業として登場してきたULTRASONEには、
大きな一つの解決がありました。電磁波を遮断し、
なおかつその電磁波と音源の関係を
見事に制御するシステムを創り上げていました。
最初は、ヘッドホンアンプ
(何台あれば気が済むの、とワイフに叱られますが)で
視聴して、もう<エエッ!>でした。
まるでこれまでのヘッドホンでは不可能だった、
局部音場では無く頭部周辺がHi-Fiでした。
局部音場を解放したヘッドホンです。
これはもうすでにコードまでが、
さらに、最高級のヘッドホンアンプと思いこみました。
ところが最新のMacBookでULTRASONEを聴いてもう体が震えました。
しかも、AppleMUSICが発表されたばかりでした。
多分、これから私はこのヘッドホンに取り憑かれると思います。
どんなにデジタル音源が進歩しても、
ヘッドホンやスピーカーシステム、そして聴力はアナログです。
しかし、電磁波と人間の関係は、
まさしく抗体化していかざるを得ないことであり、
ここにデザインは明確に関わることになるでしょう。
しかも、このヘッドホンはこれからエージング
=時間をかけて音源からの音に慣らしていかなければなりません。
それが義務となる製品こそ、今の時代には必須のモノだと確信します。


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『カラーバーが性能表示を明示している』


   


     12月 6th, 2014  Posted 12:00 AM

電気に関して最も初期に知識化するのは、二つの法則です。
電荷の法則である、オームの法則と、
磁荷の法則、クーロンの法則があり、
多分、そのことはすぐに忘れられてしまうのですが教わります。
私はオーディオをデザイナー職能の対象にしていたために、
この二つの法則はいつでも側にある気がしています。
電子部品は、ほとんどがアノニマスデザインですが、
なかなか興味深いモノが沢山あります。
いわゆる抵抗器というのは電流と電圧を制御する部品にすぎませんが
この部品は存在が美しいモノだと思っています。
オーディオ工場に駐在することが正当だと思って社会人デザイナーを
スタートさせた私は、電子部品すべてに取り囲まれていました。
そして、最も驚いたことは、回路図を簡単に書き上げて、
そのワーキングサンプルを作成する現場では、
抵抗器にあるカラーバーで、その抵抗値を諳んじている人が多く、
しかも、回路実装での、分圧や電流制御を簡単に決定する
そんなエンジニアたちと仕事をすることができたことです。
美大卒の私が、回路図を覚えることができたのは、
こうしたエンジニアたちが、私がほしいという電子回路を、
それも簡単に造ってもらうことができたからです。
たとえば、ヘッドホンの自重と側圧=両耳を押す測定器や、
両耳の感応測定器などは、自分仕様を造ってもらっていました。
ともかく、そんなときに彼らは抵抗器のカラーバーを
見るだけで、抵抗値は分別し、分圧や電流値を決定していました。
カラーバー表現の有効性を目の前で覚えることができたのです。
この小さな抵抗器にはカラーバーが入っているだけですが、
これは装飾されたパターンでは無くて、明確な表示ですから、
デザインされているということです。
そういう意味では、アノニマスデザインの一つだと言えるでしょう。


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『ひさしぶりにiPhoneを変えたけれど・・・それって当然のこと』


   


     10月 4th, 2014  Posted 12:00 AM

モバイルホンをこれまでどれだけ変えて使ってきたでしょうか。
しかし、iPhoneになってからは迷わずにこのシリーズです。
iPhone5も5Sになっても5まま使い続けてきたのですが、不便なく、
買い換えもせずに、iPhone6 Plusを直ぐに申し込んで、
売り出し翌日には、私もワイフもこれを使い始めています。
「大きすぎるのでは」とか、「iOS8でトラブルが」とか、
巷はうるさく批評論議をしていますが、私には全く関係ありません。
肝心なことが見えていないのです。
それはモバイルホンは、機器そのものがその性能と機能が先進的、
これがまず大事です。そして効能性は「持ち物」であることです。
つまり、身体とともにしかもいつも身につけているわけですから、
私には最高のハンカチや最高の筆記具と同質のモノであるべきです。
そういう意味では、やがて電話機販売企業も整理されるべきであり、
電話回線も社会的なインフラですから、
このインフラ価格競争そのものが変です。
もはや水道水は飲まない人類になってしまったように、
ペットボトル化すべきモノかもしれませんが、これはまず機器です。
その機器と回線=ネットワークというインフラがあるわけです。
私はこの大きさでこそ、ほとんどの情報携帯が可能になっています。
また、幸いにしてLVのグラファイトがケースになってます。
当然のことに、これには印鑑と呼び笛が必須であり、
edyをつけておけばほとんど日常的なツールは十分のようです。
万一を考えて、充電器、これは様々に楽しむためにもっています。
そうして、今のところ気に入っているヘッドホンで
それなりにはHiFiが楽しめる、その環境具になっています。
私独自のKeynoteづくりも、この大きさになって楽になりました。
ともかく、最近はネクタイをしない風潮が当たり前ですが、
それでも、そのファッション性は着心地を観察されてもOK?
このセンス的な効能性では、この大きさOKであり、
むしろ時代遅れなモバイルホンを持っている人にはセンス零でしょう。
似合わないメガネをしていたら、ただ滑稽な存在でしかないのです。


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『モノの神話性から物語り性がアフォーダンスを超えていた』


   


     9月 12th, 2014  Posted 12:00 AM

ウォークマンは日本から音楽シーンを革新させる偉大な提示でした。
ゆえに、その周辺にはいくつかの神話が今も残っています。
神話は三つありました。
創業者のプランであった、プロデューサーの存在だった、
いや、現場のエンジニアだった、という三神話が語られていました。
しかし、これらは神話にすぎないと私は当時から実体験しています。
なぜならウォークマンの録音機能無しのユニットが大量在庫でした。
そのために、その売り込みに私自身が現場対応していたのです。
デザインチームに持ち帰り、録音機能無し「聴くだけ機器」提案を
チーフ指令で企画書を書いたけれどもその企画が没になったのです。
説得仕切れなかったこと無念、でもSONYのヒットが始まるや否や、
東芝はウォーキーで競合戦略を開始することができました。
米国では、ウォークマンは英語では無くウォーキーが正しいという
そんな評価の中での闘い開始だったと記憶しています。
東芝サイドでは三つの競合策で立ち向かっていきました。
まず、カセットよりも機器を小さくすることで輸出を拡大し、
ラジオ機能カセットの付属と、ヘッドホンの折りたたみ。
しかし、世評では東芝のモノ真似にすぎない評判はすでに歴史です。
私は、神話性でのデザイン普及が社会学にまでなっていることを
しっかりと学ぶことができた素晴らしい経験になっています。
本当は録音ヘッド無し機構ユニットは相当に在庫品だったのです。
が、デザイン提案は見事に神話性もデザインしていました。
なぜならば、録音ヘッドは各社の技術仕様が競合していましたから
当時はあのユニットを売り切り、東芝はカセットサイズよりも
ミニチュア化することを可能にしていたことは技術競合戦でした。
しかし、この進化競合は神話になることは無かったのです。
私は、それ以後、デザインによる神話性を「物語り」性として、
私は存分に論理化すること=デザイン戦略にしていくことでした。
それは以後に、「アフォーダンス」という概念の登場などが
日本文化では、モノ・もの・物にはナレーションが必ずあり、
それがデザインを突き動かすことを知識化しました。
1970年代のアフォーダンス以前に、日本には「モノが語っている」、
その文化はすでにあったのです。

「# チュッパチャプス武器論・結論という展開へ #5」


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『ヘッドセットの地道な進化は継続するだろうか』


   


     5月 30th, 2014  Posted 12:00 AM

携帯電話が国内に登場した時、ちょうど私は赤坂で、
フリーランスのデザイナーになり車椅子ながら外車で遊んでいました。
そして、車載用電話の最初のユーザーになったと思います。
以後、ショルダータイプの携帯電話となり、
携帯電話のデザインにも2年程取り組みました。
が、国内の電話会社の時代遅れと喧嘩を繰り返してその仕事は、
いつもごとく無くなりました。けれども、
MOTOROLAなど海外企業の進化を徹底的に観ていました。
そして、iPhone直前にBlack Berryが登場したときに、
あの携帯に附属したかのようにヘッドセットが出てきました。
私はヘッドセットはほとんど実使用しながら収集もして、
性能評価をデザイナーとして評価を積み重ねてきました。
この連関性から、ヘッドホンとヘッドセット、
それにはイヤホンのあり方を使用し観てきたと思っています。
おそらく、人間の耳孔のかたちは全てが違うのでしょう。
まだ、まったく最適なヘッドセットはありません。
しかし、性能の進化とともに、
モバイルのアプリでの補完が進化してきているようですが、
ヘッドセットの効用性そのものが欠落しているようです。
ともかく、Hi-Fi性は全く叶っていませんが、
ヘッドセットとそのアプリケーションは地味に進化はしています。
私はあくまでもデジタルガジェットによって、
モバイル系は、その便利さがインターラクションデザインの
明らかな一つの分野になるものと判断しています。
その確かな根拠は一つだけあります。
それは、ヘッドセット企業が、ベンチャー企業として、
様々なデジタルガジェット企業として進歩していきています。
残念ながら、わが国にはこうした起業要素がありながら、
デジタルガジェットから、本来のデジタル起業家はまだ居ません。


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