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Posts Tagged ‘商品化’


『一輪挿しの「赤い植物図鑑」残っているかな?』


   


     5月 2nd, 2017  Posted 12:00 AM

私デザインの一輪挿しです。
正直なところ毎年必ず一輪挿しをデザインする、
このことを自分には言い聞かせていましたが、
私の作品には、花瓶の類いがあまり無いことに気づきました。
結局、私デザインは何と言っても素材と 加工、製造システムを意識します。
それは相当に困難なことであり、
この一輪挿しの私の商品化された作品、
「赤い植物図鑑」と名辞した商品ですが、
これは「タカタレムノス」から商品になりました。
ところが、製造生産の途中で廃盤にしなければならなかったのです。
「川崎さん、謝らないといけないんだけど・・・」
「どうしたの?」
ちょっと笑いながら、
「これは川崎さんが乗り移ってしまったのかなー・・・」?
「なんで?、僕に関係しているの」?
「実はあの会社と喧嘩してしまったから・・・商品化出来ないかも・・・」。
これが故・高田博社長の言い訳でした。
この「赤い植物図鑑」は、
スタイリストに人気があって、ようやくTV、雑誌にて、という寸前でした。
この一輪挿しはアルミの押し出しを6種類、それを切断・研磨・塗装でした。
植物の葉のかたちは6種類あったのです。
自分での決め事だっただけにとても残念でした。
そうしてこの6個は、私自身、所持しておらず、
ある時にリサイクルショップで見つけた一つしかないのです。
そういえば、最初の作品HOLAは物真似されていて、
永久収蔵されたHOLA時計さえ、これは物真似、模倣だと気づき
スタッフがその証拠を見つけて取り替えたことさえあります。
インドでは、大手の飲料メーカーに真似されたキャンペーンもありました。
当時、大抵は中国人留学生が香港に持ちこんで、型取りされていたのです。
社長は香港でその企画企業に乗り込んで行って、
「怖かったよ、拳銃つきつけられたから諦めよう」とかがありました。
レプリカ再現もあるかも知れませんが、
なんとか、オークションで見つけだしたい私の作品です。

* 「モダンデザインへ、ロシア・アヴァンギャルドから」
* 『毎夏、再自覚決心の日』
* 『経緯が敬意に、形態言語から自分の造形言語化を』
* 『「図鑑」=作品集はもう一冊は出したい』
* 『モノ真似防止、他のデザイナー作品は暗記すべきだ』


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『電源いらずの美しいホットメディアのAMラジオ』


   


     2月 23rd, 2017  Posted 12:00 AM

中学時代に「技術・家庭」という授業がとても楽しかったのです。
確か、技術の先生は美大出身だった気がしています。
そうして思い出すのは「半田付け」の授業では、
3球スーパーラジオがどうしても造れなかったのです。
高校時代には級友で電子回路に詳しいのが3名ほどいて、
真空管が1球、2球は造れたけれどと言ったら、
電気関係は向いていないと言われました。
企業に入ってチーフが電子回路図を広げてスイッチの位置とか、
電源位置などエンジニアとわたりあっていて、
デザイナーなのにエンジニアに回路図で対抗とは、
ということで、このチーフについていこうと思ったのです。
今もつながりがありますが、ベンチャーを大企業にしてしまいました。
私自身が回路図を書き直したこともありますし、
回路図が美しいのはオーディオの音も綺麗だったことを思いだします。
最近、AMラジオにこだわっていて、時間があればとかで、
ゲルマニュウムラジオ、1球、2球で電源無しのラジオを
絶対にデザインしたい、そんなことを考えています。
マクルーハンが、ホットメディアで「部族の太鼓」と言っていたラジオが、
今ではPadとそれ用のオーディオスピーカーシステムだと、
なかなかいい音なのです。
何を聞いているかといえば、なるほど、ホットメディアで、
確かに現代の太鼓かもしれないという気がします。
なんだか、時間を充分にとって、半田付けで、
これももう一回練習をしないと出来ないかもしれません。
まして老眼ではどうなのかとか思い巡らしながら、
この回路図の電子部品がとても進化しているのを見ています。
ともかく、ラジオはひとつも商品化していません。
が、製品化モデルは3点ほどあります。
FMでは無くて、しかも電源を使わずに、HiFiのAMラジオって、
とても美しい存在のモノ、そこからとてもいい音がするのです。
それだけで、絶対に美しいホットメディアの現代の太鼓のようなモノ、
それが造れると妄想しています。

* 『「トリタン」というフィラメントの明かりを今も求めている』
* 「手習いまだまだ諦めずに・・・」
* 「想像力と直感あれど『東京ラリア』具現化出来ず」
* 「新しい部族の太鼓かインターネットラジオというメディア」
* 「「ラジオ聴覚メディアの強さは革新された」

  


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『日本の経済界には「伯楽」がいなくなった』


   


     1月 30th, 2017  Posted 12:00 AM

本来ならケータイは日本の産業の核心であったはずです。
もはや公に出来る始末になってしまいましたから、
私の体験を伝えておきたいと思います。
ある企業でコンサルタントとして、製品分類をしました。
この一群は「商品化OK」です。しかしこれらは全て駄目と伝えたら、
商品化OKは海外のみで、国内は電話業者のキャリア達条件が厳しく
このデザインですと回答を受けました。
このとき、ケータイの国内市場は滅亡し始めていました。
教え子も、修士卒業は全てケータイグループに配属。
彼らからすでに国内の閉鎖した市場ではケータイデザイン困難と聞きました。
私自身、大手電話企業とまず、操作基準をキャリア達に提案、
その後、丁度、FOMA開発でのエージェントインターフェイス提案を
その企業トップへのプレゼで、彼らに呆れかえってこの企業滅亡と、
プレゼを切り上げて日本は敗北すると言い放ちました。
その後、最後のプレゼはiPhone対抗をある企業に提案しましたが、
結局、メーカーは電話企業のキャリア達の条件に敗北しました。
それは明確に企業ブランドマークの改変とその停止とともに、
日本からのケータイはガラケーと呼ばれ、
スマホ仕様はApple追随になって負けました。
このケータイからスマホでの新たなデザイン提案が否定された時こそ、
典型的に日本の産業基盤を失ってきた代表例だと思います。
今年念頭に日本の経済界は企業合併を推奨したという報道を聞いたとき、
私は日本の基盤産業である、家電・情報・精密などのメーカー企業が
とうとう終焉し始めてきたと認識しなければならなくなりました。
経済界にリーダー=伯楽が全くいなくなったのです。
日本の企業名が、銀行はじめやたらメーカー名を長々とし始めたとき、
日本の基幹産業、その基盤は崩壊してしまったのです。
日本の企業ブランド、あるいはブランディングという言葉は残っても、
日本の「企業らしさ」は義と善と美に成立していたはずです。
とりわけ美はデザインそのものであったはずです。
そのデザイン評価に「かわいい商品」というモノづくり姿勢こそ、
日本の産業基盤から義を売り渡し善という企業倫理も失ってしまったのです。
「かわいいデザイン」などあるわけが無いのです。
義も善も「きれい」である形容動詞の世界観が基本です。
義も善も失った美=デザインを取り戻さなければなりません。
私自身のデザインには「かわいさ」など求めるつもりは全くありません。

* 『藝と醫を略字化したことは本質を見間違える!』
* 「 何がMedia Integrationとなるのか・2」
* 『柳宗理作品の軽薄で見識不足な批評は叱られる!』
* 「独裁されてきたケータイからの解放」
* 『スマホのアイコンはインフラ的な高品位性が不可欠である』


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『「創育」と「想育」の中心はやはり恐竜の存在だ』


   


     9月 9th, 2016  Posted 12:00 AM

以前も恐竜をこのブログで取り上げました。
それは想像力の問題として、
どこまでこの存在に興味を抱くだろうかということでした。
自分のふるさと福井は、恐竜の街として、
すっかり有名になろうとしています。
勝山市には福井県立恐竜博物館があり、
この博物館は小学生の聖地になっている、そんな話も聞くほどです。
自分デザインの対象にしてすでに5年目になる「羽二重」ブランドでも
この恐竜をデザインパターンとして、あるいは新たな商品化に向けて
恐竜、それも勝山市で発見された4種を先般も、
ブランド設立のデザイン指導で仲間たちと話をしていたら、
日本で発見された恐竜は7種あり、
勝山近辺では5種目が発見されたという話を聞いてびっくりしました。
また、福井県出身の恐竜学者もいます。
そしてまだまだ不明なことは恐竜の身体は羽毛であったとか、
始祖鳥の進化であり、恐竜絶滅論にも様々な想像力が生まれていることです。
今、自分デザインの「羽二重」ブランドと恐竜パターンの組み合わせを
再考しなければいけないほど、
恐竜の情報が一段と詳細になってきています。
恐竜への想像力が大切ということでは、
「想育」と「創育」という発想回路づくりを考えています。
そういう意味ではやはり、恐竜の存在は大きなテーマだと思い、
またあらためて恐竜を持ち出しました。

* 『布、なぜシルクロード、シルクボイスだったのか』
* 『素材産地のダブルブランド・「羽二重」HUBTAE』
* 『ふるさと福井はまだまだ恐竜の聖地になれる』
* 『「羽二重」ブランドの発表を決定する!』
* 『想像力が及ばなくともこの存在は追いかけたい』


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『「くまモン」参加のワッペンでレジリエンスデザイン』


   


     8月 5th, 2016  Posted 12:00 AM

先般、東京で誤報が流れました。
誤報であっても、日本人には必要なことだと思わざるをえません。
案の常、我々には「熊本大震災」はまだまだ連続していますが、
報道が無いと終焉したような錯覚が起こってしまいます。
現地では九州大学、そして現場熊本の崇城大学が
「レジリエンスデザインチーム」として、地道な活動をしてくれています。
バックアップできることは本当にささやかなことですが、
「レジリエンスデザイン」という領域がやることは、
これまでの「強靱化」というよりは、はるかに次世代、そして、
日本ならではの大切な提案・提唱になっているもとの考えます。
三つのワッペンを最初にデザインして、ようやく熊本県の認定で
目星のシンボル「くまモン」マークも使用可能になりました。
レジリエンスデザインチームの建築系ではコンペ企画も実施されるでしょう。
阪大の私の研究室でも明確な製品開発と商品化をねらってます。
ようやく、たかがワッペンかもしれませんが、
デザイン力の具体的な実務がワッペン一つの裏側には一杯潜んでいます。
今「全瓦連」がほとんどボランティアで修復に入っています。
このところ、日本では連続した地震が頻発します。
それだけに、3.11も熊本も明らかに、
日本民族の「知恵」=Silienceにするべきです。
次世代デザインではレジリエンスデザインとコンシリエンスデザインが
切っても切れない密接な関係にあることはこのチームにテーマが出るかぎり、
デザインの拡大、デザインの実務性は明確になります。
もはやユニバーサルデザインでは解決不足は明らかです。
それこそ、人間工学の一分野が「シーティングエンジニアリング」のごとく、
知識、学識、の大変革が起こっていると言って構わないでしょう。
「学際化」なんて誤魔化しだと言い放った無能さにはあきれるだけです。
レジリエンスを明確化するコンシリエンスデザインは
すでに本格的な実務としての次世代デザインに、
たったワッペンデザイン1枚で表現されているのです。

* 『熊本の草木鳥がレジリエンスのシンボルになる』
* 『公・自・単・情・安・省・空を暗記せよ』
* 『レジリエンスデザインチームだから屋根材・瓦を新開発』
* 『Silienceの原意・・・デザインが何になるかという意義』
* 『熊本大震災への新たな瓦屋根材のデザイン開発』


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staffblog 8月1日


   


     8月 1st, 2016  Posted 11:55 PM

8月1日

本日は未来塾を行いました。
福井県織物工業組合青年部の
皆さんとのプロジェクトです。

商品化実現のために、
実際に「モノ」に触れる時間が増加。

厳しい目で見つつ、新しい発見に心が躍ります。

それぞれの専門領域からの意見を交換。

川崎からの問いかけに考えが飛び交います。

ブランディングを支える商品展開、
その実現に突き進みます。


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『「手洗い習慣」をグリップすれば清潔を手にいれる』


   


     8月 1st, 2016  Posted 12:00 AM

電車の取っ手に触る、初めてのハンドルに触る、
正直、若い頃から手が汚れることに抵抗がありました。
自分にとって最大の不安は感染症です。命に関わります。
だから、外出すれば必ず徹底的に「手洗い」をします。
敗血症、風邪であっても、自分には不安極まりないことです。
触る、グリップすればそれで清潔になる。
アドバンスデザインとしては理想の方式であり、それを成し遂げるのは、
決してデザイナーの力では無理、いや無謀なことでした。
技術進化を待っていたようなことが大学にはいろいろあります。
深紫外線の発光素子LEDの大変な技術競争が入ってきました。
きっかけは、阪大のフォトニクスセンターでの
深紫外線研究、電子顕微鏡での遺伝子検査その遺伝子に深紫外線を照射。
国際的にも最初の論文が受理されると、一斉にその研究が拡大しました。
フォトニクスセンターから、深紫外線で消毒、滅菌が可能ゆえ、
消毒、滅菌のモノ・器具あるいは装置のデザイン依頼がありました。
関連する論文、LED発光素子競争の資料を全て読みこなしながら、
紫外線で殺菌?、紫外線とはいわばDNAを破壊するのになぜ?
この大きな疑問のままに、
一方では、「グリップすれば消毒可能」、
そんなことがもし、本当なら新しいデザインが出来る。
大腸菌に深紫外線のある波長が近接場に入射と反射があれば可能とのこと。
デザイン計画書とともに、プロトタイプの試作に入れました。
このプロジェクトは、工学と医学、そしてデザインが協同、
しかし、看護学、保健学からの支援ということで、
デザインサイドでの動物実験までがデザイン対象となりました。
厳しい中間審査でさらに市場性=中近東の拡大までが検討され、
そのまま、内閣府での審査結果、「製品化発表」にこぎつけました。
「手洗いの習慣」を変えることが出来る。
7月28日、報道関係のTV局2局、大手新聞各社社も集まり、
「記者発表」しました。
「手・掌の日常的な方法を根本から変えます」、
動物実験結果とともに、その最終製品デザインが出来上がりました。
いよいよ、企業への「商品化」、商品アイテムは一杯あります。

* 『天空と深海で何が起こっているのだろうか?』
* 『「手・掌を清潔に」するモノとコトのデザイン実務』
* 『コンシリエンスデザイン看医工学の危機解決対象・MERS』
* 『手の消毒、そんな時代になっている?』
* 『デザインはすでにここまでが必然となっている』


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『葉巻を語り直すことで「グローバル化」の神髄に近接』


   


     5月 9th, 2016  Posted 12:00 AM

日本が「グローバル化」を国家戦略にして久しいと思います。
正直、自分には「グローバル化」と「ローカル化」は
同値の国家戦略だと考えてきましたが、
大きな違和感があったことは確かです。
なぜグローバル化ということの本質的で実務成果が見えないのか、
この理由を探していました。
そして気づいたのは、若い頃、海外での仕事では食事の時の話では
よく、オペラや現代美術での評判を話合う場面に自分がいるのです。
こんな場面で、こうした会話に望んでいる自分のことを思いました。
そんな思い出とともに、たまたま喫煙文化におけるタバコの歴史は、
癌の元凶ということから、総否定が蔓延しています。
「葉巻」だ、「パイプ」だなんてことはほとんど否定されています。
かつて喫煙については自分自身も禁煙をしていましたが、
改めて「葉巻」に取り憑かれた私が、大きく気づいたのは、
日本が「グローバル化」を語るのはすべて産業経済でのことであり、
「葉巻」・「乗馬」・「ライフル撃」・「鉄道模型」などの「文化」は、
日本でも余り表立ってこず、欠落していたということです。
そこで、「葉巻文化」をクラブづくりとともに、
日本の「キセル」での喫煙文化も加味することで、
確かに喫煙が病因的な元凶であったとしても、
国際的に文化を語り直すことで、政治や経済を離れた文化を共有する
「グローバル化」の語り直しを行う重要性を見直したいと思いました。
葉巻クラブの結成を言い出したら、とんでもなく様々な人からの
参加申し込みがありました。
そこでこのクラブのマークやすでに商品化しているデザイナー仲間と
クラブ結成とその理事長までを決定して国際的な存在をめざします。

*『葉巻文化、その道具こそプロのデザイナーの仕事だ』
*『葉巻文化と筆記具文化の統合性は凄いのだ!』
*『知ったとしても、ダンディズムがあると思う!』
*『酒とタバコと、そして・・・』
*『風土とゲマインシャフトがグローバルへ』


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『「座る」・人間工学からシーティングエンジニアリング』


   


     5月 1st, 2016  Posted 12:00 AM

28歳時に交通被災、車イス使用者として生きてきました。
車イスそのものを自分でデザインしました。
しかしこのブログでは一度もそのことを書いたことはありません。
もう最近は電動車イスでの移動の身体になりました。
しかも、身体には加齢もあるのか体型変化が起こってきています。
幸いに美大時代の同級生M氏は
シーティングエンジニアとしても高名であり、
彼から早く直すべきと忠告されていました。
確かに体型の変形は内臓にも影響を与えている実感があります。
そこで、彼は身体障害者向けの様々な製品開発や商品化もしていて、
その事業での「でく工房」社長T女史まで測定支援してもらいました。
いつか電動車イスは二人で組まないと素人判断のモノが出てきています。
私の体型診断と測定、
身体保持シートの再設計のために来学してくれました。
とてもいい機会なので、医学系研究科の教授や他大学の教授、
そして学生にすでに「座る」という行為の時代遅れの人間工学から
シーティングエンジニアリングのワークショップになりました。
なぜ、人間は二足歩行で、「座る」という行為の世界的なイスの系譜から
私がモデルになって体型変形の矯正方法や車イスがどうあるべきかを
もはや使えない人間工学を超えたシーティングエンジニアリングを
新たな研究ターゲット発見課題などを私の研究室で行いました。
そして、
今や間違いだらけの電動車イスの欠点から二人の狙いを語りあいました。
彼を私の講座の特別研究員にすることにしました。

*「音を求めて『闇『歴史的作品からの刺激をどう受け止めるか』
*『誤謬へのシンボライゼーションプロトタイプ』
*『「闇に座す」=土・立、修辞学的な造形の込めた願い』
*「デザインは『付加』するものではないということ・2」
*「関西海事教育アライアンス・6年目の演習課題プレゼン」


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『LPレコードのアーカイブが出来上がりつつある』


   


     3月 30th, 2016  Posted 12:00 AM

僕はオーディオのデザイナーから出発という幸運があります。
東芝では当時オーディオ専門ブランドAurexに関わり、
Aurexブランドロゴから製品開発・商品化だけではなくて
ショールームからコンサート企画、
そしてLPレコードづくりまで担当しました。
単純に担当というより、
自分で企画書を書き上げて上司を説得していました。
そんな中でも、
LPレコード企画などが東芝では通らないことはしばしば。
そんな時にはその企画を
DAM(当時最大の量販店のオーディオクラブ)に、
僕は持ち込むと同時に、 DAMから信頼も受けていたので、
TV-CFやDAM販売キャンペーンのディレクターもしていました。
無論、東芝の上司にはほぼ公認をしてもらっていました。
DAMといえば、特別高度な音質のLPレコードを出版していました。
これは当時、東芝EMIの力添えがありました。
東芝EMIで担当であった方が亡くなり、その遺言から、
DAM レコードを後世に残す話が持ち上がり、
東芝の社員であり、また45回転で超厚のレコード盤制作に
まさにはまっていたことからも、協力者の一人として参加。
DAMのLPレコードは、音質の優秀さで、有名な指揮者事務所や
有名歌手グループ事務所からなどクレームが出るほどでした。
私が直接関わったレコード盤は、
「トラックダウン=レコード製作プロセス」を知らせることで
それはオーディオ機器、カートリッジやプレーヤーシステムまでの
音質チェックになるレコード盤があり、レコードジャケットデザイナー名を
入れてもらうことで、東芝に納得をつけてもらっていました。
これはバイノーラルレコード出版につながりました。
東芝ではOKがもらえなかったのですが、
DAMでのヒットゆえに、
結局は東芝のプレミアム広報として実現しました。
かつて、オーディオでの最も正確な音質レコード盤の
アーカイブが完成しました。
アナログレコード盤としては最高のモノづくりだったので、
今では徐々にファンが増えてきています。
私はひたすら音響関係のデザイナーであればそれでいいと思っていました。
だから、今でもその思いは残っています。
大学人をリタイアしたなら、
もう一度、オーディオ機器のデザインと設計に関わりたいと考えています。
すでに、ヘッドホンアンプの設計とデザインに取りかかっています。

*「企画は必ず具現化すること」
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=23523
*「ここまで粘り、あきらめないこと・・・」
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=23541
*『世界でトップだったアナログ45回転レコード盤の復活』
 https://ouzak.co.jp/blog/?p=42369


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