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Posts Tagged ‘四国’


『ふだん・忘れた頃に、まさか・想定外はありえない』


   


     10月 3rd, 2013  Posted 12:00 AM



「March 11.2011」を体験してしまいました。
だから、私は最期の仕事をデザイナーとして、
ふだん・万一の危機=CRISISに対してと、
まさか・想定出来る=RISKに対して、デザイン解決を求めます。
東日本震災の天災と人災で本当に私たちは学んだのでしょうか。
南海トラフは間違い無く起こるでしょう。
私たちは忘れた頃にを思い出す必要があります。
そうして、今度こそ、想定外はありえないのです。
四国、黒潮町には2分間34mの津波が予想されているのです。
幼児、児童、生徒、介護者は2分間で50m高台に逃げられません。
この想定を「忘れてはならない」のです。
私は、デザイン手法で「空中都市建設」を考えています。
黒潮町に限らず、この日本列島全体を空中都市にしたいのです。
東京オリンピック・パラリンピックまでの7年間、
ふだんを危機にまさかを考えて、即行動が私の一番のテーマです。
私はデザイナーの知恵を一杯集めたいと思っています。
この祖国、日本列島を土=つちに、土地=とちを空中に、
そして町・街=まちを創ることをやり遂げなければいけません。
まさか、忘れた頃に、少なからず想定されている所から、
デザイナーが入り込んでいくべきだとずーっと考えてきました。
膨大な同胞を失いました。
彼らのまさかを絶対忘れてはいけないのです。
となれば、ふだんをもっと強化しなければいけません。
私のデザイナー・大学人最期に、CRISISとRISKへのデザイン設計。
3.11以後から、私は「までい Project」と呼んできました。
東北弁での「までい」とは、真剣に、真面目に、
絶対に想定外などを残してはいけないのです。
デザイナーみんなの力を借りたいと考えています。


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「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」


   


     1月 29th, 2012  Posted 12:00 AM


明らかにこの和紙は越前和紙ではなかったのかもしれません。
泥土を漉き込んだ雁皮紙は、兵庫県西宮市名塩の溜漉きです。
これが越前にもあったのかもしれません。
名塩和紙は越前和紙を進化させた溜漉きの雁皮紙です。
この名塩和紙には、伝説がありました。
東山弥右衛門という名塩に越前和紙技術を持ち帰った人物の話です。
名塩には雁皮が山野に群生していました。
彼はこの雁皮が和紙になることを知り、
それを越前に出向いて修行をします。
しかし、和紙づくりは門外不出、言わば産地秘密です。
したがって、彼は養子になり結婚もし妻子を持ちます。
けれども、彼のふるさとである名塩に妻子を置いて帰ってしまいます。
心が引き裂けるゆえさらに紙漉きに没頭し
新たな技術を発見したのかもしれません。
名塩の雁皮紙が越前にも伝わったとき、
妻子は彼を名塩に訪ねていきますが、村人は会わせません。
だから、妻子ともども身を投じたという説、
妻子は癩病=ハンセン病だったゆえ殺されたという説、
四国の遍路さんになって行方不明になる説など、
悲しい話があります。
しかし、名塩千軒と呼ばれるほど、名塩村は発展し、
そのことで顕彰碑が今も残っているほどです。
でも確実に、越前の宮大工図面として
雁皮紙に泥土を漉き込んだ和紙はありました。
そして、復元を申し出たとき、
このような和紙を漉く技法は絶えてしまったこと聞きました。
同様に、漆器でも灰皿は不可能です。
これはタバコ盆に漆を塗り込む技法も絶えました。
伝統工芸の様々な素材に加工技を込めて
進化させてきた技法は随分と消滅しています。
ところが、消滅どころか元々の産地から村八分となったから、
さらに進化を遂げた技法もかなりあります。
また海外にて日本の伝統技が現代、さらに進化を遂げつつある技術、
すなわちイノベーションも多くあります。
こうした消滅した技法・技術、
まだまだ進化している技術を
なんとか確認して語り継ぎたいと思っています。


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