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「KAIST=韓国科学技術院の先生を招いて」


   


     6月 23rd, 2012  Posted 12:00 AM



なんとしても風邪を治さなければ、
この想いを実現できました。
KAISTの先生お二人を招いて阪大での講演。
Prof.Kim Myung-Suk先生とはすでに20年来の友人であり、
Prof.Bae SangMin先生は、New York留学中に、
私の講演を聞いてもらったこともあるという仲です。
KAISTはおそらく、全世界的にみても、
最高級の大学・大学院であり、デザイン系でも筆頭です。
Kim先生は「環境デザインとしてのロボット」を
Bae先生は「国際貢献としての製品デザイン」、
それぞれが実現されているプロジェクトを語っていただきました。
私もKAISTで講義をしましたが、
この大学が世界からも注目されている「未来創生の発想」は、
いくつかの重要なキーワードでした。
Why・なぜデザインを、なぜ生きるのか、
Implement・必ずデザインを実現させて未来を創る、
Evolution・常に進化は「融合」=Consilienceを、
Donate=Sharingを、Passionを、と、
重大なキーワードを沢山いただきました。
しかも確実にコンセプトは製品形態に集約化されていました。
私は、3.11以後、デザインによる復興をと考え続けてきただけに、
改めて、デザインの理想主義を語る二人の教授に、
支え直してもらった気持ちでいっぱいになりました。
たとえば、家電は当然ながら、
造船もどれほど韓国は進歩させたか、
その事実を知っているだけに、韓国の勢いを体感しました。
日本も韓国もアジアの小国です。
これからはお互いの交流をさらに深めて、
世界の先導国になっていくべきだと思い直した次第です。
お二人に励まされたようで、すっかり、風邪から立ち直ったと思います。


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「小さな国の使者からの偉大な祈祷」


   


     11月 20th, 2011  Posted 12:00 AM


その国の名前は知っています。
場所も多分、あのあたりだろうという程度の知識です。
ブータンという小さな国の若き国王夫妻が来日されています。
九州ぐらいの面積に人口70万人、
私のふるさと福井県が人口80万人ですから、
人口から国力ということも想像が可能ですが、
まったく、「国の生き方思想」が違っています。
もっとも北陸三県も幸福度指数は日本でトップクラスですが。
「国民総幸福度」という指標を唯一保持し目標としている国家です。
その国王夫妻の来日、お二人の存在、国王の品格と言動、そしてお言葉、
これらを見聞して感動を覚えないとするなら、
相当に自身が壊れていると自己評価すべきでしょう。
31歳、私は彼のちょうど2倍生きてきました。
しかし彼の発言は、まさに幕末の志士を思わせるほどの
威厳と風格と、そして何よりも日本への敬愛がありました。
1000年に一度という国難の中にあって、
これほどの献辞的なご祈祷をいただいたことは
素晴らしい賓客だったと思います。
私は何度も報道されている発言訳を読み返しました。
国会演説の最後は自国語で「お祈り」を捧げてもらいました。
その祈祷を聞いてみたいと思っています。
仏教、それもチベット仏教ですから、
あの「死者への追悼祈祷文」は、
私の音楽ライブラリーにはあるはずですから、
あらためて聴いてみようと思っています。
国際関係はすべからく何事も経済の自国優先中心主義です。
国交のあり方を、もし21世紀に再創出するなら、
このような国家との関係論に基礎があるということです。
彼らの伝統的衣装も、やはりアジアの小国なればこそ、
きわめて着物に似ています。
彼らの仏教への信仰心から、彼らの国家目標こそ、
大国同士の「経済分配主義」から逸脱できる、
仏教的思考軸があるのだと確信します。
国家という自然性・伝統性・宗教・思想、
そうして国際化の中で、
「人間」としての生き様と国家の連綿性を、
あらゆる局面で壊れてしまったわが国に、
ひょっとすれば、仏教発祥の地から
「使者」としての賓客であったのだと私は思っています。


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