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『インターラクションデザインの基本は可変抵抗器と指先』


   


     12月 4th, 2014  Posted 12:19 AM



ISO規格は日本潰しだったことを改めて述べておきます。
インターラクションデザイン賞を設置して、もし、
この賞が取れたならばISO 3290が認可される手はずを準備していた。
ところが、本来はスイスにあるべき本部ではなくて、
英国でISO規格は整備されていました。
その詳細は別途として、ISO 3290がインターラクションデザイン、
すなわち人間と機械との相互性=使い易さの基本その規格化でした。
私が少年の頃、夢中になったのは鉱石ラジオを自作することでした。
その回路は極めて簡単であり、ダイオードと可変抵抗器で、
AM電波を受け止めることができました。
可変抵抗器というのは、AM電波を選別するだけのいわゆるダイヤル。
このバリアブルコンデンサ(バリコン)、あるいはツマミを回すだけで、
自分の選別が可能になる使い勝手があるものだったわけですが、
Hi-Fiオーディオ機器では、チューナー、音量などの選別を
回転動作で機器が指先で可変出来るモノでした。
そして、その使い勝手は、そのスムーツなダイヤル操作感でした。
このダイヤル操作感を創り出すために、抵抗器とダイヤルツマミは
徹底的に実装化アイディアを考えていました。
結局、私は少年時代からこのツマミ一つで選択性の使い勝手に
拘ってきたのかもしれません。
現代製品は回転式よりもタッチセンサーとデジタル化で、
こうしたインターラクション性の基本を私は失っていると思っています。
なぜなら、インターラクションデザインの基本がISO 3290でも、
この可変抵抗器での使い勝手の詳細が無いからです。
たとえば、自動車では未だに方向性の選択は回転させるハンドル、
人間にとって、動作と選択の回転性能、この基本は回転精度であり、
この回転精度にこそ、私はインターラクションデザイン、
つまり、使い勝手の根本があると確信しています。
だから、私が明言すれば、ISO規格取得などは無意味です。


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「算盤=知的道具に木の文化が息づいている」


   


     3月 20th, 2012  Posted 12:00 AM


私は幼稚園は二つ通いました。
最初は基督系でしたが、悪戯が過ぎたのでしょうか、
断られて仏教系になりました。
塾といえば、
算盤塾にみんなが行くので私も行かしてもらいましたが、
「もう来て欲しくない」と塾から三日目に断られ、
通っているふりをしましたが、母にすぐにバレました。
そんなこともあって自分流なので算盤は得意ではありません。
今回思いがけずプレゼントされた作品、
それはデザイナー・蛯名紀之氏の算盤に触って見て、
算盤ブームもう一度というより、
これは絶対に復活させるべき道具!と断定しました。
電卓も競技会がありますが、算盤には段位があります。
以前、「盤・盆・膳」という日本の伝統文化史を自分で構築したとき、
見えていなかったことをこの算盤で思い知らされました。
算盤という基本形態の完成度の高さです。
算盤玉と呼ばれる形態は玉ではないあの形に意味があること。
そして最大に重要なことは素材が「木」であるということです。
プラスチックのソロバンは、
やはり操作感、使用感が身体化されないのです。
これは盤(PAD or Plate or Board)の上にある
象徴化されている数字概念の表徴形態、
それは「木」と指との関係が無ければ成立しないということです。
伝統的な「盤」には将棋盤や双六盤、
今では制御盤や分電盤までありますが、
算盤というのは、計算する道具として、
最も簡潔な形態要素とその配置で計算性能があります。
この計算性能は、指先でトレーニングすればするほど、
暗算というイメージ計算を身体化させてしまう機能性を持ちます。
60の手習いということで、
昨年62の手習いでフランス語会話を大学以来にやり始めましたが、
算盤に向かってみるのも面白そうだという気分になっています。
電卓とはまったく異なるこの算盤は日本の伝統文化であり、
宝だと確信しています。
「算盤」教育は復活させてもいいかもしれない。
私はもう一度算盤を練習してみようと思っています。


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