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Posts Tagged ‘木工技術’


『英国技能で日本流の木工テーブルデスクの自分用』


   


     4月 3rd, 2015  Posted 4:14 AM



自宅で使用するテーブルを木工家の伊藤氏に発注していました。
彼とは私が企画したDESIGN TOKYO 展のPROTO LABで出逢いました。
彼は英国で木工技術を学んでいたので、今回、私は日本独自の
たとえば引き出し構造や天板の強度構造を伝えて、
伝統的なノックダウン構成と単一仕上げ素材を熟知してもらいました。
日本の引き出しには伝統的なノックダウン構成と単一素材仕上げや
桐箪笥と船箪笥にはそれぞれ独自の方法があり、
私の役目は、こうしたことを次世代に伝えることだとも思っています。
この自宅用は、私のベッド周辺での使用を考えたモノゆえ、
細かな使い勝手を工夫しました。想像以上の丁寧な仕上がりは、
英国流の技能が、日本流での構造で見事に仕上がってきました。
これから、彼には、私が最も知り尽くしたスピーカーシステムでも
バッフルタイプのモノや、タンス・箪笥を試みてもらいたいからです。
英国では、アート的な木工を師匠を選んで鍛錬されただけに、
英国の伝統的な倚子から木工小物類にいたる技は、
木工家具を教える学校と工房を舞台に活躍しています。
だから、年に1回は、PROTO LAB出品がとても楽しみでした。
今回は、わざわざ彼の工房、八王子から阪大の研究室も見て、
私の自宅で組み立て後に、バッフル形式のスピーカーシステムを
簡単に話して伝えることが出来ました。
スピーカーボックスは、木工でも相当の知識が要求されます。
私が木工を知ったのは、美大では徹底した木工技術を学び、
さらにデザイナーとしては、スピーカーシステムの
実働モデルから量産の部材や構造では、製品開発と商品化を
全国各地の木工団地で学び、フリーになってからは、
地場産業としての木工を知ることになりました。
今回、自分用日常のテーブルデスクは巾2400mm奥行500mmで、
高さも670mmもあるモノですが、英国技能で伝統的日本流が
見事に自分のモノになったと思います。


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「『はぶたえ=羽二重』の目立たなかった布の美しさ」


   


     9月 13th, 2013  Posted 12:00 AM



絹織物で着物の裏地として優雅な存在が羽二重です。
今では、この呼び方は布・織物よりも羽二重餅として知られ、
お土産お餅の名称扱いですが、
私のふるさと福井が織物産地として、
かつては人絹取引所までありました。
絹織物で着物の裏地は、人絹=人工的に絹のような繊維、
人工絹糸であり発明者の名前の略号としてスフとも呼ばれました。
最初は、レーヨンから出発した人工繊維モノでした。
そこから、今日の人工繊維は大変に工夫をしながら、
産業の基盤になっていったモノですが、
産業の高度化は織物そのものが時代遅れです。
人絹に対して正絹という自然の絹糸・蚕の糸は、
蚕の糸吐きの観察から、7回に1回、蚕身体の震えから、
人工撚糸されたこれを見破ったスフはイタリアであり、
日本製スカーフが輸出品から敗退した時期もあったほどです。
絹撚糸の経糸を二重にして、緯糸一本は、
今見直されていますが、現状では緯糸を機織り機械で、
シャトルと呼ばれるモノがありましたが、
これは木工技術の製造技術でした。
30年前に、タケフナイフビレッジ=越前打刃物の再興に取り組み、
その時には、シャトル製造工場で刃物のパッケージを製造して、
その精度は、パッケージの端面がまさにナイフで、
そのパッケージの角で指先を切るほどの精度を求めたものでした。
しかし、今ではシャトル自体の製造工場が無くなり、
シャトルで正絹を織る企業は、作り置きをしていると言います。
また、福井に残っているシャトルは、
すべて収集してほしいと伝えています。
福井の裏地人絹産業と正絹産業を共に復活させられると思います。
私は、ともかく「羽二重」=はぶたえを国際化を目指します。
たとえば、晒をデパートで発見する売り場はほとんどありません。
しかし、人絹の進化、正絹での蚕の遺伝子操作自体まで、
私はデザイン対象化ができそうです。
そのとき、「布」の膚触り、手触りは尺度スタンダードが可能。
この可能性をビジュアル化とオーディオ化ができるでしょう。


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「『華麗なる賭け』のように・・・とはいかず」


   


     5月 6th, 2012  Posted 12:00 AM


小学校から、将棋・囲碁・麻雀を父から教わりました。
父はこうしたすべてのゲームをマスターさせたかったのでしょう。
ところが、この三つはどうしても好きになれませんでした。
将棋はそれなりに面白かったのですが、
負けると悔しいことや、もう一度生き返るゲーム性が嫌でした。
しかも囲碁も麻雀も座位でのゲーム性が好きになれませんでした。
映画の名作に「華麗なる賭け」があります。
原題の「トーマス・クラウン・アフェアー」でリメイクされた映画です。
スティーブ・マックイーンとフェイ・ダナウェイが、
チェスをする場面があります。
この映画での二人の取引をたまらなく象徴する場面です。
それを観てから、チェスにのめり込みました。
しかし、我ながら下手くそです。
パソコン相手だと、とてもかないませんが引きつけられます。
となれば、私の習性はチェス収集にも向かってしまいます。
これは携帯用ではおそらく最も工芸的な物だと思います。
エルメスの木工技術が駆使されています。
しかし、もう一工夫が欠落しています。
マグネットでチェス盤とコマがくっついてくれれば飛行機内でも遊べます。
あえてそうしなかったのだろうとも思いますが、
これでは「装飾的」にすぎません。
バウハウス時代のモダンデザインは、コマの役割を覚えるのが困難です。
最も使いやすいのは玩具になっているプラスチック製が機能的です。
しかし、本格的にそのゲーム性を楽しむには、
やはりアンティックな物を海外で探しています。
もう喫煙の時代ではありませんが、シガーやパイプタバコ、
そしてブランディが一番チェスには似合うのかもしれません。
ともかく、今ではチェスはMac上で戦っています。
かって、Apple社に「Mind Top」をプレゼンしたときに、
景品アイディアとして、
そのパソコンと同じ大きさのチェスセットも提案しました。
そして、プレゼン後の私の味方連中の評価では、
あのチェスセットまで周到なプレゼンが嫉妬になったということでした。
日本の将棋界でトップクラスのある人が、
世界でも5指内に入るスターだということはあまり知られていません。
「クゥイーン・ガンビット」=先手を打つ、
これは、私の著作タイトル
デザインという先手・日常的なガンビット」になっています。
「シシリアン・ガンビット」という心臓病の治療方法もあります。
チェスは上手くなりたいゲームです。


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