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Posts Tagged ‘楕円’


『柳宗理のオーバルとエリプス製品数理記号的な造形論理』


   


     5月 12th, 2015  Posted 12:00 AM



ラングからパロールは「創り出すこと」は出来ない。
エリプス=楕円は形態言語であるが、オーバル=楕円は造形言語。
私はこれを柳宗理のスーパー楕円論だと仮説定義化しています。
この論理からは、
「モノは無意識に生まれてくる」=アンコンシャスビューティであり、
しかもアノニマスデザインとなる実際例の一つは関越道のトンネルです。
ほとんどの人がまさか、このトンネルデザインには
土木工法を決定している造形言語があること自体が無意識です。
丹下健三の建築、亀倉雄策のポスター、
そして柳宗理のトーチホルダーは東京オリンピックを
おそらく世界で最初にデザインが引導しました。
そして今日のオリンピックデザインが日本から始まっているのです。
建築家もグラフィックデザイナーも有名ですが、
もっとその美意識の根底では、柳宗理の存在は無名の受け入れがあり、
特に、金沢美大の私たち弟子には、
なぜ、勝美勝氏がディレクションしなければいけなかったのか、
その理由が分かります。建築とグラフィックと工業デザインは
当然のこと激しい美学的な闘争・大喧嘩があり、
三人の闘いの調和は急務だったのでしょう。
私はその話を聞かされてデザインを学びました。
柳宗理には、彼の父親・柳宗悦の強烈な民藝論が立ちはだかり、
さらに祖父・柳楢悦(数学者・海図開発)へのライバル心があり、
血縁関係からのゲマインシャフト性への信頼があったのでしょう。
私はあらためて、
工業デザインは最近は私も含めデザイナーとしての明記が公知されますが、
結局、具体的にはこのトンネルのごとく、
アノニマスなモノとして、社会一般に溶け込んでいくのです。
つまり、パロールであるオーバルをデザイン意図とし、
エリプスというラングによってデザイン内容は受け取られています。
「デザインは意識活動である。

しかし、自然に逆らった意識活動は醜くなる。

なるたけ自然の摂理に従うという意識である。

この意識はデザインする行為の中で、究極のところ無意識となる。
この無意識に到達したところより美が始まる。」
柳宗理が我々デザイナーに書き残していただいたメッセージです。


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『モダンデザインの造形に潜むスーパー楕円』


   


     4月 21st, 2015  Posted 12:00 AM



「測円」という言葉が私はふさわしいと思っています。
測円というのは、関考和でしたが、今は「楕円」です。
そして、楕円はovalとellipseが英語では二つの言葉があり、
私なりには、ovalはラテン語から卵の曲線意味ゆえパロール。
しかし、ellipseは数学的ゆえにラングとその言葉使いを決めています。
というのは、私がメガネデザインに取り組んだ時に最も懸命に
「スーパー楕円=Super ellipse」にこだわっていたことがあります。
このスーパー楕円でのメガネフレームのレンズカット形状商品は
全く売れませんでした。
それ以後、スーパー楕円らしきメガネフレームは存在していません。
なぜ、また楕円というより測円、そしてスーパー楕円は、
モダンデザインでは多くが成功をしています。
最近、私が最も関心を持ったのは、iOSのOは見事な楕円です。
これはジョッブスの置き土産であり、
彼がカリグラフィの学術的芸術的知識から差し出したデザインには
それこそAppleでも気づいているのだろうかと思います。
今私はもう一つ、モダンデザインの源流に、
このovalとellipseでの造形意図と表現を整理しています。
特に、スーパー楕円でのモダンデザイン造形の形分析をしています。
これは楕円がパロール的造形とラング的造形にまで立ち入れば、
二つの造形が読み取れてきます。私自身がデザイン評論として、
これまで取り組んできたのは倉俣史朗デザインでした。
それをベースにもう一つは恩師の柳宗理デザインです。
柳宗理生誕100年記念講演は教え子の一人として、
美大先輩達からの強い要望は、
これからのデザインを語る基盤に柳先生のデザイン、
その置き土産に潜む、アノニマスとゲマインシャフトを伝承します。
私の解釈論で柳宗理デザインのその造形を、
金沢21世紀美術館で語ることだと考えています。
柳宗理デザインとAppleデザインは繫がっているようです。


* 柳宗理生誕100年記念講演



























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「安易な包丁デザインは絶対しない」


   


     2月 13th, 2012  Posted 12:00 AM


タケフナイフビレッジが知られるようになってから、
福井県ブランド「ECHIZEN」もつくりました。
そして産地全体が商品化できる包丁をデザインしました。
ヒット商品になり、中小企業庁長官賞もいただいたモノです。
四つのポイントがあります。

●1 グリップ形状が楕円(A)から正円(B)になっていて、
しかも正円までのテーパーがあるにも関わらず、
ハンドルグリップは抜け落ちすることがありません。
●2  日本の包丁には必ず(C)部位には刃先処理が必要です。
これは日本料理をするにはこの部分で、
たとえばジャガイモの芽取りや、魚処理で必要です。
最近の包丁にはこの部位刃づけが欠落しています。
●3 グリップと刃=ブレードにはグリップに端面処理(D)が不可欠です。
なぜなら水使用でここからグリップへ水分が入るだけでなく
大腸菌が繁殖する可能性があります。
●4 そしてほとんど木製のグリップは、
二カ所(E)にピンを打ち込んでブレード+グリップ留めをします。
私はこうした木製グリップは安易なデザインだと思っています。
だから、このデザインでは(D)からグリップに差し込んで
グリップ固定をする構造設計をしています。

国内外の包丁やキッチンナイフには、こうした条件を全うしていない
安易なデザインが氾濫していると指摘しておきます。


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