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「未構築・非構築な『知財権』と制度設計」


   


     11月 7th, 2011  Posted 12:00 AM


フリーのデザイナーになって以来、
国内でのデザイン契約は大きな悩みになっています。
「契約」そのものへの抵抗は未だに大きく残っています。
Apple社や海外メーカーは、
英文での取り決めは詳細細部にまで及んでいますが明快。
市場調査時の交通事故や、ワークスペースの施錠までが
契約条件でした。
最近ようやく日本では「知的財産権」が重要視されてきました。
しかし日本では「以心伝心」が強く、「契約社会」への抵抗があり、
契約風習が無かっただけに混乱しています。
大企業の法務部は、ようやく大学院卒が、
この知識、特に国際的なルールとして「知識だけ」があります。
特に、「意匠権」となると私が上図でまとめたように、
このような構造図式に、実務的に位置していることや、
現状商習慣にはまだまだ「制度設計」しているとは思えません。
昨年は、「知財年報2010」にて、
早稲田大学での講演をまとめ直すことになり、
あらためてデザインと意匠権を再考することができました。
まして、大学人としては、大学での利益相反関係も、
まとまった制度にはなっていないのが現実です。
にも関わらず、兼業との関係や利益相反は不完全なままです。
今、日本を二分しているTPPにおいても、
「知財権」と「関税」の関係などは条件記載があるのでしょうか。
今や、「意匠権」など中国はほとんど無視しつつも、
日本の「商標」をどんどん国際的な「商標権登録」をしています。
これは貿易国家・日本の大問題だと認識すべきでしょう。
私はとりわけ「意匠権」と「知財権」について、
特に注目と提言をしていくつもりです。
「知財年報2010」でも「アプロプリエーション」について、
デザイナーは無知過ぎることを指摘しています。


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『資本主義からの逃走』
    「知財権と人権の関係はもっと熟考を」


   


     12月 15th, 2010  Posted 12:02 AM

「知財権」と「意匠権」
今年3月「知財権」に関わりました。
早稲田大学にて「意匠権」を話しました。
最初、気軽にこの講演を引き受けていました。
ところが開催が近づいてからその趣旨を読み、これが大変な企画であり大ゴトな講演だったのです。
ほとんど真っ青になるほどの内容に、私は混乱しました。
幸い、恩師はデザイン界においては特に「意匠権」、この道の開拓者でした。
先生に電話で30分、もう一度講義を申し込みました。
無論、一時間ほど講義をしてもらいました。著作権から特許までを一気に教え直してもらいました。
結局、自分のこれまでのデザイン活動での「意匠」という考え方から、
「意匠」と「デザイン」との距離感をまとめて、
ちょうどBusiness Design Modelの具体例を実例紹介しながら、専門家相手に講演しました。
ここまでで、ようやく自分の役割は終わったと思っていました。
ところが、その講義内容をまとめることになったのです。
講義内容そのままのテープ起こし文章が届きました。
これほど話をしたのだという思いと、
このままでは「誤解」を受ける箇所もあることに気づき、
さらに解釈を加えて手を入れました。
この作業はかなり大変でした。
結果、昨日これらが一冊のレポートにまとまりました。
『知財年報2010』
『知財年報2010』に私の講演内容が掲載されました。
なんでも法学分野では毎年出版されている定本だそうです。
今年の特集は、「パブリシティ保護をめぐる最新動向」でした。
3月に気軽に引き受けて、再度、講演口述を文章化することで大きな知識獲得になりました。
今年は、いくつかの学会での基調講演はすべて「報告書」になりましたから、
あらためて検証することができた年になりました。
さて、あらためて『知財年報2010』を詳読しています。
知財の中で「意匠権」は、登録も激減しているらしいようですが、
その重要度は、デザインの多様化とともにその詳細規定を制度化していくべき分野です。
「知財権」・「意匠権」ともに、発案者・発明者の独占利益保全です。
知財権と人権の関係
今、私はこの発案表現者という人権との関係をさらに熟考させられていると思っています。
私が「意匠権」として「アプロプリエーション」を持ち出したことは評価されたとのことでした。
表現者という「人権」と「デザインされたモノ」の関係はこれからも大きなテーマになるでしょう。


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