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Posts Tagged ‘系譜’


『伝統工芸産地へデザイン導入時の試作をやればこそ』


   


     6月 14th, 2014  Posted 12:00 AM

私がふるさとの越前打刃物産地にデザイン導入をしました。
すでに30年前車倚子で福井にUターンして取り組んだデザインです。
東京で最も花形のオーディオ製品開発を障害者ゆえ諦めて、
伝統工芸産地にデザインを何としてもと取り組みました。
今、この産地には第二世代後継ぎが生まれ、活性化しています。
比して、全国各地の伝統工芸産地はやがて消滅していくでしょう。
その最大の理由も分からずに、やれ産地活性だ、やれ見直しだ、
このようなことを叫んでいるデザイナーを見ると、
「何も分かっていない」と、とても苛立ちます。
伝統工芸産地には、「系譜」が綿々とあり、その無知さを、
これまた仕事でしか無い行政に何が出来るというのでしょうか?
有名デザイナーを連れてきたとか、若手新進だからとか、
呆れかえるほど知性無き輩には、喧嘩を挑まなければなりません。
その確信は三つあります。まず、知性ある美学性が大欠落しています。
それゆえに、美学性などは当然皆無で自己顕示欲だけです。
マスコミ受けに、行政が乗っかろうとしている実例だらけです。
これらはいづれすべてを列挙しようと考えています。
先般も、やはり行政がやりだすとここまで酷いかを知りました。
行政に猫撫で声でのリーダー気取りは高校時代なら殴っていました。
このような輩は、あたかも伝統工芸の瀕死状況を訴求しています。
ふざけないでいただきたい。その輩は産地を利用しているだけです。
私には30年取り組み、今なお最新に向かう手法があります。
なぜなら、デザインは時代を競歩しなければなりません。
その知識から知恵が美しさに向かわなければ無意味です。
この無意味さもわからない連中は、歴史で抹消されていくでしょう。
その前に、私が抹消させたい輩の実名や組織名を発表すべきでしょう。

「タケフナイフビレッジ第二世代へ理念を伝える」
「750年をタケフナイフビレッジで革新して30年」


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『画面プレゼンテーションを再考せよ』


   


     11月 5th, 2013  Posted 12:00 AM

「パワポ」という言葉が一般化していますが、
このソフトでのプレゼンテーションでは「発想」は起こりません。
それは、PowerPoint1.0=白黒からPowerPoint2.0=カラーを
日本で最初に使ってきた一人として断定することができます。
私自身はKeynoteになって以来本来はLightShowからの系譜こそ、
思考し、レイアウトし、プレゼンでの視聴者への訴求は、
Keynote以外は無理だと結論づけています。
実際PowerPointでの講義は眠くなってしまう傾向が起きています。
そして、私が拘ってきたのは、常に画角を4:3ではなく、
16:9でのプレゼンをいつでも要請してきました。
しかし、これはほとんど無理ですが、舞台上のスクリーンなら、
可能で有り、しかも私はメイン画面とサブ画面を使い、
さらに、正面のバックにはPinP=Picture in PictureでVideoで
背景を流したその上に画面を二つ入れます。
この構成にすると、プレゼンテーションの背景・メイン・サブを
立体的に構成しなければなりません。
したがって、この構成にしていくには、発想・表現・伝達には、
相当に熟考を余儀なくされます。
この熟考こそ、発想から表現の立体的な思考で、
特に、複数画面の構成を構造化していくことになります。
私は、音楽も入れますし、動画を使います。
かつて、「先生は講義に音楽を使われるそうで・・・」と、
この嫌味平然の教授のパワポなど見るに堪えない汚さでした。
ただ最近は、説明していくことも面倒ゆえに、
会場の設備に応じた画面構成をしています。
正面に背景・メイン・サブ、
そして会場左右に3画面ずつ
となればプロジェクターは9台です。
私は、これを構成してこそ本来のプレゼンテーションが出来る!、
発想から表現の多重化による伝達は、熟考するには、
脳内での構成構造能力には、これだけの思考回路が必要です。


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「Makers Summit @ 阪大にて3D-PRINTINGの発信基地」


   


     7月 7th, 2013  Posted 12:57 AM

阪大出身のデザインエンジニア・八木啓太君の誘いから、
関西で最初のセッションイベントを開催しました。
当初、主催者側にも阪大の吹田キャンパスは、
集客が困難だからと伝えましたが、
すでに阪大学生たちは準備に入っていました。
かねてより、米国からのこのブームや、
わが国でも大きな誤謬を感じていた私は、このブログでも、
連続して光造形の系譜を書いてきました。
私だけでなく、阪大の河田教授、石黒教授も参画をしていただき、
主催者の要件を飲み込みながら、
私の研究室が影になって集客や会場運営などに励んでくれました。
懇親会が終了になって、石黒教授は帰られましたが、
河田教授、そして、呼びかけ人の八木君や運営学生たちと、
集合写真を撮りました。
私は、限度ある時間だったので、
大急ぎで講演とセッションに加わりました。
これから、次第に「阪大から」の3D-PRINTINGを正確に、
「日本戦略」を発信していきます。


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「3D-PRINTINGの発展とそのデザイン進化を日本から発信」


   


     7月 2nd, 2013  Posted 12:00 AM

「3D-PRINTING」という技術をデザインで進化させます。
光造形=ラピッドプロトタイピングは日本の発明でした。
この系譜をスタートから実務化してきた少数の知的思考は、
欧米の方向とは、全く異なる世界観を創出しました。
欧米、特に米国で流行化している「MAKERS」思考は不採用です。
オバマ大統領の所信表明の誤謬と選挙手法を疑いました。
家庭用と工業用の混在で生まれた流行を傍観検証しました。
あくまでも、この流行で未来を呼び込むことは大間違いです。
私自身は、ラピッドプロトタイピングを随分試してきました。
だから、安易に「金型に使える」という大企業の知識不足を
疑うとともに全否定することができます。
3D-PRINTERと3D-PRINTINGを明確に使い分けます。
そうなると、この機器そのものである方式が気になります。
単に「インクジェット」と言っても方式は3つもあるのです。
そして、最も注視しなくてはならないことは、
「素材のあり方」です。
そして、これが未来へのイノベーションと言うなら、
現在のモノを立体印刷する、次の時代を見つけ出すことです。
私はずばり、この方向ですということはしばらくは?にします。
なぜなら、私はこの日本の新たなMade in Japan DESIGNを
趣意書=Prospectusにしていきたいからです。
「モノづくり技術立国」を「モノづくり美技術立国」として、
世界で最も信頼と憧憬される国家にしていきたいと思います。
すでに、私は3D-PRINTINGの専門家集団を選びぬきました。
それは、光造形から粉体造形、3D-CADのこれまでを知り尽くし、
さらに家庭用、業務用、産業用、それぞれで何が可能だろうか、
何が3D-PRINTINGで実務になるかを想像した人に限るのです。
私は、現在の日本、大企業から中小、地域、伝統工芸産地で、
様々なデザインを試行錯誤してきました。
だから、3D-PRINTERの技術とデザインが革新する領域、
この領域にこそ、このダイナミクスが立ち向かうことを
明確に認識して実行して、日本から発信、阪大から発信します。


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「日本の倫理性が3Dプリンターの根本を変える!」


   


     5月 31st, 2013  Posted 12:00 AM

3Dプリンターがとても話題になっています。
私自身、そして確実な人たちからの依頼もあって、
光造形から3Dプリンターまでの系譜を書いてきました。
話題になっているのは三つあります。
・大統領が本当は票集めなのに演説に取り入れました。
・モノづくりの傍観にすぎない著作がベストセラーです。
・廉価な3Dプリンターで、拳銃・マシンガンまで造れます。
このような拍車がかかりました。
しかし、未だに18世紀からの兵器が社会安全の擁護道具、
このような認識にしばられている社会性には、
根本的な倫理性は育成されていません。
本来、戦争なんて最も望まなかった、
それこそ「武士道」のあるわが国には、「日本刀」すら、
武器ではなくて「象徴」としてきた私たちには、
潔癖な倫理観があるはずです。
それは宗教でもなく、哲学でもなく、日常感覚に根ざした事です。
いまなお、SF映画でもマシンガンは18世紀の遺物に過ぎません。
その撃ち合いを冷徹に眺めることです。
拳銃?、マシンガン?、ひいては原爆、軍事、つまらないです。
だから、わが国なら、
その軍事・警備の銃器武器こそ変革するべきでしょう。
私が大学人にもどって、
「先端統合デザイン」を「危機管理産業創成デザイン重要拠点」を
目指してきた具体的な理由は、
軍事や警備や防災や防犯を根本から変えることです。
確かに日本でも警察官はじめ自衛隊でも武器を所有しています。
しかし、「武器」そのモノが、
人命尊重で有り、軍備をしないことを認識した「器」=文明です。
それこそ、日本での3Dプリンターは、
元来、光造形でも日本の発明系譜を遵守して、
「失神させるだけの攻撃防止」、この技術とデザインで、
「倫理性」を確実に獲得できる「産業化」を狙っています。
日本の叡智は、倫理性=尊重と敬愛を源泉とするような、
たとえそれが「武器」であっても、
コレを「変革」させれる頭脳と社会システムを保持しています。
私は、たとえ3Dプリンターですら、
倫理性をデザインの奈辺にしたいと思っています。


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「光造形と3Dプリンターでクラインボトルはなぜか?」


   


     5月 22nd, 2013  Posted 12:00 AM

これは厳密にはいわゆる数学でのクラインボトルではありません。
しかし、3Dの造形においては、
「造形システム」での手法や装置が極めて重要です。
たとえば、
なぜ、Desk Top Publishing=DTPが時代要請だったのだろうか?
この質問に戻らなければなりません。
DTPではPostScriptというOSが無償でユーザーに供給されました。
結果、PageMakerというレイアウトソフトは1986年に生まれ、
Illustrator88がその期待の元に出てきました。
世の中はレーザープリンターの印刷精度値を進化させるのです。
商店街から「軽印刷業」が消滅を始めました。
これは2Dの「版」離れを意図した世界観的な存在感、
少なからずパソコン自動製版と呼ばれた革新でした。
同時期に日本では光造形という実験成果で特許を求めましたが、
見送られた現実がありました。
2Dの世界観を3Dに求め始めるのは当然でした。
その一人がデザイナーの私だったのかもしれません。
明確にニュージャージーのベンチャーとプリンストン大学が、
「歯車」をすでに実現していました。
私は、この装置が欲しく、3D-CGと3D-CADを学ぶために
ベンチャーの本社(トロント)で二夏訓練を受けました。
3D-CGでは、Natural Phenomenaという
今では当たり前の、水と水飛沫や燃える火、夕焼け表現でした。
しかし、私の頭の中では、金型=「型」から解放される、
そんなモノづくりを夢見ていました。
光造形のクラインボトルは、
「何のため?」とどれだけこれまで聞かれたことでしょうか?
想像力のある人は、
金型では決して出来ない自由な表現や実務対象を見つけました。
そこで現代では拳銃やマシンガンさえ3Dプリンターでの
実現可能性が明確になり始めてしまいました。
わが国、日本の技術進化=「技」の系譜は、
はっきりと光造形の下敷きの上に、
3Dプリンターの「技」が確かめられることが分かりました。
このクラインボトルの形態を自由に変形させ、
かつ様々なイメージをそのまま造形化するのに、
廉価な3Dプリンターでもここまで出来ること、
これが重要だということです。


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「USBからワイヤレス化と電磁波空間」


   


     9月 3rd, 2012  Posted 12:00 AM

明確に記憶していますが、
レガシーインターフェイスからバスインターフェイスが汎用化される。
こんな情報を1993~4年頃に、
当時、EIZOモニターをデザインしていましたから、
私はとても興味と期待を持って待っていました。
USB=Universal Serial Busになって、
本当にPCはじめデジタル機器のコードコネクションは便利になりました。
最近は、miniUSBやmicroUSBでコード・マネージメント、
これはEIZOブランド商品で私が提示しましたが、
おおよそ、この写真にあるようにほぼ5種程度でいいようです。
無論、
私にとってはオーディオ用のUSBコードの進化に最も注目しています。
USB性能の進化は、転送速度と機器間の相性問題があります。
だから、安易なコードがUSB3.0といえども、私自身は信用していません。
オーディオ用のUSBケーブルが、miniやmicroになり、
しかもノイズ対策が完備してほしいと思っています。
機器設計デザインの立場だと、
microUSBが基盤実装上でも効率的なレイアウトが可能です。
つまり、データー転送の信号ケーブルと電源コード、
ローパワーデバイスとハイパワーデバイスだけでなく、
さらに、
各種機器間のコネクションケーブルになってほしいと思っています。
しかし、将来は、USBコネクションもワイヤレス化が望まれますが、
これも空間の電磁波問題は、まったく見通しもついていません。
私としては、このUSB進化の系譜が
そのまま「医療機器」のコードコネクションをまず完成させ、
そのワイヤレス化、当然電力デバイスへの進歩であり、
この時の電磁空間が与えるであろう人体への影響です。
私には、ICDが身体に埋め込まれていますから、
電磁波空間は生死に関わっています。
明言すれば、
電磁波空間も放射能空間も同次元・同位相なのかもしれません。
考え過ぎかもしれませんが、
それでもUSBは大きな進化だったことは間違いありません。


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「ふるさと偉人の「ち」の系譜を再興したい」


   


     6月 1st, 2012  Posted 12:00 AM

現在、私は大阪大学にいて幸運なこと、
それは、阪大が適塾からの歴史をもっていることです。
適塾には、最も尊敬する橋本左内が適塾で学び、
緒方洪庵は、
「後世、適塾有りと語り継がれるならば、
橋本左内をもって他無し」とまで、
橋本左内の能力を評価していました。
その橋本左内は福井藩の侍医家系であり、
日本の医学史においては、
麻酔薬による外科手術を成し遂げた華岡清州に、
橋本家は学び、その弟子筋に藤野家がつながります。
藤野厳九朗は仙台医学専門学校の教授でした。
彼の存在は、
中国近代文学の祖と言われる魯迅よって明らかになります。
魯迅は仙台で学んだ師と仰ぎ、
恩師との関係は中国の教科書に載るほどでした。
藤野厳九朗の甥には、藤野恒三郎がいます。
彼は大阪大学教授として集団食中毒の腸炎ビブリオの発見者。
私が彼の存在を知ったのは、
適塾で使用されていた道具類を骨董的価値としてではなく、
近代医学史の資料として買い集め、
そのまま阪大に寄贈していました。
そして、彼の近代医学史の著作があります。
「医学史話・杉田玄白から福沢諭吉」です。
そして、この本こそ、日本の近代医学史の原典と考えます。
ところがすでにこの本は絶版になっていました。
この著作は、杉田玄白も福井県出身であり、
橋本左内についても詳細に語られていることです。
そこで、この復刊をと想い続けてきましたが、
復刊出版社が見つかり、復刊が決定しました。
本来の出版社はもう存在せず、
問題は、藤野恒三郎の末裔の方々の了解が必要です。
福井の友人達にも調査を依頼しました。
あらためて、三国町を中心とする藤野一族、
そして藤野恒三郎家筋の方々の情報、
さらに了解を求めたいと思っていますので、
心当たりの方はご連絡ください。
「ち」、まさに「知」と「血」、
その系譜を連続させたいと願っています。


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「松岡正剛『ち』の根源=漢意による決定」


   


     5月 30th, 2012  Posted 12:00 AM

松岡正剛は「連塾」のみならず、
ことばの定めとして「漢字原意」をよく語ります。
私も常に追い求めてきたのは「漢字の系譜」でした。
小学校時代に、藤堂明保博士の講演を聞きました。
しかも、藤堂博士は何度も福井にみえていたようです。
私は転校した小学校でも、また、講演を聞いたのです。
そして、父からも書における、
たとえば「月」という漢字の書形には、
形(天体)と容(身体)があることを教えられました。
書家であってもこうした表現への無知が増えてます。
私は40代になって、ようやくなぜ、
藤堂博士が福井での講演をし回っていたのだろうか、
その理由を推測できるようになりました。
漢字の解釈、甲骨文字から説文解字や金文体解釈などにおいて、
藤堂明保と白川静は正面衝突する解釈論議の真っ最中だったのです。
二人の対決は学者域を超えるほど凄まじいものであったことを知りました。
そこで、藤堂明保は白川静の出身地・福井で、
小学生に向けてまで彼の自説をアジテーションしていたのでしょう。
私は当然、ふるさと福井の偉人である白川静をこよなく敬愛し、
彼の著作はほとんど読破し収集していると思います。
そして、中国の象形文字解釈にまで自説を展開した白川静説こそ、
「漢字の原意」だと盲信してやみません。
松岡正剛氏も、結論として「漢意・古意」として、
その基盤を白川静説を確信しています。
そして、白川静についての著作、
漢字解釈の入門「白川静」決定論を書き上げてしまいました。
松岡正剛氏と「白川論議」は、
幕末論に至り、特に「橋下左内」にまで及びます。
なぜなら、白川静氏は「橋本左内」についても、
相当な研究者であり、橋本書簡の収集もされていたということです。
さて、今や中国語の漢字は省略形になってしまい、
「漢字」に込められた思想の根源を完全喪失しています。
私自身はそう思わざるをえません。
象形文字に込めらた思潮の根源は、
すべからく「白川静説」をもってこそ、
これは「東洋の思想・哲学」の根本を決定していると断言します。


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