かえって、
明確な主張を打ち出さなければ、
最後まで、
発表者は何が言いたかったのか、
それは観客を混乱させるだけで、
効果はまったくなかったということになる。

それよりも、もっと自分を解放して、
「楽しむ」ための方策、
「いい加減」さの重要さ、
「良い加減」になるもんだということを
知っておいた方がいいと思う。

そんなとき、限られた短い時間のなかで、
相手の心からの共感を得て、
自分の夢に賛同してもらうためには、
やはり自分自身が
どれだけ相手に信頼感を与えられるのか、
ということが決め手になる。

それぐらい自分自身、
誠実でありたいと思う気持ちが強いのだ。
パカ正直に生きてかまわないと思う。

「おじいちゃんは人にいっぱい騙されてなあ。
　でもな、
　本当は騙す方よりも騙される側の方が
　利口なんだよ。
　騙される人間は、
　誰に対しても悪いことをしていないからな。
　本当の利口さとは、
　せめて自分は正直だと自信があることだ 」

そう考えると、
アイディアを述べる自分という存在は、
一種の媒体ということになる。

そして、「わがまま」を
内面に育てていく源として、
自分のアイディア(発想) を
徹底的に愛するという
心構えが必要になってくるのである。

見た目にもわかるほど、
自分の発想を語る口調に熱意がこもり、
時には聞く人を圧倒してしまうほどの
魅力的な表現と伝達、
すなわちプレゼンテーションができるのだ。

答えは簡単だ。
自分のアイディア( 発想 )を
死ぬほど愛せばいいのである。

今思えば、
子供の個性を大事にしてくれていた
とわかるのだが、
当時は自分の 「 わがまま 」を
とことん聞いてくれる最も都合よく、
そして頼もしい存在だった。