kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘趣味’


「ヒエログリフにも障がい者は描かれている」


   


     6月 30th, 2012  Posted 12:00 AM

車椅子生活、障がい者になって以来、
私は徹底的に歴史的、絵画的、文学的など、
その領域に登場する障がい者を
趣味のごとく収集してきました。
このヒエログリフは、
元来はヒエログリフ文字という象形文字から、
アルファベットの形態を探っているときに発見しました。
女性は、確実にヒエログリフでの説明があり、
現代医学的には筋ジストロフィーではという予想があり、
もう一つは確実にその時代にも、
小児麻痺があったことを示しています。
最近では、クロマニヨン人の時代に、
障がい者を家族が看ていたという推測もあります。
この推測の系譜を私はまだ追いかけています。
要は、人間の心情に備わっている「同情」と言う心理、
心理学的には他愛主義に結びついているでしょう。
しかし、自己主義の極点は、非情です。
この非情性に宿るのが「差別感」が入り込むのです。
結局は、人間の心理の異常性を自己認識することです。
この自己認識ができるかどうかは、
自分自身の無知性が引き込んでくるものと思います。
私は多分、車椅子にならなかったら、
ヒエログリフ世界に入り込むことは無かったでしょう。
ヒエログリフを知ることは、
無知性から開放される大きな手がかりでした。
無知性への直接的対決は、
「知識」の獲得であることは間違いありません。


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「書くための万年筆の真の意味」


   


     4月 8th, 2012  Posted 12:00 AM

「衣・食・住」は日常生活の基本です。
私はこれに、「医・職・趣」を付加します。
衣食住は文明です。
着て食べて住まうことで人はまず生きることができます。
そして医療・職業・趣味は、まず健康でありたい、
職業を持って社会での役割を自己確認します。
その上で、自分なりの楽しみとしての趣味を持つことで、
生活は文化性を帯びるというのが簡単な私なりの解説です。
私はすでに40年デザイナーという職業を持ってきました。
しかし、医療に関しては車椅子であり心臓障害を持っているために、
いつも不安感を持っています。
私の文化観は常に揺らいでいるのでしょう。
それだけに「趣味」の世界に没頭しているのかもしれません。
とりわけ、文房具、それも「万年筆」には中学時代から憧れがありました。
小説家になりたいと思い出したのが中学時代、
それも万年筆と原稿用紙への単純な憧れがあったからです。
最も、万年筆を収集し出したのは、40代に入ってからでした。
おそらく万年筆のコレクションは相当になりました。
だから、もうこの程度で辞めておこうと思いつつも、
最近、アウロラの新製品(写真)をやっぱり手に入れました。
だからその類いの雑誌も精読するほどです。
ただ最近は、万年筆=「書く」ということには二つの意味を求めています。
一つは、「書く」ことと「描く」こと、
結局スケッチを描くのに最適な万年筆を求めています。
そしてもう一つは「書く」というのは「欠く」ということが原意ですから、
何がまだまだ自分に「欠けているのか」、
それは
「欠落していること」に十分に気づいておきたいと真剣に考えています。
だから、新しい万年筆を手に入れると、ともかく「文字を書いてみます」。
おそらく、「文字を書く」という行為が、
自分の中にある「ことば」を紡ぎ出すことで、自分には無い「ことば」、
欠落していることを見つけ出そうとしている、
本能なのかもしれないと思うのです。
そして、スケッチを描く=スケッチを書くと言うこと自体が、
できる限りの発想を吐き出そうという行為、
すなわち、欠落=「欠いているアイディア」をともかく紡ぎ出す行為だと
自己解釈しています。
そういう意味こそ、「趣味」の核心だと思っています。
「欠落している自分」を探し出す行為なのでしょう。
それが不安な健康・医の世界への
大きな抵抗力にもなっていると判断しています。


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2月17日 staffblog


   


     2月 17th, 2012  Posted 8:05 PM

2月17日

本日訪問した企業にて、
Nゲージ(鉄道模型)のレイアウトを前に
説明を受ける
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)

これはれっきとした営業ツールで、
取引のある鉄道会社の担当者ごとに、
走らせる車両をその会社の物に変えて、
こころをつかむことで、
商品の売り込みを円滑に進めるとのこと。

鉄道模型は
BOSSの趣味の一つでもあります。
担当者の方と、本日のプレゼン後の
しばしの歓談です。


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「手芸のカラフルの整理された色彩に和む」


   


     2月 17th, 2012  Posted 12:52 AM

何年ぶりでしょうか。
「手芸屋」さんをのぞきました。
毛糸や生地やファスナーや糸巻きを
いっぱい目の中で溶かすことができました。
毛糸もこんなにやわらかいモノからとか、
糸巻きはすべてプラスチックに巻かれていました。
店頭で商品になっている洋装店の商品、
その部品を一堂に介して結局4時間ほど浸りきっていました。
ともかく、糸巻きの芯が一番欲しいとずーっと思ってきたのですが、
すべてプラスチックの芯でした。
それがとても残念であったのと、母を思い出してしまいました。
毛糸を買いました。
指で編んでみたいという衝動買いでした。
おそらくそのような時間はないでしょうが、
指編みを思い出したいという気持ちです。
編めなくて、この毛糸の柔らかさに時折触れてみようと思った次第です。
もう連日、頭の中ではある計画の実現、
それには膨大な人間関係に忙殺されます。
その緊張感と関係のバランス感覚に飛び込んでいかなければなりません。
「手芸」って男的な趣味ではありませんが、
確実なぬくもりがあります。
ただし、私は「手芸的」と表するのは、
素人感覚を揶揄するときの言葉です。
しかし、こうした手芸屋さんに、
揶揄する「手芸的」ということばは見当たりません。
そこで、ひたすらiPhoneで、
そのカラフルさだけを撮ってきてその感慨を記して置こうと思いました。
私が受け取った感覚、
手芸の部品や素材をこれだけ見ただけで「和む」ということは確実です。
ゆっくりとした時間の中で、毛糸と戯れたいと思い込んだ時間でした。

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8月18日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 18th, 2011  Posted 1:41 PM

8月18日 先勝(乙巳)

私は、趣味性というのは、
興味を一点にコンバージョンし続けている
ということだと思う。

それから、
なんらかの日常的な作法で、
その対象と向かいあっている。
それが本当の趣味であるということがわかった。

『デザインという先手』手巻き


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8月10日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 10th, 2011  Posted 10:00 AM

8月10日 大安(丁酉)

趣味が、逃避になっていることもあれば、
趣味をも飲み込んで社会的な存在の
力量にしてしまう男もいる。

そして、その趣味の対象や領域から、
その男の個性が発生している場合がある。

『デザインという先手』手巻き


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8月9日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 9th, 2011  Posted 11:29 PM

8月9日 仏滅(丙申)

男は趣味に興じて、そして男になる。
それは自分の存在証明だと思ってきた。

『デザインという先手』手巻き

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「現代文房具はどうして面白いのか」


   


     6月 3rd, 2011  Posted 12:00 AM

文房具は、私はなぜか好きです。
おそらく嫌いな人はいないでしょう。
そして、文房具の種類は圧倒的に膨大。
これは文化と直結しているモノの大体系です。
「書く」という行為、
人間が表現をする「書く」という所作を取り囲んでいます。
基本は、「紙」と「鉛筆」、消しゴムであり、
やがて、紙周辺、鉛筆の進化、
書いても訂正するというためのモノに広がっています。
そして、さらに電子化と情報処理が加わって、
文房具のアイテムは格段に増殖している世界に私たちは居ます。
「鉛筆」というモノの発明が、
私たちが表現する世界をさらに拡大し、
表現された事を記録し、残していく所作の道具や器具も、
文房具になっていくわけです。
あらゆる鉛筆への興味は、
筆からペン、万年筆、さらには電子ペン、
それらが趣味収集の対象にしているの事が、
私の生涯をすべからく表していると言ってもいいわけです。
ちなみに、私はどんな服装の時でも、
「ペンの類」が無いと不安になります。
だから、ちょっとした外出でも、
それに見合ったペン=ボールペンなり万年筆を携帯します。
出張ともなれば、万年筆は使わずとも6本は選びます。
万年筆の新製品には心を奪われます。
そして実は、万年筆の軸がプラスチックの場合、
このレジンの流行がメガネフレームの流行と連動していることを
知っている人はいないのではないかと思っています。

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11月29日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     11月 29th, 2010  Posted 10:00 AM

11月29日 先負(癸未)

現実や過去よりも、
未来を見つめて生きていたい。

いつでも未来の中にいる
自分を想像し確認する。

そのための収集趣味は
重要だと納得している。

『デザイナーは喧嘩師であれ』収集数奇


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『資本主義からの逃走』
 「# 男のくせに・・・ #」


   


     5月 8th, 2010  Posted 12:01 AM

指輪とブレスレット・大好きです!
私は多分、趣味と言ったらなんでもかんでも、
好きになったら、留めを知らないほど夢中になってしまいます。
これはきっと「一人っ子」だったからでしょう。
だから、ブログでもこのことは随分と書き散らかしています。
趣味なんでしょうが、「指輪」とか「ブレスレット」には、
いつも心惹かれれば、欲しくなってしまうのです。
ただし、これは動機があります。母でした。
私が美大進学となって、ようやく学生服からいわゆるジャケット、
明らかにVAN世代ですが、これも変遷します。
学生服も、高校からは「仕立て」られていた
「高校規則指定どおり」を着ていました。
母が「仕立て」たものを着せてくれていました。
VANを初めて買いに行ったとき、
母は、「デザイナーになるのなら、思い切りキザになればいい」。
「男もうんとオシャレしなさい」ということで、
指輪とブレスレットを買ってくれました。
「こんなの女々しいから、イヤだ」と言いました。
が、母は、「綺麗なモノを身につけなさい」ということで、
その日から、指輪とブレスレットです。
夕食時、家族3人ですから、
父は、「なんだ!、それは、女々しい」と一喝でした。
が、「母が買ってくれてたんだ」と言ったら、
それ以来何も言いませんでした。
私は、今も、美しい指輪、美しいブレスレットを探し求めています。
指輪とブレスレットなど、
「男のくせに」って言われてきたこともあります。
しかし、私は、新しい指輪やブレスレットに出会うたびに、
47歳しか生きられなかった母と出会う気がしてなりません。
「男のくせに!」。そう言われれば言われるほど、
私は、指輪とブレスレットにますます夢中になっていく自分に出会います。
その出逢いを母が今も見つめていてくれる気がしてなりません。
デザイナーで良かった!と思っています。
男のくせに、をいっぱいできますから。


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