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Posts Tagged ‘進化’


『ピッケルはもうとても古くなっている』


   


     2月 21st, 2019  Posted 12:00 AM

高校時代に、どうしても欲しいと思ったのは、
「ピッケル」でした。
それは今も大切に持っています。高校時代に山岳部に入りました。
当時、山の事故が多く親戚からも一人っ子を山にやるのかと
反対の声が多かった中、父からピッケルもOKの許しが出ました。
『岳人』を教科書より読んでアルピニズムに憧れていました。
ともかくアマ二油でシャッフトを磨けあげるのが楽しみでした。
しかし、実際これを山で使うことが出来たのは、
美大で山岳部が創設されて入部してからでした。
それまで金沢美大で伝統ある空手部に所属していたので
これを機に、「退部試合」に出ました。
「退部試合」というケジメの儀礼は、
当然ほぼ皆、欠席逃げ切りなのですが、正面突破で参加し、
結局のところ思いっきり先輩には円陣になって殴られました。
が、そのおかげで今でも空手部の先輩とは付き合っています。
そして、ようやく美大でピッケルでの初めて雪上練習をしました。
京都芸大・東京藝大、金沢美大の三美大で
剣岳の源治郎雪渓・長次郎雪渓でやり、
私自身、命を落とすような滑落が2回ありました。
学生か社会人かが事故で亡くなるのも目の当たりにしました。
母からも反対があり、「谷川岳には行かない」ことを約束しました。
谷川岳ではよく遭難があり、当然ながら周囲からも反対されました。
ピッケルは「門田」(かどた=有名でした)であったのです。
いまでは、こんなに長いモノではありません。
羨ましくも、登山用品は今では大きく進化しています。


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『文明、(空腹と防寒)の根源はナイフにある』


   


     2月 16th, 2019  Posted 12:00 AM

文明とは、空腹(お腹が空いた)と防寒(寒さから身を守る)から
どうやって身体を守るかということになります。
人間にとって、ナイフは道具をつくりだす道具として必要です。
つまり、文明の根源には刃物が介在しているのです。
私のデザイン活動の源にも、幸いにして刃物があります。
刃物=ナイフは、まさに「切っても切れない仲」です。
最も、髪の毛が伸びることから、その手入れ、または髪と刃物です。
髪との儀式や文脈も多く、
ナイフが文明の基本だということにもなります。
もし、何かモノを持つのであれば、ナイフ一本あれば、
文明が開けることになります。
いわゆるナイフでも、ビクトリノックスのアーミーナイフのような
様々なナイフの組み合わせは、日本では作ることは相当に難しいです。
スイスの消防局で開発された「救助用ナイフ」は、中でも秀逸で、
自動車内の常備品として、必ず一本いるでしょう。
私がかかえる産地、越前打刃物は、
実際は1500年(750年ではなく)の野鍛冶の歴史がありますが、
スイス風の多目的ツールへ取り組むことは、とっても難しいのです。
私はいつも刀剣の進化を研究し、産地で包丁を育んで来ました。
コンパクトなモノや、機能を特化したモノのデザインを進めています。
このブログでも、ナイフは、
筆頭に文明をつくるモノとしてとりあげたいのです。


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『生録は、今はデジタル、しかしアナログで感得』


   


     1月 30th, 2019  Posted 12:00 AM

生録(ナマロク)が1975年頃、流行りました。
オープンリールデッキを持って行き、演奏者の奏でる音を、
自分のオープンデッキで録ってくるのです。
今の生録はリニアPCM録音で、すでに協会があるほどです。
それぞれの生録は、明確に異なっています。
当然、当時はアナログで、現在はデジタルです。
そしてオープンリールデッキは骨董品扱いです。
実際は、もはや倉庫の中にある骨董品の私のデッキと
ミキサーを駆使して作曲をしていました。
PCM録音も、名古屋で開催されたジョージ・ベンソンのコンサートで
車イスだから自由にナマロクをやってしまった経験があります。
「やってもらっては困ります」。
「何でだ?」、と言えば、まさか車イスが、となり、自由でした。
しかし、オープンリールデッキ8chでやれれば
きっともっと音が良かったと思います。
それこそレコード盤を造るメーカーは2社しか残っていません。
しかし、2社は残っていますから、このブログでもデジタル、アナログ
未来と過去をつないで、進化とその真髄が
失われないよう紡いでいかなければなりません。
そういう意味でも、骨董品となっても、
しっかりと書き留めなければと思っています。
ナマロクもアナログ時代の方がやっぱり良いのです。
「感得」とは絶対にアナログが基本だと思っています。


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『2018年での平成最終の「忘年会」』


   


     12月 30th, 2018  Posted 12:00 AM

毎年恒例の「忘年会」。
ワイフ(左)と私(右)。
簔豊氏・金沢21現代美術館名誉館長であり、現在は兵庫県美術館長。
ハーバード大の美学博士。元は金沢市助役。
阪大の外科学第一部長であり、
今ででの細胞の薬事法に認められた心臓外科医、
iPSでの循環器での進化目覚ましい、医学博士。
いとこである東大からの最初の宇宙工学者で、
宇宙開発事業団からJACX出身、宇宙軍にもかかわる、工学博士。
阪大のアンドロイドロボットの石黒特別教授、工学博士。
日本科学館でのキュレーターである内田まほろさん。
血小板より世界最小のマイクロナノロボットの東大の生田教授、工学博士。
私はデザインディレクターで医学博士。
いとこと私は古希・70歳。


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11月09日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     11月 9th, 2018  Posted 12:00 AM

11月09日 大安(乙巳)

人とモノの間に、
確実にヒーリング(癒し)が
希求されている。
進化し、進歩し、先端技術が
完成させたモノでは、
人は癒されない。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』1 クピトが放とうとした矢


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11月07日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     11月 7th, 2018  Posted 12:00 AM

11月07日 友引(癸卯)

とめどない技術進化への欲望が、
ときにはエロスとして、
私たちを誘惑し続けている。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』1 クピトが放とうとした矢


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11月06日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     11月 6th, 2018  Posted 12:00 AM

11月06日 先勝(壬寅)

人間と進化した機器との間には、
深淵なる大きな溝ができてしまった。

人間と進歩し進化し続ける技術との
間の摩擦に、
人々は安らぎを喪失してしまった。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』1 クピトが放とうとした矢


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『第三番目のICDは、阪大と繋がっている』


   


     11月 3rd, 2018  Posted 12:00 AM

私は28歳の時に交通被災で車倚子になりました。
45歳から患った心臓障害は事故の被災だったろうと
名古屋市立大も阪大も予測しています。
最初の手術で5年間(左上)は全く大きな障害が起こりませんでした。
麻酔注射1本半で、手術に耐えました。
「これが苦しいなんて・・・!」と痛さを我慢。
そして、病室に入ってワイフを見てから「痛いよう!」と叫びました。
2回目の手術の時には注射3本で、ただ部分麻酔なので意識はあり、
手術中にドクター達が「ワッー」と声をあげました。
体内にあったICDはかなり癒着していたのです。
このICDの手術は、開胸しない内科の手術で、術後の管理は慎重ですが
食事も当日からでき早期で退院が可能です。
2台目のICDでは、就寝中の発作から作動し命が助かり、
「川崎先生、死んでいましたよ」と主治医から言われたこともあります。
今回の手術前には、仕事終わりでの発作から
ICD作動2回の失神に耐え切りました。
3台目の映像で相当に循環器での解像度の医学的進化が見られます。
この3台目ICDは、これまでできなかったMRI 撮影が可能となりました
(私は背骨のステンレス鋼があるから分かりませんが)。
進化のもう一つは、携帯端末のような機器を寝室に置いておき、
モニタリングできるシステムが構築されていることです。
入院中は、CTのポータブル機器はじめ医療機器デバイスが小型化、
ワイヤレスでデータを送受信できるようになっていました。
昨年Gマークを受賞したカプセル型ペースメーカーは、
私のICDと同じメーカーですがこの機器はまだ成熟段階ではありません。
一度入れると取り出すことができないので高齢者向けとなり、
心臓内には2台くらいしか入れられません。
専門家を入れた審査でないとこういった評価判断は難しいでしょう。
デザインはもちろん、医療はじめ専門的な知識が
不足した審査をするGマーク審査委員を私は批判しています。
かってスウェーデンのインスリン シリンジを
私はGマーク審査で落としました。
それこそ厚生労働省から随分と抗議がありました。
いのちが関わる医療機器はデザイナーが「生理学」程度を
しっかりと学んでいただきたいと思っています。


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08月12日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 12th, 2018  Posted 12:00 AM

08月12日 友引(丙子)

登山用品は進化している。
というよりも、
スポーツ、
全ての用品は進化している。

 


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『「キスリング」で夢中の頃から登山用品が進化している』


   


     8月 12th, 2018  Posted 12:00 AM

今ではリュックサックと言えば「縦長」であってその形式に私は驚いています。
高校時代には山岳部にいました。
高校ではまず福井県内の石川県と岐阜県の境の山々はすべて踏破しました。
大学に入ると空手部に入りましたが助手の先生が藝大の山岳部だったので、
ともかく、空手部では退部試合に出て、それは全員から殴られました。
が、それがあるから今でも空手部時代の先輩には、信用があります。
大学ではロッククライミングや縦走が主でしたし、
当時は入山手帳に記入をするなんていうのは臆病者でした。
かっては「岳人」という雑誌が最高でした。
ところが今ではそんな雑誌などはワンダーフォーゲルという連中だけです。
そして、決まって「キスリング」というリュックサックでした。
私は、まず、これには段ボールで形を整えて、
両方には、水とガソリンとお餅を入れていきました。
さらにアルミの背負子はとても良かったと思っています。
大学では、常に剣岳の長二郎谷雪渓と源治郎谷雪渓で、
金沢美大、京都芸大、東京藝大と一緒に4年間は40日余り、
最後には個人個人で縦走でした。私は40日の針ノ木岳から直降すれば、
大町からの鉄道で戻ってきました。
なんといっても、この「キスリング」は非常に危険でした。
それこそ、私も白馬岳から不帰岳では、
リュックに重さをとられて、落ちそうになりました。
しかし宇奈月から早月連峰を4日で剣岳のベースに着くには便利でした。
今や車倚子になっても、
登山ツールやホェブス(知らないでしょう)の進化、
テントやツェルトなど、新しいモノが次々と開発されています。
なんといっても、登山靴などの進化は、
これで夏山はいいかも知れないが冬山では絶対に無理だろうと思います。
それくらい、登山用具の進化は進んでいます。


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