kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘金属加工’


『伝統はTraditionであり、工芸は問題解決の現代「技」』


   


     4月 24th, 2019  Posted 12:00 AM



刃物は、日本の三種の神器でもあります。
刃物、さらには刀剣といえば、「次の道具が作れます」。
それこそ、青銅器時代から、刃物・刀剣についても、
全く新たな「火造」・「鍛造」・焼き入れ焼き鈍しなどを産地が、
その伝統を捨てるあるいは裏切るという改革が必要です。
例えば、新潟の燕三条の金属加工の源流は「和釘」からでした。
それを、鐵の産地として、コーヒーカップから、
様々なモノづくりになっています。
ここの産地を評価をしてきました。
金属加工をベースにしても和釘から産地を変えていったことは、
とっても偉大だったろうと私は判断しています。
しかし、この産地では伝統工芸がまるで改善していません。
日本全国の伝統工芸産地は、イノベーションより、
トラディショナルの本質に
大きな舵取りができるデザイナーが必要でしょう。
産地の「活性化」は触媒としてのデザイナーが
その化学反応を飛躍的に促進させる役割を担います。
おそらく、まずは「素材と回路」が
相当に変わることが必要ですが、
適切な触媒=デザイナーこそがその方程式の要です。


目次を見る

『「造形言語」として工芸でのエンベリッシュ仕様の意図』


   


     4月 14th, 2019  Posted 12:00 AM



素材が金属である場合には性質として「塑性」と「展性」があります。
さらに、金属加工では「成形」・「切削」・「接合」が分類されます。
そして、金属加工には様々な加工方法=技が複雑化していくのです。
これは「鋳造」、鋳物という加工方法ですが、
金属の流体=金属の結晶を型から流し込み、成形します。
成形される以前に金属には接合される段階で、
素材に、デザイン意図が加わります。
それこそ「造形言語」で、デザイン意図をもって
新たな手法=技が、時代的にも加わるのです。
これは金沢美大・後輩の畠山耕治氏(現・教授)の工芸分野です。
彼は、世界各国で多くの個展を開催し評価を受けています。
私は、木工や陶磁器や、金属からプラスチックまで、
様々な素材対象にデザインしています。
それだけに鋳物という素材に、
新鮮なエンベリッシュを「造形言語」として作品をつくりだす
彼の技法は、新たな素材質感を変えていると私は魅了されています。


目次を見る

『未来創世を象徴している地場産業産地でのデザイン』


   


     6月 27th, 2015  Posted 12:00 AM



デザインには二つの役割があると私は思っています。
かつては外観性や装飾性であり、
産業経済のための付加価値を支援する実務という理解が一般化しました。
確かに、デザイン、その源流的な職能意味であったことは確かです。
しかし、外観づくりや装飾性の設計実務は、
二つの明快な役割がはっきりしてきました。
それは「問題解決」と「未来へのモノづくり」、
その明確な方向性とモノづくり思想を与えることでした。
これはメジャー=巻き尺に過ぎませんが、
メジャー筐体は切削加工によって緻密に製造されています。
この金属、アルミやステンレスの精細な切削加工は、
新潟県の燕三条の地場産業によって製作され商品化されています。
燕三条の地場産業は、和釘産業の産地でした。
その地場産業は、釘づくりを金属加工へと時代の要求を先取りするために
デザイン=未来への産業としてのモノづくりに挑戦をしてきました。
これは、付加価値産業ではなくて、明らかに全体価値としてのモノづくり、
その基本をデザインに求めてきたことを高く評価しています。
しかし、大きな問題が残っていることも書き記す必要があります。
それは、価格設定に限界を与えてしまっていることです。
ブランド設定のためのデザイン投資が海外メーカーのブランド戦略に
まだまだたどり着いていません。
私自身が地方産業・地場産業・伝統工芸産業・中小企業全体が
未だに、デザインには「付加価値」しか求めていない傾向があることです。
それはこの商品にも、問題解決への未来的正解へのアプローチが未然です。
ここまでの精彩な切削加工ができるのであれば、
メジャーそのものへの未来的知識、その先取りが必要です。
私は願わくば、その詳細をこの企業に伝えたいと願っています。
しかし、この精彩で精細な切削加工アイテムを
拡大していくためのデザイン主導は優秀賞なること十分です。


目次を見る

『資本主義からの逃走』
      「地方産業の分類が大事」


   


     11月 19th, 2010  Posted 12:00 AM

場・産業の分類
私は地方の産業を次のように分類しています。
地域産業・地場産業・伝統産業・唯一産業です。
たとえば、自動車や建設機械などは地域産業です。
その地域が部品など担当領域を分担してその集大成として製品から商品を生み出している産業です。
地場産業というのは、すでにある製品アイテムが決まっていて、
その地域で商品が生み出されている産業です。木工産地やメガネや筆などがその実例です。
こうした産業は時代的な革新とが求められています。
そして伝統産業というのは、
その地域で何か素材が決定していて時代とともに素材加工で製品アイテムが変遷していく産業です。
伝統工芸はその一つです。漆工や紙漉などがあります。
あるいは、新潟の金属加工のように昔は釘づくりだった所が、
金属製品に変わっていった産業などは時代対応してきた伝統産業であり、
地場産業と呼んでもいいかもしれません。
また、唯一産業というのは、決定的にあるモノづくり企業が唯一残っていて、
世界でも、そこでしか製造・生産されていないという産業です。
楽器などは唯一産業でありその楽器づくりが他のモノづくりに拡張していったような所もあります。
分類による問題指摘
私は、なぜこうした分類が必要かというと、
地域産業はすべてが時代的な「革新性」を常に求められているからです。
こうした「モノづくり」地域・地場などと対照的な「場」です。
地方のいわゆる街・商店街「モノ売り」産業です。
商店街はすでにシャッター通りや、かっては駅前商店街と言われていた所が
決定的に見失っていることを比較する必要があると考えているからです。
たとえば、城下町や門前町、温泉町などの低迷は地方に拡大しています。
こうした「場の産業」活性化に、分類をして問題点を明確にする必要があります。
デザイン手法は、その場の産業問題解決をする大きな手段だと思っています。
こうした「場=街=地域、そして地方」に、
欠落しているのは「企業化」経営意識がまず必要だからです。
「企業化」とは、「人・モノ・金」の時代では無いことに気づくべきでしょう。
地方の産業、その分類からそれぞれの問題を捉え直すことが必要です。


目次を見る