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『機械式腕時計とスマートウォッチの出現から』


   


     7月 15th, 2017  Posted 12:00 AM



時計の歴史はまずスイスでのトゥールビヨンやムーンフェイズ、
ミニッツリピーターなどこうした発明から機械式が発展しました。
そこに日本からクォーツ(水晶発振子)が特許無しオープンで、
一時期はスポーツ関連では必ず日本の時計が制覇していたのです。
スイスはこのことで改めて国立の時計士学校を充実して、
ほぼ10年で、今や高級時計機械式を復活したのです。
歴史的には、発明の数々、クォーツ式、そして高級機械式が特に、
男性ファッション雑誌では主流でした。
ところが最近、Apple Watchなどスマートウォッチの登場で、
腕時計の歴史は一変したと思います。
私自身腕時計は絶対に50万以上は持たないと言って実行していましたが、
一度、盗難に合い、いわゆるブランドモノが数点一挙に盗まれました。
これはかなり悔しくて、それなら余裕があればとそれなりの時計もあります。
時計は、人類が決めたいわゆる測定機でありましたが、
スマートウォッチになってからは、腕時計の機能が格段に増えました。
支払いからバイタルデータ、睡眠管理までがそれこそ毎月進化しています。
私デザインもクォーツ式は何点かあります。
そして最近ではほとんどApple Watchばかり使っています。
それこそ、私自身ブレスレットも大好きですから、
腕時計とブレスレット、これはとても重要だと考えます。
ブレスレットが好きな理由は、美大入学時に母が指輪とブレスレットを購入。
父から叱られると思っていましたが、
案の上、「男が何だ、その指輪と腕輪をして」でした。
母が美大に入ったんだから思い切り良く言われている「気障」にしなさい、
この言葉を今も守っています。
時計は今ではスマホでも確認ができますが、腕での様々なデータ管理や、
それでの行動管理が出来る時代になったことです。
結局、機械式でしかも高級さというのが、「情報化」でスイス製機械式では
もはや市場性が終わるのでしょう。
しかし、私も生年1949年機械式を大事にすることはあるでしょう。


* 『物欲によるモノの美と美あるコトへの自分』
* 『腕時計には本来、機能性の無いモノだった』
* 「私の必須道具だから・iPhoneアプリにしてみた」
* 「日本のモノづくりが構築すべきこと」
* 『腕時計というモノの機能性、その反射・代謝・照射ゆえ』


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『宝飾品を実際に確かめていた頃を思い出す』


   


     5月 18th, 2016  Posted 12:00 AM



オーディオデザインに懸命だった若き日に、
アンプのツマミ設計で「ガラス」素材を試行していた時代がありました。
ちょうど後輩がガラスメーカーのデザイン室にいて
いくつか試作を現場=工場につめて取り組んでいたことがあります。
ツマミと部品、ボリュームなどの取り付けに苦しんでいました。
ようやく、3個ほどの試作を持ち帰りましたが、
技術側も営業側もまだまだ入社間も無い私は両方から苛められていました。
若いときから「売られた喧嘩」と考える私は、
なんとしても実現したくて、「30代以上は口出すな」という気迫でした。
しかし、チーフに説得された生産コストで納得しました。
ガラスを使うという私の狙いが、今、私の車AMに適用されています。
なんとも、素晴らしい仕上がりであり、透明ガラスと機構とは、
透明ガラスの底にはエンブレムロゴが入っていて、
「そうか、ここまでの仕上げが出来るんだ」と思い、
この製造方法を聞くと、これは宝石加工メーカーに別注らしいのです。
その他のキーホルダーや、ジッポーライターのエンブレムも
すべてそのメーカー製ならではの仕上げが出来ています。
工業デザイナーは「高級品の仕上げを知らないから、
覚えてきなさい」と、上司に言われて、
銀座の和光に連日通ったことがあります。
そこでは、若者などがいる場所ではないために、
支配人に別室に呼ばれましたが、事情を話すと、
お店の方々に命令していただき、白い手袋をはめて、
高級時計やライター、そして宝飾品を実物で確かめました。
その支配人は、私のもう一人の師匠だったと思っています。

*『高級店での思い出・銀座で学ぶ』
*『インターラクションデザインの基本は可変抵抗器と指先』
*『物欲によるモノの美と美あるコトへの自分』
*『SZ-1000・私のオーディオ最終作だから』
*『万年筆メインテナンスから見えている現実』


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『万年筆メインテナンスから見えている現実』


   


     10月 5th, 2015  Posted 12:00 AM



人は達筆と呼ばれなければいけない。と、
私は父に教わり、そのおかげもあって、
福井県吉田郡にある吉峰寺という永平寺の第一道場で、
中学時代と高校時代、二夏、修行をさせられました。
吉峰寺(地元ではきっぽうじ・一般にはよしみねでら)は
禅宗、道元が開祖として永平寺を建立したときの寺であり、
永平寺の歴代優秀なお坊さんが修行をしていました。
それこそ、書を住職に教えられるだけでなく、修行もしました。
そのおかげで、書や文字を書くことが大好きです。
この連休中は体調を相当に崩していましたが、
元気を回復すると、いの一番に私は万年筆のメインテナンスをして、
ペンの書き癖の確認と、インクの入れ替えをしました。
これは重要なペンです。
おそらく、この万年筆ブランドは世界でも最高級だと
私は思っていますが、
それにはいくつかの理由があります。
一つは万年筆の長さ分割は、完全な黄金比が適用され、
重量はインクを入れた時に、最も良い書き心地になります。
また、万年筆の材質とその材質は「財質」と呼ぶべき、
古代彫刻の再現、金蔵装飾の加工、材質を財質とする
その透明性の実現があります。
このブランドには、もうひとつ,私が所有していない加工、
それは貴石との組み合わせがありますから、
世界でも最高級である理由はこの4つだと思います。
インクは今では、顔料をインクにした技術進化もありますが
その一方では、
財質化する手法が段々と無くなりつつあることは
確実なことです。
万年筆の材質感とその加工方法が失われていくことには
あるモノの進化がストップし始めていることに等しいのです。
そういう意味では、文明による加工技術が文化を果たし、
その文化が消えていくことをデザイナーとして
さらに見つめて新たな技法という技能を、
加工技術にしなければと思います。
達筆であることと弘法筆を選ばずには、
明確に関連性があると判断しています。
少なからず、デザイナーというプロで「下手な文字」は
デザイン美を手に入れるには困難だろうというのは
私の偏見ではなく真実だと記述しておきたいと考えます。
こうして万年筆をメインテナンスすることによって、
二つのことが手に入ります。
一つはメールではなくて、手紙を書くこと。
そして、材質加工によって財質加工技能の詳細を知ることです。
重大なことは、万年筆に行き着いた加工技術無くしてのデザインは
あり得ないことを明確にしておきたいと思います。
それこそ、高級時計を打ち出しながら、
その実際デザインの無知さが拡大していることも明らかです。


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