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staffblog 9月19日


   


     9月 24th, 2019  Posted 1:53 AM

9月19日

AXISギャラリーでの発表会記録その?
12日13日と両日プレゼンテーションの時間を持ちました。
堂下真奈美さんの司会進行のもと、小林一朗社長の挨拶。

そして川崎和男のプレゼンテーションです。
皆様のスマホでもKeynote Liveで視ていただけるようQRコードをご案内しました。

2日目は小林幸一会長もこの2年間の取り組みと70周年に向けての思いを語られました。


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「誤謬へのシンボライゼーションプロトタイプ」


   


     2月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

日本のインテリア界には大誤謬があります。
日本には「倚子」の歴史が無かった。
だから、イスを「椅子」と表記します。
私は徹底的に調べ抜いたことがあります。
きっかけは、ニューヨークのメトロポリタン美術館で、
ギリシア時代のイス=石で作られていたスツールと
中国の古代倚子を見てからでした。
日本では仏教伝来とともに、「倚子」が入ってきていました。
「禅家所乗物」・「高座」・「説教台」・「独榻」(トクタツ)・
「凳子」(テンス)、
このような呼称のイスがありました。
凳子は現在も中国語に残っています。
にもかかわらず、国内家具メーカーも、
イスの輸入商社も、日本にはイスの歴史が無かったと宣伝しています。
全く間違っています。
その結果が、「倚子」=人が寄りかかるではなくて、
「椅子」=素材である木に寄りかかるという表記になってしまったのです。
私の評論著作「倉俣史朗のデザイン・夢の形見」では、
彼の作品をイスとし、イス全般を「倚子」と表記すことに拘り、
編集担当の方にもこの歴史的事実を了解してもらいました。
そして、イスのデザインにおいては商品化が相当に難しい領域ですから、
あくまでも展覧会での招待作品として、
こうした日本の歴史性とともにプロトタイプを発表してきました。
とりわけ、イスのデザイン表現では、
彫刻的なまでの象徴性=シンボライゼーション=効能性が求められます。
したがって、イスにおいてはすでに、
歴史的評価デザインでインテリアが決定されています。
リートフェルト、ミース、コルビジェ、ジオポンティなど、
作家的なイス存在が空間の質を決定します。
「一脚のイスは一つの建築空間設計より難しい」と言われる所以です。
これが私のインテリア空間への基本的な造形デザインへの姿勢と態度です。
赤いイスは機能性表現であり、
その他は効能的な存在性の造形表現です。

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