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『光陰へはただ祈るだけだと思い想っています』


   


     5月 27th, 2017  Posted 12:00 AM

「光陰矢のごとし」というレトリックがあります。
かつては時間の過ぎ去る早さだと思っていましたが、
60代になると知人・友人、その周囲の人が、
突然、逝ってしまう事が増えました。
その度に「会えなくなる」という無念さで胸がつまります。
「長友啓典」氏といえば、デザイン界、
それもイラストレータの大御所です。
いつかは逢えるはず、と思っていました。
インテリアデザイナーの森田恭通氏の紹介で彼の主宰する雑誌で対談し、
その後の食事でもう親友のごとく大仲良しになり、
次回会えることを心待ちにしていました。
ところが突然逝ってしまいました。
今年は、後輩、インテリアデザイナーの大御所、
デザイン界で最も大事な社長、仲間の母上は高齢でしたが、
彼にとっては母ですからその空しさを語りあい、
さらにはエッ!、教え子のこれからの娘さんの事故死と、
人生という光陰の瞬間性を思い知らされています。
あるクレジット会社の広報誌に、
作家である伊集院静氏のエッセイには、
彼の挿絵:イラストレーション最後の作品、
そして伊集院氏の彼への思い、
その文章には、もう本当に、逝ってしまった人たちへの想い、
それを引き出されて泣きました。
逝ってしまった人への思いは心の中にしまい込んでいただけでした。
「もう、逢えない」という悲しさと哀しさで、
まさに光陰、陽明と陰影が、襲いかかってくるのです。
長友氏とは、たった一回しか逢っていないのですが、
FBメールでは心割ってやりとりができました。
いわゆる「あの世」への思いと想いは祈ることだけです。
でも、自分の人生に光陰を与えてくれた人へ、、
あらためて私は祈るだけです。

* 「光陰の下で佇む姿勢」
* 『もう絶対に逢えない、今日は母の命日』
* 『インテリアデザインからの拡大・森田恭通のパリ個展』
* 「人は『闇』に生きていく」
* 『羊と鋼が調律の要だった、それを実証した友人』


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