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「カレイドスコープ=万華鏡というレトリック」


   


     5月 13th, 2012  Posted 12:00 AM

間もなく「金環日食」が見られます。
正直、とても期待しています。
TVでこの日食の見方など注意点が報道されています。
大事なことです。
きっと、自分の生涯ではもう見られないでしょう。
そこで気づいたのが、「万華鏡」のことです。
これは、人間の視覚感覚をとてもうまく利用したモノです。
小学校時代には自分で工夫して作った経験があります。
これは知人からプレゼントされたモノです。
中には貴石や宝石が詰め込まれていて、
しかも一点ダイヤモンドがあるということで。
日本のダイヤモンド業界のシンジケートも教えてもらいました。
時折、万華鏡を見つけると収集したいと思ってしまいますが、
コレに勝るモノには出会っていないので、
収集というビョーキには取り憑かれていません。
日本には江戸時代に入ってきたモノと言われています。
私が気に入っているのは、
鏡の利用です。
私は、展覧会手法やインスタレーションに「鏡」を使います。
なぜなら、「鏡の背後には、冥府への階段がある」。
このレトリックに心惹かれています。
そして、万華鏡の組み合わされている鏡は、
冥府世界観をさらに錯視虚像世界に変換していることです。
このヴァーチャル的なリアル感は、
唯一、一回しか見ることができません。
体験というのは、たった一回とか、唯一であることが大事です。
翻って失敗は二度繰り返さないということにもつながりますが、
それがなかなか出来ないものです。
だからこそ、あらためて人生が万華鏡のごとしという、
このレトリックがあてはまるのでしょう。
金環日食、ますます楽しみです。

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