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『資本主義からの逃走』
 「 *「手」が創造力の発電装置という話*」


   


     4月 28th, 2010  Posted 1:45 AM

手は起電力を!
フレミングの法則が「指先の向き」だったのは奇跡的な発見でした。
私は、手と指先には、発電装置があると言い続けてきました。
ますますその気持ちは強まっています。
美大で徹底的にデッサン、
それも工業デザインのスケッチトレーニングでした。
東芝の実習=これはデザイナー採用入試ですが、
当時、他大学よりもスケッチは絶対に自分が巧いと思っていました。
ところが入社して、「レンダリングに」と指示されて、提出したら、
「ラフ・スケッチ(レンダリングの下書きの下書き)ではなくレンダだよ!」
と窘められて、『どうすりゃいいんだ』という思い出があります。
スケッチ作法
40年もデザインのためのスケッチを描いてきました。
それは、頭の中がまったく空っぽで、何も考えていなくても、
「手を動かせば」→脳内に「かたち」が浮かび上がってきます。
だから、「創造力」は、「手」あるいは「指先」で何かに集中していると、
必ず「かたち=形態」が生まれます。
だから、私は「手」は起電力装置だと思っています。
「手」をともかく動かすのです。
これまで、様々なスケッチブックを使ってきましたが、
今は、「モレスキン・ジャパニーズタイプ」と
ボールペンのB黒を使っています。
そして、そのスケッチに色鉛筆、最近はステッドラーに限定していて、
このスケッチに着彩をします。
一冊いっぱいになったら、ワイフに渡して、
また新しいスケッチブックを渡してもらっています。
これまでどれだけのスケッチブックを試してきたことでしょうか。
やっとこのスケッチ作法に落ち着きました。
鉛筆などは、最期までの使い方は35年使い方は定まっています。
ボールペンは、スケッチのためにあらゆるブランドを使ってきましたし、
今なお収集が趣味になっています。
それは、自分の「手」という発電装置を
常にピカピカにしておくためです。
そして、右手・左手いづれでもスケッチを描き、
ここ2年ほどは、「ペン回し」をしながら、描いています。
なんだか、「ペン回し」をすればするほど、
起電力が大きくなるという気分になれるからです。


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