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『クロノグラフという発明はピクト表現の始まり・・・?』


   


     5月 19th, 2014  Posted 12:00 AM

精密高級品といえば、時計・カメラ・万年筆が筆頭です。
そのなかで、腕時計の高級品は今ではすっかりスイス製です。
私自身、一度、泥棒に侵入されて高級時計を盗まれました。
このショックは今も残っています。
当時、泥棒は高級時計だけを盗み、モダンデザインの時計だけが
盗まれずに残っていたことでモダンデザインの価値を知りました。
スイスは、日本のクオーツ時計に敗北してから、
彼らは機械式に徹底して学校を創設し拘り抜いて、
今ではすっかり高級ブランド時計を見事に成功させました。
私も機械式をいつも丹念に見詰めてきましたが、
いわゆるクロノグラフは時計形式でしかなく、この使用方法は、
ほとんどの人が知らないと思っています。
そして、デザインでも安易なクロノグラフが蔓延しています。
クロノグラフはフランスの特許であり、時刻時計をさらに、
ストップウオッチ化したものですが、
それでも、スプリットタイムをサブベゼルで表現したものは
今ではほとんどアンティーク時計で探さなければなりません。
クロノグラフとは文字通りクロノ=時間とグラフ=描くことです。
だから、サブベゼルには、スプリットタイム表示が当然です。
しかし、そうしたクロノグラフは存在していません。
今ではクオーツ式のクロノグラフまでありますが、
本来のグラフ化をスプリットタイムで表示できるモノは無く、
私はドクターウオッチとして、心拍計を時計表現しました。
それはピクト表現を時計=クロノグラフから学んだからでした。
そういう意味では、時計の時刻表現をグラフ化はピクト化です。
願わくば時計デザインがアナログやデジタル表現では駄目です。
結局、意味の無いクロノグラフはデコレーション時計でしょう。

「iPhoneアプリ・もう一度知らせます」
ドクターウオッチ


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