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Posts Tagged ‘ダ・ヴィンチ’


「マインドマップ的な発想法は全否定です」


   


     4月 20th, 2012  Posted 12:00 AM

ポスト・イット=付箋紙は便利な文具です。
だから、この文具を発想(風)の道具として重用多用。
それは大事なひとつの方法だと私も思っています。
しかし、私自身は、カードや付箋紙の類いは使いますが、
「発想」手段としては、全く認めていません。
発想法は、KJ法やマインドマップなどほとんど知り尽くしています。
こうした発想手法を知り尽くしてしまうことが大切です。
そうすれば、初めて「自分流」がやっと発見できるかもです。
先般もTVで、
「復興計画づくり」のワークショップのドキュメンタリーを観ました。
そして、やっぱりこうした発想(風)ワークショップしかも学生からは
何も創造性溢れるものは絶対皆無だとの結論を確認しました。
まず、「ことば」で考え出すことも一つの方法ですが、
必ず「ことば」の意味に縛られて想像性を抹殺しがちです。
だから、創造性に近接も近傍もできないのです。
創造性は「絵(スケッチ)」で最も生まれます。
ダ・ヴィンチを見れば明白です。
しかし、一般的には絵には得意不得意がありますから、
その場合は「図」にすればいいということです。
そうなると、
スケッチや図は、それ用の文具は決して付箋紙にはなりません。
カードでもそれなりの大きさとか質が必要です。
そして、絵・図というのは、マインドマップではなくて、
全く異なる新たな絵・図になります。
ともかく、マインドマップを作成して、
それをパワーポイントで纏めるというのは、まず、野暮(センス無し)で、
創造性に最も重要な前頭葉を使っていない能(脳)無し、
ということですから私は全否定です。
真逆に、Keynote上に図、
例えば三角形一つに「かたちにことば」を付ければいいのです。
絵と図を使う発想手段は、
「絵図」といって江戸時代からの牢獄隠語です。
「泥棒に入る絵図を描く」というのは、
犯罪ですらそのような企画を発想しているということです。
「絵図を描く」発想法を私は40年培ってきました。
「絵図発想法」という著作を考えています。

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「器械から機械そして機器へ」


   


     6月 19th, 2011  Posted 12:00 AM

器械は活力を増大させる。
これはダ・ヴィンチの発想。
そして彼の発想器械には、
「計算機」と誤解釈されてきたモノ、
それは「速度を増幅させる研究」という
デッサンがあります。
すでに使われなくなった言葉である「輪軸」から、
12個ペアになった歯車がならんでいます。
そして、ダ・ヴィンチはこれを使えば、
速度は10の23乗になるという予測値があります。
現在の研究では、彼の計算間違いが指摘されています。
しかし、私はこの発想に目を向けると、
現代に到る、科学から技術の歴史変遷から
重大なことが見えてくると判断しています。
器械という言葉が機械となり、
今では機器という名辞になっているにも関わらず、
機械と機器を技術領域が曖昧にしてきたことです。
器械は力をつくらないはずが、
発電機器なるモノが可能なのかどうかということです。
電子機器、情報機器、音響機器という表現は正当です。
ということは、エネルギーを発生させる機械、
そのようなモノは成立するのだろうかということです。
私は、音響機器のデザインからデザイナーになりました。
機器が稼働するのは、
すべからく「エネルギーあってのこと」です。
文明はエネルギーの発展史でした。
そして、機器となって文明は文化創出になります。
私の関心はエネルギーと機器に焦点が集中しています。

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