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「資源無きモノづくりの危機」


   


     7月 31st, 2011  Posted 12:00 AM

日本は資源の貧しい国です。
化石燃料はありませんし、
それゆえに原子力発電を展開。
けれども、大規模発電所という偏向著しい発想、
これが地震や技術想定外により今回の「人災」です。
たとえば、硫酸などは全くありません。
しかし、亜鉛と硫酸を同時に積載する船舶が今年出来上がりました。
私には刷り込みが出来上がっています。
小学生の頃、「日本は資源が無いけれど、モノづくり大国になる」。
この刷り込み=inprintingが多分、血肉にまでなっているのでしょう。
だからモノづくり、そのデザインを職能にすることができました。
もう40年以上モノづくりデザインに関わり、
そのデザインは輸出し外貨稼ぎに生涯をかけてきたと自負できます。
現在は大学人ですが、私の哲学は科研費など絶対にもらわず、
正直には、今は国立大学法人にいるので最低予算はありますが、
すべてこれは教育研究費に回している次第です。
自分で、プロのデザイナーとしての収入を基本に研究をしています。
これは私の哲学であり理念であり、国家に頼らないという姿勢です。
伝統工芸産地づくりで国の補助金では何も出来ないこと、
自助努力でなければ、本物は創れないと確信しているからです。
したがって、御用学者を根本から存在否定することができます。
特に、膨大な研究費でただ無駄論文づくりの学者を見下しています。
なぜなら私のデザインした商品は必ず外貨獲得=輸出品です。
こうして日本のモノづくりでの体験では、
国内外のどこで、何が、どのように、
造られているかは十分に知り尽くしています。
そしてここ数年、日本でのモノづくりは段々と悲惨になってきました。
それは食糧自給率のごとく、国家の危機管理体制を壊しつつあります。
まさかこれが無くなったらどうするのだろうと思うモノが増えています。
ここで実例アイテムを書き並べることは差し控えますが、
東日本大震災によって、あの地方でのモノづくりが消滅しつつあります。
まして無能な政府の展望無き「脱原発」は、
日本からモノづくり現場を無くせ、国外へ工場という、
ほとんど「社会主義的独裁」です。
これは打倒破壊しなければなりません。
最近、大学人研究者が、専門家として激憤の政府批判。
なぜ、もっと早く声を上げてくれなかたのだろうかと思う。
今、この社会主義独裁国には声を上げなければならない。
私はもっと根本的に、基本的に、基準的に、
何がもはや国内で製造・生産できない製品アイテムが
あまりにも多くなっていることを警告しておかなければなりません。
だから、私は、デザインという知恵でこの難局打開を目指します。

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