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『英語に加わったオランダの異文化から美術用語が』


   


     8月 8th, 2014  Posted 12:00 AM

多分「イーゼル=画架」と馴染んだ経験がある人は数少なく、
美術との関係がある人たちだと思っています。
私自身、イーゼルと出会ったのは、美大の実技試験の時が始めて。
美大入試は、学科試験でおおよそ15倍程度だったと思います。
鉛筆デッサンと水彩画を2日間、朝から夕方まで、
課題をデッサン対象に向けて描いた思い出がはっきりとあります。
7人でデッサン対象を取り囲んで描いていましたから、
二つのグループから一人が合格では、と推測をし、
初めて鉛筆デッサンと水彩画を描いて、周囲の圧倒的な巧さに、
私は仰天しこれでは全く合格は出来ないと思い知らされました。
運良く、美大に進学し、1、2年次までは、石膏デッサンや、
改めて鉛筆デッサン、水彩画で、徹底的な指導を受けざるをえず、
いつもやり直しを命ぜられるほどの有様であり、悩んでいました。
英語は今や国際語になっていますが、それはそれぞれの国家文化が、
英語という言葉に多大な影響を与えていたことを後に知ります。
easel、sketch、landscapeなど美術用語である言葉は、
すべからくオランダ文化を英語は引き受けていたということです。
これらの言葉は、17世紀に、ルーベンス、ヴァン・ダイクや
レンブラントなどフランドル派の画家達が世界からも称讃を受け、
オランダが航海技術で海洋大国であったことからです。
当然、イタリア文化からは美術関係や音楽関係の言葉があり、
ドイツ語圏からは化学や鉱物学用語が英語を豊にしていました。
この形跡は「オックスフォード英語辞典」では、時期も明らかです。
たとえば、日本文化から英語への転化は、
16世紀には、kuge、 bonze、17世紀にはkatana、 shougun、 inro、
18世紀には、zazen、 zen、19世紀に、kimono、bushidoなどが
次第に数多く英語に日本語が取り入れられていきます。
今、私は布=nuno、羽二重=hubtaeを英語に加えていきたいと
デザイン戦略を練っています。
特に、hari、shari、 kishimi、 numeri、 shinayaka、fukurami、koshi
この布の質感を英語化を狙っています。


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