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「誤解されたデザイン=デザインは意匠とともに問題解決」


   


     2月 28th, 2013  Posted 12:00 AM

60歳還暦から徐々に自分の「命」を考え始めました。
多分、亡父もそうだったのだろうと想像します。
64歳になって阪大も退官となると、
自分の「命とデザイン職能」を随分と考えるようになりました。
まだまだ語り尽くさなければならない「デザイン」があります。
そういう意味では、私は大変に幸運でした。
なぜなら、日本の工業デザイン、
その出発点を際立たせた製品を選びぬくと「五つの製品」があります。
画面の製品すべてがその代表作だと言えるでしょう。
この五つの製品が「日本のデザイン」を決定づけてきたものと考えます。
そして、この五つの製品それぞれのデザイナーは、
全ての人が私のデザイン・デザイナーとしての師匠たちです。
醤油ビンは栄久庵先生、毎日デザイン賞で推薦文をいただき、
いくつかのデザイン講演をご一緒しました。
電気釜は、東芝時代の部長・岩田先生であり、いつも私は怒鳴られれば
喧嘩を望みながらもかわいがっていただきました。
柳先生のバタフライスツールは
美大時代・東芝時代・フリーランスになっても先生でした。
平野先生のファイルシステムは今もなお超ロング製品であり、
19歳から徹底的にデザイン発想・表現・伝達を鍛えられて、
今でも先生には阪大退官での最終講義にも来ていただけます。
スバルデザインの佐々木先生には、美大時代の非常勤先生であり、
一時の日本デザイン界トップはすべてが先生の弟子たちでした。
この5人の先生方と会話し、
デザイナーとしては、沢山の先生方に教わってこそ、
現在の私が「生きぬいていく」ことになりました。
阪大退官を目前にして、
「伝え残していること」が沢山あることになっています。
幸いにも私は、日本のデザイン界スタートの代表作とともに、
そのデザイナー先輩全てに教わることができました。
そして、全ての先生方から教わったのは、
「デザインといえば意匠=かたち造形の専門家」という
意識や風潮や認識ではなかったことです。
常に、哲学であり、理念であり、思考結果の意匠であっても、
「根本は問題解決の実務」そのものだったことです。
私は、デザイン=機能とは決して思っていません。
デザインは問題解決に造形が寄り添い、
性能・効能・機能の造形言語と、
形態言語の表現性と意味性だということです。
結局、日本人として、デザイナー命として、
モノのわび・さび・幽玄まで、
問題解決の「言語化」ができるかだと思い続けています。


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