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Posts Tagged ‘フィラメント’


『電球のE-26から早く解放してひかりとあかりを調光』


   


     7月 28th, 2015  Posted 12:00 AM

LEDの発明はひかりとあかりの世界を見事に変えました。
私が東芝に入社したときには、赤色ダイオード全盛でした。
アンプに青色が欲しくて、レンダリングには描いていましたが、
さらりと技術陣には、すぐに夢を描くとか言われていました。
そして、LED電球の登場では、長時間の発光と熱源では無いことが
売り文句になっていましたが、インチキ製品がそれこそ大企業でも
相当にあったものだと思っています。
そして、どうして口がねはE-26ばかりで、しかも電球の形態には
デザイナーとしてイライラしていましたが、ある台湾メーカーの
デザイン依頼で、ここからの解放案を提案しましたが無駄でした。
エジソンに始まったフィラメント形式電球は、
松下幸之助の二股ソケットがありましたが、
もっとビックリしたのは、フィラメントは残っていても、
外装のガラス球を製造していたメーカーがあるほどまだ日本は貧乏でした。
さて問題は、未だに口がねE-26と電球形態から逃れられないことでしょう。
そして今や赤・緑・青のLEDで白色まで1677万色を、
アプリケーションをWI-FI環境で、自由な設定が可能になりました。
プログラミング次第で、パッシブ調光もアクティブ調光も可能です。
が、まだまだ家庭環境にこの応用は拡大していません。
この原因について、私の判断は、
電球形態を引きずっていることだと思っています。
もう一つは、日本の家電での使用シーンの告知が無いことです。
今、私はLEDとWI-FI環境でのプログラミングの自由性を
自宅で実験していますが、これも海外の発想に追い抜かれています。
私は、ちょうど来月、照明学会全国大会で特別講演をしますから、
自宅で、勿論プロを育てながら、この実験結果を見せたいのです。
しかし、海外製システムや使用シーンへの想像力不足を感じています。
電球スタイルと口がねE-26をまず捨て去ることが重要だと考えています。
それはLEDランプの可変する
ひかりとあかりのデザイン開始だと認識しています。


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『「トリタン」というフィラメントの明かりを今も求めている』


   


     9月 9th, 2014  Posted 12:00 AM

私はオーディオの世界、Aurexブランドで決定的な商品化、
それはエレクトレットコンデンサーイコライザイーでした。
SZ-1000は今なお、オークションで取引されています。
そのデザイン後にはおそらくとんでもないデザインをし始めました。
が、そろそろ企業留学直前に交通被災を受けて、東芝を去りました。
入院直前には、Aurexブランドで真空管アンプを追いかけ、
上司たちから、えらく叱られたものですが、
それは「真空管の明かり」と音響空間に強い憧れがありました。
パワーアンプは入院直後に一台出来上がったので、
今も、この真空管を持っていますし、いつかは創りたいのです。
「トリタン」の明かりは、人類が求めた技術と音響の明かりです。
真空管は高校の物理でそれなりにこの構造には感嘆していましたが、
プロになるとすでにトランジスターの時代でしたが、
私が辿り付いていたのは、真空管の発明は持ち続けることでした。
音響を突き詰めていくと、トリタンの赤い灯りが頼りになります。
今やデジタル音源に浸りながらも、真実、真空管というこの発明は
人間の根源を照らし出していたのかも知れません。
この大型三極管GE VT-4C/211sは、最も美しい真空管です。
最近は中国製まであるようで信用できかねますが、
この真空管と合わせるべきトランスでのパワーアンプは6台必要。
高音・中音・低音を左右にしたアンプです。
そんなことが、私のダンディズムの極限だとさえ思っています。
人間が創り出すモノに完璧なことは無いのです。
モノが壊れて当然であるからこそ、逆に、人が壊れていくことを
もう一度確認と認識をしなおさなければなりません。
私は、真空管からトランジスターになった技術のコンテクストを
自分の生涯には信念として貫きたいと思っています。
それが、オーディオからのダンディズムだと明言しておきます。

「SZ-1000・私のオーディオ最終作だから」


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