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『あくまでも「素材」は木質で確かめる』


   


     3月 30th, 2014  Posted 12:00 AM

私はデザイナーとしてますます素材が大事だと思います。
最も手短に確かめることができるのは、「鉛筆」にあります。
このメーカーが鉛筆づくりには正確な素材表現をします。
それだけに、時折、木質に拘った鉛筆を
必ず、自分の一本にしたり、あるいは消しゴムでも、
カラー表現に取り囲まれるとき、この職能であって幸運でした。
とりわけ、木質では、デザイナーに成り立ての頃には、
塩ビシートの開発で、木目・木質そっくりの型出しに、
印刷メーカーの工場で、職人気質の人に育ててもらいました。
私が常に思い出すのは「ブラジリアン・ローズウッド」の木目。
そっくりにレンダリングに描いて、その塩ビシート化をしました。
私のイメージは絵に表れていましたが、
「お前はまだ学校出たてだろう?」
「お前は自然のブラジリアン・ローズウッドの木知ってるか?」
と言われて、
「見たことがありません」
「本物を絵にしてから出直せ」と言われたものでした。
東芝のデザイン室にある資料室には、本物の木の板がありました。
それを見ても分からずに、工場で教わったのです。
「ブラジリアン・ローズウッドは南洋材だ、
だから大きな樹木には育たない、直径がほぼ150mm程度だ、
だとするなら、木目は細かい」、と教わりました。
それ以後今日まで素材は必ず本物を見て確かめることが重要です。
今、まだ本物を確かめていないモノは、
ウラン鉱石です。
聞いた話では、幾重にも色彩が光り輝いているということです。
それなら、ネックレスに!と、
しかし、そんなことをすれば被爆してしまいます。
だから、絶対に見たいのはプルトニウムそのものを、
素材として確かめることも重大だと思っています。

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