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Posts Tagged ‘ペン’


staffblog 10月16日


   


     10月 16th, 2017  Posted 11:55 PM

10月16日

本日はダイヤモンド社の
ご担当者様より取材いただきました。

以前の文具の取材をご覧いただき、
お声がけいただきました。

今回は万年筆の老舗ブランド、
「Pelikan」に付いての取材です。
ペンだけではなく、
ケースからインクまで、
どんどん飛び出してきます。

文具に絡めたトークから、
終始笑いが絶えない取材になりました。

カメラマンの方からも、
「これだけで絵になる」と、
バンバンお墨付きをいただきました。

最後に実演を行い、
大盛り上がりの中で終了いたしました。

掲載情報をお待ちくださいませ。

*staffblog 8月22日*


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『ハイライト・ポイントは銀色だ』


   


     8月 7th, 2017  Posted 12:00 AM

ハイライト・レンダリングというスケッチ手法があります。
学生時代には、白い色鉛筆やパステルで習っていました。
これはハイライト・ライン:つまり、モノの存在にハイライト、
光線がモノに反映していることを描く技法です。
特に、自動車、カーデザインでの光を受けたライン、
それはストリームライン、流線形を示す想像力ラインです。
ところが社会人になって、東芝ではハイライト・ラインは、
白色ではなくて銀色を使うことを教わりました。
ホワイト・ポイントは常に銀色鉛筆での表現でした。
当時、ハイライト・ラインスケッチは、
国産のミューズコットン紙や三椏の色局紙は駄目、
高価なキャンソンペーパーだったことを思い出します。
鉛筆の元であったという金属ペンシルが登場しましたが、
どうしても、白い紙は色々と試しましたが、気に入らなくて、
黒いノートを探しました。ただこれが2種類しか無かったのです。
そして、アイディアを練るには面白いデザイン用紙ですが、
二つの問題を見つけました。
まず、キャンソンペーパーでもブラックペーパーであること。
さらにペンそのものを金属ペンシルをもっと進化が必要だと思いました。
そんなことからも、鉛筆やシャープペンシルを超える新たなペンシルで、
それは銀色であるべきだと思っています。
かって大企業のトップに新作のデジタルカメラをプレゼントされました。
しかし、そのプレゼントを断ったのです。
理由は製品=モノのハイライト・ラインが狂っていたからです。
最近のデザイナーは、形態創出時でのハイライトデザインを
スケッチでの検討を知らないからです。
カーデザインにこの傾向は顕著です。
ハイライト・ラインは流線形を決定する造形ラインです。

*  『現代に蘇った描くペン』
* 『描くこと=その神髄を決定づけているペンと紙』
* 「机上の一本はスケッチ用万年筆」
* 『見つけた1.3mm芯のシャープペンシルの効能性と機能性』
* 『あくまでも「素材」は木質で確かめる』


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『電子ペン?電子版?、モバイルとの関係性は?』


   


     4月 11th, 2017  Posted 12:00 AM

デジタル文具はどんどん進化しています。
私は電子ペンは常に追いかけてきました。
おそらくこれまでの電子ペンは全て試用し使用もしました。
しかし、満足なモノは無かったと思います。
もし満足していれば、常にそれを使ってきただろうと思います。
果たして、今度は海外のモンブランからのノートとペンですが、
デザインはペンにもいささか不満がありますが、
試用中ですが、まだとても日常の文具にはなっていません。
そうしたら今度は国産のモノが登場しました。
これはワイフが待っていたかのように使い始めていますが、
それを私は海外製と見比べています。
iPhoneやiPadと紙に書いたことがかなりスムーズにはなりました。
しかし、これでスケッチをとなると、
どうしてもまだまだの使い勝手です。
これは一つにはペンの問題があります。
万年筆コレクターである私にとっては、
ボールペンであっても、この使い勝手が一番重要です。
ようやくCCDで用紙は、普通の用紙でもOKになりましたが、
果たして、大きな問題はペン仕様にあると考えます。
たとえ海外製であってもこのペンではという不満があるそうです。
そこを考えると、国産のペンは比べようもなく
日本の万年筆やボールペンの廉価性に引っ張られているのです。
これは日本の筆記具の廉価性そのままだと考えます。
正直残念ながら、日本文具大賞の審査委員長としても
ようやくスレート=電子版とペンがiPhoneやiPadとの連関性ができましたが
この進化は方向が違うとデザイナーとして発言せざるをえません。
通常の紙に書けば、それがモバイルと適合するには
私なりのアイディアがありますが、これは内緒にしておきたいと考えます。
むしろ、私にはiPadProでの書道の法が優れています。
ともかく、この紙に書いたことがモバイル性と関係がでるためには、
まずは万年筆を見直してほしいと思っています。

* 『紙墨相発・電子ペンとノートとのインターラクション』
* 『電子ペンはすっかり日本開発が海外に負けている』
* 「現代文房具はどうして面白いのか」
* 『イコン=アイコンが明解なモンブランとペリカン』
* 『自分文房具の紹介をしながら語った取材でした』


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『運筆練習に最適な学習ノートの充実ぶりに感嘆』


   


     3月 7th, 2017  Posted 12:00 AM

日本人で本当に良かったと思います。
なんとか幼稚園で教えられたわけではありませんと断っておきます。
日本人でいいと思うのは「書」の世界、いわゆる書道というか、
「運筆」というすこぶる大事な訓練があるということです。
これは岡倉天心が東京美術学校で
横山大観はじめこの訓練が基本中の基本でした。
私が美大でこの運筆は「デザインストローク」であり、
これは米国でもデザイナー職能のトレーニングでした。
先般、同期会でもデザインストロークでのデッサン、
それは生きている鶏を二人が1羽を1週間描いた苦労から、
そこから鶏をテーマにした平面から立体までの
造形訓練は一番のトレーニングだったと意気投合しました。
これを「スタイライゼーション」というのは想像力拡大訓練です。
この運筆やデザインストロークは私には身体化しているのでしょう。
特に今は書のための運筆は写経や手紙を書くためと
もう一つはiPad Pro大小それぞれとそのペンをいくつか選んでいます。
今、運筆は空海を手本にしながら、自分流の草書を求めていますが、
もはや草書ではほとんど手紙文は読まれないのです。
それ故に、空海の行書から
草書でほぼ行書からのくずし字が美しいと思います。
今はともかく美しいモノと言われれば、空海の書をあげるでしょう。
したがって、この運筆訓練には
小学生の使う学習ノートが最適だと選びました。
そこで、学習ノート「ジャポニカ」を初めてじっくりと見ましたが、
学習ノートの充実ぶりに感嘆したほどです。
そこで、一冊を持っていたら、年配の婦人から声をかけられました。
「ぼく、それ欲しいの、お母さんはどこ?」と。
車椅子に乗っているので大きな勘違いをうけたのですが、
面倒だから、ワイフを指さしたら、
わざわざ、その婦人はワイフに
「お母さん、あそこで(私が)呼んでいるよ」とのことでした。
無論、ワイフは私に、「なんで私があなたのお母さんなの」と。
すこぶる面白い買い物をしました。
今、私の書の運筆は、そうした練習図書もありますが、
「ジャポニカ」は最適だと思っています。

* 『盟友のエッセイから思い出した=スタイライゼーション』
* 「資本主義から離脱してきたデザイン」
* 『毛筆も万年筆も細軸だから可能になる運筆がある』
* 『工業デザイン教育での「手」のトレーニング』
* 『美しい運筆を体現すれば美しさがわかりそうだ』


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『万年筆のミュージックタイプとインクで筆跡品格が可能』


   


     1月 5th, 2017  Posted 12:00 AM

今年最初のモノ、随分と悩みました。
なぜなら、ここで語りたいのはどうしても趣味やコレクション。
文具やオーディオや鉄道模型などもはやコレクションもここまでなのです。
となると、もう通常最も使用していて、それも最近の時流が進化しているモノ。
こうなると、万年筆もまずその典型はモンブランとペリカン。
しかもいわゆるミュージックタイプと言われている、
本来は楽譜記述用になってしまいます。
これでカリグラフィーが可能というのは私には理解できません。
なぜならカリグラフィーならこれは絶対にペンであるべきというのが、
自分流の決定事項なのです。それはペンと身体のトレーニングに
最も自分なりの訓練が身体化しているべきだと思うからです。
この典型的で日常的な万年筆ならば、
モンブランとペリカンという選択には全く冒険心はないのです。
そこでディポンの「ベルサイユ宮殿」ともなれば、
これを差し出せば、万年筆コレクターとは深い話が出来ることになります。
そしていよいよ最近は一段と進化しているインクになります。
このインクは日本の伝統色が基本になっていて、
知る人ぞ知るインクだと断言できます。実はこれは友人からのプレゼントです。
さて毛筆タッチとカリグラフィーの関係は絶対に身体化された訓練が必要だと
私は絶対に主張しておきたいと思います。
カリグラフィーであれ、毛筆であれ、
このトレーニングをマスターしたモノは
まだ見たことがありませんが、毛筆、いわゆる書道とカリグラフィー、
この訓練こそ今は絶対に必要であり、それを成し遂げるインク、
この会話が出来ることほど、古風と言われようが、
実は筆跡の品格だと私は確信しています。

* 『黒板を集団の発想道具としての未来ボードデザインへ』
* 『毛筆も万年筆も細軸だから可能になる運筆がある』
* 『硯箱を整理しながら・・・』
* 『イコン=アイコンが明解なモンブランとペリカン』
* 『ペンホルダーある組み合わせの筆記具は自分表現』


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『たかがボールペンだからファッション性がある』


   


     8月 26th, 2016  Posted 12:00 AM

おそらく文具屋さんのこうしたペン類をすべて試すことはないでしょうが、
自分は全てノックオンなどと書き味と書き心地を試してしまいます。
ともかく日本ほどこうしたペン類がそろっているところは
世界にもそうないでしょう。
ということは、日本人はとても恵まれています。
しかしプロのデザイナーとしては全てが応答商品にすぎないと考えています。
最も日本が解答商品を出したのは、「消えるボールペン」でした。
海外へのお土産には最高のモノです。
最近は0.01mmを造りましたが、これは回答商品と応答商品があります。
どれが応答で、どのメーカーのモノが回答商品かというのは、
話題になること・Topicsに応答している・Replyかは、試してください。
回答商品は、3種しかありません。
 ・キャップを外して使用するモノ
 ・ノックオンして芯を出し入れするモノ
 ・軸を回転させるだけのモノ、だけです。
最も、軸を引き延ばすことで芯が出てくるモノもありますが、
すべてが廉価品であり、100円ショップに平然と並んでいるモノもあります。
こうしたペン類は、所詮、何のためらいもなく使われていますが、
自分は、こうしたペン類の最高級品・高額品が日本にはほとんど無いこと、
これがこの業界を応答商品か回答商品で終わらせていると思っています。
実際は、ペンを持つこととファッション性があるということが大事です。
ある企業の社長は専務が取り出したボールペンに怒り出したことがありました。
専務ならそんなボールペンは使うべきでは無いということでした。
ある企業のプレゼルームでは、最終契約を結ぶ時には、
最高級品のボールペンと契約書が出され、
そのボールペンはプレゼントされました。
ホテルのバトラーの方が、これでサインをと言われたとき、
これはあのブランドですね、と言うと、
分かってもらえました、と、喜ばれたことがあります。
ペンとファッションが同一次元だと考えるべきと自分は思っています。

* 「ブルーを持ち歩くというファッションとデザイン効果」
* 「消える?という精美さ・日本のモノづくり」
* 『ボールペンとスタイラス・私の親しんだ描画ペン』
* 『葉巻文化と筆記具文化の統合性は凄いのだ!』
* 「現代文房具はどうして面白いのか」


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『自分文房具の紹介をしながら語った取材でした』


   


     8月 23rd, 2016  Posted 12:00 AM

初めて文房具についての取材を受けました。
先般、あるメーカーの新作製品の使い勝手も充分に調べたことを述べました。
それも自分が現在、最も美しいマガジンでした。
出版産業はなかなか厳しい経済的には難しい状況ですが、
このマガジンの詳細な記事内容や先進的な取材検証はとても素晴らしく、
そこからの取材依頼ということで、
ともかく、万年筆から手帳、手帖、スケッチブックなどを見せました。
そうしたら自分の想像以上に大変な種類と量も一杯出てきてしまいました。
(あっ、これ持ってたんだ、これもこんなにあったのか)という
その連続でした。スタッフも呆れる程出てきてしまいました。
まず、万年筆についてから、鉛筆や、スケッチブックなど、
さらには矢立、最も小さな硯箱まで取材を受けました。
最近の若い世代のデザイナーは、全くモノには興味が無いということを
どうも自慢気にしているようですが、だからモノのデザインは駄目なんです。
流石に呆れられるほどのオリジナルのスケッチブックは、
結局、フランスで発注してもほとんど使っていないモノが出てきました。
また特に和紙に至っては越前和紙産地とは今もしっかりとした絆ゆえ
自分用が、これもこんなにあったんだ、というのが正直な感想です。
特に万年筆ともなると、自分流にはスーツやジャケットとの関係があります。
これもなんだか時代的には簡便なことになりすぎています。
文房具は日本文具大賞の審査委員長ですから、
絶対に一番確かな選択眼が必要だと思ってきました。
ついでながら毛筆の話からとめどなく自分は文房具が大好きですから、
その想いを確かめるとても素敵な取材を受けました。
絶対に、文具のデザインなら自信があります。
日本人デザイナーが海外ブランドをデザインすると、厳しい批判を受けます。
それは当然です。「歴史的に知り置くこと」がペンには一杯あるのです。
文房具のデザインは本当にやってみたいデザイン対象です。

* 「ボールペンスケッチのためのモレスキン」
* 「ブランドが語りきろうとする高密度品質とは」
* 「書く道具にはなぜか心惹かれて」
* 『鉛筆・最も基本的なモノにスタイラスもなってほしい』
* 「机上の一本はスケッチ用万年筆」


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『「デザイン部門グランプリ」は見事な原稿用紙』


   


     7月 12th, 2016  Posted 12:00 AM

400字詰め原稿用紙が日本文具大賞「デザイン部門」のグランプリです。
受賞メーカーが優秀賞でびっくり、グランプリで仰天されました。
自分はメーカーに小声で伝えました。
「この審査委員会は凄くよく見ているでしょう」と。
他の文具専門メーカーからも、あれが「デザイン」の本質ですね。
自分自身、どれほど原稿用紙自体を自作もしてきたでしょう。
ともかく、原稿用紙はもとより、紙・和紙については
絶対に国内外の用紙全てに自信を持って詳しいと自負しています。
この原稿用紙の紙・用紙を超える紙は無いでしょう。
高級ブランド商品の包装紙にも採用されています。
まず、用紙の性能はトップクラスです。したがってペン、鉛筆から万年筆、
この文字筆写においても最高です。
原稿用紙という日本人には極めて典型的な社会的な存在性を持っています。
つまり効能性は優れて「筆写する」ことを歴史的にも支えています。
そして、当然にして色彩展開されたシリーズ商品になっていますが、
装飾性が色彩毎にイラストがささやかにさりげなく加飾されています。
これは原稿用紙にどうやって向かうか、
「何を書こうか」という問題解決を成立しています。
デザインはデコレーション主体ではありませんが、
加色と加飾による美学性、美学的な効果をもっていることです。
グランプリとしての、性能・効能・機能に
プラスしての美学的な決着性が見事です。
私は、この原稿用紙は手紙の便せんとして使っていくつもりです。
多分「あっ!この色罫線とイラストの意味が」と思ってもらえるでしょう。
日本らしい素晴らしい原稿用紙です。

*「書くための万年筆の真の意味」
*『手づくりから物事デザインと事物デザインを決める』
*「高級品ということの詳細」
*『やわらかい美しさのあるノート』
*『未来創世を象徴している地場産業産地でのデザイン』


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『紙墨相発・電子ペンとノートとのインターラクション』


   


     5月 5th, 2016  Posted 12:00 AM

電子ペンとそのノートがどの程度使えるかを試しました。
正直、これまでやっと日本製が一つの手法を実現していたことを
見事に抜いていました。
電子ペンがねらってきたことは、録音もできるということと
それが、iPhoneやiPadでの線描との相性=即効的な反応でした。
これはノートにペンを走らせれば、画面にはほぼ同時に写ります。
その時にLivescribeのペンで話せば録音も同時だということです。
また画面上のスケッチや文字は色をレイヤーなど不要で、
選択した範囲は自由に色変えが可能になっていることです。
もっとも、ペンはペンデザインの経験や筆記具を知らないので、
あたかもこれが使いやすいという安易な形態になっていることです。
この傾向はすぐに分かります。
かつて、デザイナーが最適と言っていたペン形状やクリップは
すぐに見破られてしまうものです。
このことは筆記具や万年筆の知識が相当に要求されているということです。
鉛筆が必ずしも良いわけではありませんし、鉛筆でも限定されています。
とりあえず、スケッチの基本形体である立方体と円柱を描けば、
一遍にペンと紙とのタッチ性=紙墨相発、書の基本が感覚的に明白です。
スケッチ描写の基本である自由曲線は、デザインストロークとクロッキーを
電子ペンとノートとの紙墨相発はトレーニングが必要です。
多分、3ヶ月程度で「思い道理」になるでしょう。
それはまさにデジタルながら「手」で発想できるはずです。

*『アナログスケッチからデジタルスケッチへ・・』
*『AppleStore銀座イベントを終えて』
*『工業デザイン教育での「手」のトレーニング』
*『描くこと=その神髄を決定づけているペンと紙』
*「プロとして元気の素は鉛筆への作法」


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『万年筆メインテナンスから見えている現実』


   


     10月 5th, 2015  Posted 12:00 AM

人は達筆と呼ばれなければいけない。と、
私は父に教わり、そのおかげもあって、
福井県吉田郡にある吉峰寺という永平寺の第一道場で、
中学時代と高校時代、二夏、修行をさせられました。
吉峰寺(地元ではきっぽうじ・一般にはよしみねでら)は
禅宗、道元が開祖として永平寺を建立したときの寺であり、
永平寺の歴代優秀なお坊さんが修行をしていました。
それこそ、書を住職に教えられるだけでなく、修行もしました。
そのおかげで、書や文字を書くことが大好きです。
この連休中は体調を相当に崩していましたが、
元気を回復すると、いの一番に私は万年筆のメインテナンスをして、
ペンの書き癖の確認と、インクの入れ替えをしました。
これは重要なペンです。
おそらく、この万年筆ブランドは世界でも最高級だと
私は思っていますが、
それにはいくつかの理由があります。
一つは万年筆の長さ分割は、完全な黄金比が適用され、
重量はインクを入れた時に、最も良い書き心地になります。
また、万年筆の材質とその材質は「財質」と呼ぶべき、
古代彫刻の再現、金蔵装飾の加工、材質を財質とする
その透明性の実現があります。
このブランドには、もうひとつ,私が所有していない加工、
それは貴石との組み合わせがありますから、
世界でも最高級である理由はこの4つだと思います。
インクは今では、顔料をインクにした技術進化もありますが
その一方では、
財質化する手法が段々と無くなりつつあることは
確実なことです。
万年筆の材質感とその加工方法が失われていくことには
あるモノの進化がストップし始めていることに等しいのです。
そういう意味では、文明による加工技術が文化を果たし、
その文化が消えていくことをデザイナーとして
さらに見つめて新たな技法という技能を、
加工技術にしなければと思います。
達筆であることと弘法筆を選ばずには、
明確に関連性があると判断しています。
少なからず、デザイナーというプロで「下手な文字」は
デザイン美を手に入れるには困難だろうというのは
私の偏見ではなく真実だと記述しておきたいと考えます。
こうして万年筆をメインテナンスすることによって、
二つのことが手に入ります。
一つはメールではなくて、手紙を書くこと。
そして、材質加工によって財質加工技能の詳細を知ることです。
重大なことは、万年筆に行き着いた加工技術無くしてのデザインは
あり得ないことを明確にしておきたいと思います。
それこそ、高級時計を打ち出しながら、
その実際デザインの無知さが拡大していることも明らかです。


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