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『資本主義からの逃走』
「電脳進歩はイノベーションにあらず」


   


     8月 14th, 2010  Posted 3:45 PM

イノベーション
イノベーションほど、わが国の技術信仰を妄信させた言葉はありません。
シュンペンターはドイツ人的発想と予知能力は、きわめて統合的であり、
結局は資本主義の崩壊までを的中させてきたのです。
ところが、資本主義至上主義は、イノベーションの軸足を、
「技術」偏重での「技術革新」にだけ特化させて、政治的な余波や影響を調整してきました。
それの首謀者は、産業の基盤である技術だけに従属させようとした支配層でした。
とりわけ、技術と情報が結合され時、
それは電脳=コンピュータへの大きな期待感で隠避することが、
確実にその支配層だけに制御と操作ができたからです。
ところが、シュンペンターの定義の要約は、
「資本主義での発展とは生産要素の新結合=革新(Innovation)から生じ、
革新の担い手として異常な努力に耐えうる人物が
リーダー=企業者である。
革新は、旧来の経済軌道を変革破壊し、
その錯乱作用が景気循環を生む。
そして、その錯乱状況が平衡状態を回復するとき
新しい価値体系としての
モノの体系や制度体系を変貌させる。」
ということではなくて、
次の6つのキーワードで読み取っているとは思えない期待論を、
特に、日本の産業界の小粒な経営者の受け取り方が増加しています。
イノベーションの原典を読破していないためでしょう。
● 錯乱作用 
● 景気循環
● 価値体系
●モノ体系   
● 制度体系   
この中の一つに、私はあえてコンピュータを「電脳」と呼んで対照化して見てきました。
対照化の基本に道元の示唆を置いてみます。
「一事をこととせざれば、一知に達することなし」
なのでした。
私は、道元からのこの示唆をもって、
ひとまず、モノ体系の「電脳」はイノベーションには至っていないと考えています。


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